ブランドイメージはなぜ重要?
4つのメリットと7ステップの実践方法を解説
消費者が、商品やサービスの購入を決める大きな要素の一つが【ブランド】です。
ブランドのイメージが強いほど、消費者の購買意欲を高めることができます。では、ブランドイメージを向上させていくにはどうすればいいのでしょうか?
今回は、ブランドイメージの基礎知識やメリット、実践方法までわかりやすく解説します。
「自社のブランドイメージを上げたい」という方は、ぜひ参考にしてください。
ブランドイメージとは、ある商品やサービスに対して、消費者が頭のなかで思い浮かべる印象を意味します。
マーケティング界で使われるブランドイメージは、「プロダクトや企業の名前を聞いたときに生活者や顧客に想起される印象」です。
例えば、ファッションブランドであれば「ガーリー」「上品」というイメージのブランドがあれば、「機能的」「カジュアル」といった印象を抱かれるブランドもあります。
このようなブランドイメージは、広告やマーケティング、商品のデザインや質、顧客との関わり方などによって形成されます。
ブランドイメージの例
ブランドイメージが、顧客満足度や企業の評価にどのように影響するか、ここではスターバックスを例にして紹介します。
競争の激しい飲食業界で、確固たるポジションを確立しているスターバックス。
約600円という決して安くはないドリンク料金にもかかわらず、高い集客力を誇り、根強いファンが多く存在しています。
スターバックスのブランドアイデンティティは「サードプレイス」です。
「ファーストプレイス(自宅)」「セカンドプレイス(職場)」に対して、より自分らしさを取り戻せる【第三の場所】という意味が込められています。
リラックスできる場所を持つことによってストレスから開放され、新たなやる気を生むことが、サードプレイスのメリットとされています。
高級感のあるソファやおしゃれなBGM、オーダーに丁寧に応じてくれるスタッフなど、高いホスピタリティによって消費者に満足してもらうことが、スターバックスの戦略です。
その結果「おしゃれ」「居心地が良い」といったブランドイメージが形成されています。
スターバックスよりも低価格でカフェを楽しむことができる店は数多くあります。
それに対して、スターバックスは値段ではなく「スターバックスでしか味わえない上質な空間」というブランドアイデンティティで差別化を図ったのです。
ファンが増加し続けていることから、スターバックスのブランディングは成功事例といえます。
ブランドイメージの関連用語
ここから、ブランドイメージの関連用語である4つの用語について解説します。
・ブランド認知度(純粋想起・助成想起)
・ブランディング
・ブランドロイヤリティ
・ブランドアイデンティティ
関連用語 |
意味 |
ブランド認知度 |
特定のブランドが消費者にどのくらい知られているかを表す言葉。 |
ブランド認知度(純粋想起) |
ヒントを与えずに「●●と言えば、何を思い浮かべますか?」という質問をする方法。 |
ブランド認知度(助成想起) |
選択肢を与えて、そこから選んで知っているブランドを選んでもらう方法。 |
ブランディング |
ブランドの価値を高めるための施策のこと。 ターゲットとなる顧客を定め、そのブランドを浸透させていく一連の過程。 |
ブランドロイヤリティ |
ブランドへの消費者の忠誠心。 ブランドロイヤリティが高くなるほど、消費者はそのブランドの商品・サービスを繰り返し購入するようになる。 |
ブランドアイデンティティ |
顧客に持ってもらいたい企業イメージのこと。 キャッチコピーやロゴなど、ブランドを象徴する視覚的な要素や表現の組み合わせ。 |
それぞれについて詳細を解説します。
ブランド認知度
ブランドイメージを把握する前に、ブランド自体がどれだけ知られているかの指針となる「ブランド認知度」を測ることが大切です。
認知度を測る方法としては「純粋想起」「助成想起」という2つの方法があります。
・純粋想起
純粋想起とは、相手にヒントを与えずに「●●と言えば、何を思い浮かべますか?」という質問の仕方です。
例えば「炭酸飲料といえば?」「洗濯洗剤といえば?」のように、特定のカテゴリーを提示して、回答に名前が挙がってくれば、そのブランドの認知度は高いといえます。
・助成想起
助成想起とは、ヒントを与えない純粋想起と異なり、ブランド名や商品パッケージをいくつか並べたうえで「知っているブランドを選択してください」と質問して、認知度を測る方法です。
助成想起は、消費者がある程度認知はしていても、すぐに思い出せないようなブランドについて測定する場合に適しています。
ブランディング
ブランディングとは、ブランドのイメージを向上させる一連の施策を意味します。
広告やマーケティング活動以外にも、製品の品質やカスタマーサービスなど、全ての企業活動が影響を与えます。
有効なブランディングによって、企業は高いブランド認知度を獲得し、長期的に消費者と良好な関係を維持することができます。
ブランドロイヤリティ
ブランドロイヤリティとは、特定のブランドに対する消費者の忠誠心を意味します。
ブランドロイヤリティが高い顧客は、そのブランドをリピート購入しやすく、口コミで他者への推薦も積極的に行う傾向があります。
ブランドアイデンティティ
ブランドアイデンティティとは、ブランドを象徴する視覚的な要素や表現の組み合わせです。
キャッチコピーや色、ロゴなどすべてを含みます。
強力なアイデンティティは、競合他社と差別化を図れるだけでなく、消費者にその価値を伝えることができます。
ここから、ブランドイメージが向上することによって得られるメリットを紹介します。
ブランドイメージ向上の主なメリットとして、以下の4つがあります。
・安定した集客・収益が見込める
・競合他社と差別化できる
・商品やサービスが高単価でも売れる
・人材採用のコストを減らせる
安定した集客・収益が見込める
ブランドイメージ向上によって、企業は長期的な利益が得られ、ブランドのファンを増やせることがメリットです。
良好なブランドイメージが確立されれば、消費者に信頼感を与えられます。
あるブランドに対して高い評価を抱く消費者は、継続的にそのブランドの商品を買い続けることも多いです。
例えば、スマホユーザーの中には「iPhone」しか買わないというケースが挙げられます。
ブランドイメージが向上すると、新たな広告コストをかけなくても商品が継続的に売れるようになり、利益率の改善効果も期待できるでしょう。
競合他社と差別化できる
自社の製品・サービスを利用してもらうためには、他社との差別化が必要です。
ブランドイメージが向上することで、他社との違いが消費者に印象づけられ、競合他社との差別化が図れます。
例えば、ハンバーガーと聞くと「マクドナルド」をイメージする方は多いでしょう。他にもハンバーガーを販売するお店があっても、強いブランドイメージからマクドナルドのハンバーガーを購入すれば問題ないと考え、自然とマクドナルドが選ばれる傾向にあります。
ブランドイメージ向上によって競合他社との差別化を強化すれば、容易に負けることのない独自の地位を確立できるのです。
商品やサービスが高単価でも売れる
良いブランドイメージが消費者の中にあれば、製品やサービスの価値を値段だけで判断されることが少なくなります。
たとえ他社製品よりも高額であっても、「このブランドなら間違いない」と顧客が納得して購入してくれるのです。
低価格競争を回避することができ、より高い利益率を確保することが可能になります。
人材採用のコストを減らせる
企業としてのブランドイメージが向上すると「この企業の一員になりたい!」と感じる人材が増えていきます。
ブランドイメージ向上によって、優秀な人材を確保しやすくなり、採用コストを削減できるというメリットもあるのです。
また、ブランドの理念や価値観に共感した人材が集まることによってエンゲージメントを高め、採用後のミスマッチが減るため離職率の低下も期待できます。
【7ステップで解説】ブランドイメージ戦略の実践方法
ここから、ブランドイメージ戦略の実践方法について解説します。
STEP0:事前にブランドイメージを調査する
STEP1:消費者に抱いてほしいブランドイメージを決める
STEP2:ターゲットを設定する
STEP3:ブランドストーリーを作る
STEP4:タッチポイントを検討する
STEP5:コンテンツを作成する
STEP6:ブランドの認知向上に向けた対策を取る
STEP0
事前にブランドイメージを調査する
ブランドイメージを向上させるためには、現在のブランドイメージを把握しておく必要があります。
そのために「ブランドイメージ調査」を行いましょう。
ブランドイメージ調査とは、そのブランドが消費者にどのようなイメージを持たれているのかを確認するために行う調査です。
ブランド調査によって、商品・サービスの浸透度や評価を多面的に測定できます。
調査を行うことの重要性
ブランド調査を行うことには大きな意味が2つあります。それは「現在のブランドのポジションを確認する」ということと、「ブランドイメージのギャップを知る」ということです。
ブランドイメージを向上させる戦略は、計画的に行われなければいけません。
現在のポジショニングが当初の予定通りに行っているかを確認することが重要になります。調査結果にギャップがあった場合、どのような施策を行うかということを検討する必要があります。
そのような次につなげるアクションを起こすためにも、調査を行うことは非常に重要です。
ブランドの調査方法には以下の3つがあります。
・ブランド認知度調査
・ブランドイメージ調査
・競合調査
ブランド認知度調査
ブランドが世の中にどれだけ知られているかをアンケートで調査する方法です。
ブランド認知度調査の実施方法には、インターネット調査・郵送調査・電話調査などがあります。
現在は、スピーディに多数の回答を集められるインターネット調査が主流です。
インターネットを利用しない層も対象としたい場合は、他の調査方法と組み合わせるなどの工夫をしましょう。
基本的に、ブランド認知度調査には想起率が用いられます。想起率が高いほどブランド力が高いといえます。
※想起率とは 特定のジャンルにおいて、自社の商品がどれだけ思い出されるかを表す数値です。 例えば、「緑茶飲料と言えば?」という質問に対して、名前が多く出る企業はブランドイメージが強く、想起率が高いことが分かります。 |
ブランドイメージ調査
ブランドイメージ調査とは、消費者がブランドに対して具体的にどう思っているかを調査するものです。
ブランドイメージ調査によって、ブランドの好感度だけでなく、ブランドアイデンティティとブランドイメージのギャップも測ることができます。
ブランドイメージ戦略を見直すときにも役立つ調査です。
競合調査
競合調査とは、自社ブランドと競合ブランドにおいて、どれだけの差があるか確認をすることです。
競合調査によって、競合他社のマーケティング戦略、強み・弱みなどの特徴を把握することができます。
自社の優れている点や劣っている点を具体化できるため、改善策や有効なマーケティング戦略につながります。調査では「3S分析・4P分析・SWOT分析・バリューチェーン分析」などを実施します。
STEP1
消費者に抱いてほしいブランドイメージを決める
自社のブランドアイデンティティを明確にします。
ブランドアイデンティティとは「消費者に抱いてほしいブランドイメージ」を定義したものです。
このステップは、ブランドの目指すべき方向性を決定するプロセスといえます。
自社視点だけでなく、消費者に広く受け入れられるようなブランドアイデンティティを目指すことが大切です。
STEP2
ターゲットを設定する
ブランドイメージを向上させるには、ターゲットを明確にしなくてはなりません。
まずは、自社の商品・サービスのメインターゲットとなる消費者を想定しましょう。
ターゲットとなるユーザーの年齢層や価値観、ライフスタイルなどをイメージすることによって、より精度の高いターゲット設定が可能になります。
ユーザーの設定には、以下の2つ方法がおすすめです。
・STP分析
・ペルソナ
STP分析
STP分析とは、以下3種類の英単語の頭文字から名付けられた分析方法をさします。
・Segmentation(セグメンテーション):市場細分化
・Targeting(ターゲティング):狙う市場の決定
・Positioning(ポジショニング):自社の立ち位置の明確化
STP分析では、まずセグメンテーションで市場の全体像を把握します。
ターゲティングでその中から狙うべき市場を決定した後、ポジショニングによって自社商品やサービスを競合他社と比較して、どのように位置付けるのかを明確にします。
ポイントは、市場を細分化し、その中から狙うべき市場を明確にすることです。
市場を細かく分けるためには、正確な情報が必要となります。ユーザー設定までに時間がかかりますが、高い根拠を持って戦略を計画できることが特徴です。
ペルソナ
ビジネスにおける「ペルソナ」とは、主にマーケティング領域で用いられる用語です。
商品やサービスを提供する際、主にどのような消費者に向けたものであるか、その具体的な人物像を設定していきます。
性別や年齢以外にも、学歴や職歴、年収や家族構成など、あらゆる属性を検討することが重要です。
明確にペルソナが設定されていれば、よりユーザーの視点に立った商品・サービスの提供が実現します。
STEP3
ブランドストーリーを作る
ターゲットがブランド価値に共感してくれるようになるためには、明確なブランドストーリーを提供する必要があります。
ブランドストーリーとは、ブランドが誕生した経緯やブランドコンセプトをストーリーに沿って紹介する手法です。
商品をつくる過程での努力や喜び、企業理念などをストーリー形式で訴求します。
明確なブランドストーリーはターゲットに対して、「この商品を使用することには価値がある」と認識させることができます。
ブランドストーリーを適切に伝えられれば、共感や感動を呼びやすく、消費者に好印象を抱いてもらいやすくなります。
その結果、ブランドイメージの確立に成功し、売上アップにもつながるでしょう。
STEP4
タッチポイントを検討する
タッチポイントとは、ターゲットとする消費者とブランドの接点のことです。
ブランドの魅力がより正確に分かりやすく伝わるように、複数のタッチポイントを組み合わせて、ブランドの認知度を上げていきましょう。
タッチポイントの具体例としては、SNSやホームページ、雑誌やチラシ、テレビCMなどが挙げられます。
これらのタッチポイントのなかから、ターゲットに対して訴求力が強い組み合わせを考え、最適化を図ることが重要です。
タッチポイントを増やすのも効果的な方法ですが、それぞれのチャネルでメッセージや価値観が一貫していることが前提です。一貫性を保つことによって、顧客はどのチャネルを通しても同じ体験を受けられ、信頼感を強化することができます。
STEP5
コンテンツを作成する
タッチポイントを通じてターゲットに伝えるコンテンツをデザインしましょう。
広告の制作では、「文字情報」と「視覚情報」を適切に組み合わせてデザインしていきます。
・文字情報:文章・言葉
・視覚情報:デザイン・写真・動画
文字情報と視覚情報、どちらか一方を整えれば良いというわけではありません。両方セットで整えていくことが重要なポイントとなります。
文字情報だけが整っていても、ビジュアルの印象がブランドイメージに沿っていなければ、ターゲットに興味を持たれません。
視覚情報だけが整っていても、瞬間的な興味は持たれても中身を理解されないでしょう。
人は情報の大部分を視覚から獲得しているため、デザインが創意工夫されたコンテンツは、ブランドイメージを伝えることに大きな効果を発揮します。
ブランドイメージを定着させるためには、コンテンツにしっかりとブランドコンセプトや特徴を含めることも重要です。ブランドイメージがターゲット層に適切に伝わるようなデザインを、戦略的に構築しましょう。
最初に整えるべきコンテンツは、新規の見込み客が成約を決めるメディアです。業種や業界によって変わりますが、大きく分けて以下の3つがこれに該当します。
・ホームページ
・ポータルサイト
・ブログ
このメディアを整えた後は、メールマガジンやLINEで配信していくコンテンツを作成していきましょう。
この2つのメディアは、新規の見込み客に対してブランド情報を提供し、ブランドイメージを形成していく役割を果たします。
STEP6
ブランドの認知向上に向けた対策を取る
ブランドイメージを共有させるためには、その価値を広く伝える必要があります。そのために必要になるのが広告活動です。
近年ではネットの普及もあり、さまざまなPR方法があります。
ここで重要になるのはその手法の選択です。ターゲットやブランドストーリーに応じて最適な手法を選択しなければ、ターゲットに違和感を生じさせてしまうこととなります。
ターゲットとなる消費者の接触頻度が高いメディアや、ブランド価値を低下させないメディアについて調べておくことが重要になります。
ここでは、ブランドイメージの向上に成功した企業事例とアイデアプラスがブランディングに携わった企業事例の4社を紹介します。
・アイデアプラス
・無印良品
・ルイ・ヴィトン
・今治タオル
株式会社アイデアプラス
弊社アイデプラスが携わった介護事業会社Yの事例を紹介します。
Y社から新規事業として「学童サービス」を始めるための空間づくり・内装設計のご相談をいただいたことをきっかけに、ブランディングから携わらせていただきました。
まず、お客様に抱いてほしいブランドイメージの方向性を決めていきます。
ブランドや施設のあるべき姿はどんなものか、会議をファシリテーションしながらお客様とともに考えていきます。
その中から導き出されたのが「遊びを通して学べる、それぞれのお子様に合わせたサービス」です。
独自の価値提供ができるブランドイメージを抱いてもらうことで、他の学童サービスと差別化します。
さらにブランドイメージを向上させるために、どんなユーザーに利用してもらえるのか、ペルソナを設定をしていきます。
ペルソナ(具体的な人物像)を設定することで、よりユーザーの視点に立ったサービスを提供できるメリットがあります。
ペルソナをしっかり設定した後は、カスタマージャーニーマップ作成へ。
「それぞれのお子様に合わせたサービス」にするために、様々なシチュエーションを想定してカスタマージャーニーマップに落とし込みます。
よりニーズに合致するサービス内容を提供するために、カスタマージャーニーマップによって可視化された顧客心理を考えながら、実際のサービスや施設を具体的に決定していきました。
これらのフレームワークを用いることで、「お客様に抱いてほしいブランドイメージ」と「実際のサービス内容」や「ニーズ」が合致しているのかを可視化することができます。
このようなブランドイメージ策定から始動した学童サービスは、オープンから1年で目標動員数を達成することができ、現在は新規店舗オープンなど規模拡大に向けて動き出しています。
この成功は、学童サービスの「独自の価値」を提供することで競合他社と差別化し、ブランドを魅力に感じてもらうことができた結果だと捉えています。
無印良品
質の高いシンプルなプロダクトで多くのファンを持つ「無印良品」。
1980年に小売チェーン「西友」のプライベートブランドとしてスタートし、現在は全世界で700を超える店舗で食品や衣類、家庭用品などさまざまなアイテムを展開しています。
無印良品のブランドイメージは、シンプルかつ高機能です。
全てのデザインをシンプルにすることによって、機能性とともに無印良品らしさのアプローチに成功しています。
また、「MUJI」のシンプルでブランドアイデンティティを明確に表現したロゴも、その成功に大きく貢献しています。
「自然と。無名で。シンプルに。地球大」という企業理念とブランドイメージが合致し、統一感のある独自の世界観が伝わってくることによって、多くのファンを獲得しています。
ルイ・ヴィトン
フランス発の有名ファッションブランド「LOUIS VUITTON 」(ルイ・ヴィトン)。
世界中で価値の高いブランドにも選ばれているルイ・ヴィトンは、1854年の創業以来、160年以上にわたって多くの人々を魅了し続けています。
ルイ・ヴィトンの人気は、その高いブランド力によって支えられているといえます。高級なブランドイメージを維持しているのは、ルイ・ヴィトンの大きな強みです。
ルイ・ヴィトンは、ブランドイメージを維持するために、さまざまな取り組みを行っています。
ブランド戦略は、マーケティングの基本的なフレームワーク「4P」を徹底的に追求したものです。その成功は多くのブランドに模倣されています。
【フレームワーク「4P」】
・製品(Product)
ルイ・ヴィトンの製品は、高品質で洗練されたデザインが特徴です。
また、モノグラムやダミエなどの独自の柄は、ブランドのアイデンティティを象徴するものとして世界中で知られています。
・価格(Price)
ルイ・ヴィトンの製品は、高額であることで知られています。これは、ブランドの希少性やプレミアム性を高めるためです。
・流通(Place)
ルイ・ヴィトンは、直営店を世界中に展開しています。これは、ブランドのコントロールを強め、顧客に特別な体験を提供するためです。
・プロモーション(Promotion)
ルイ・ヴィトンは、あえて広告や宣伝を控えています。これは、ブランドのプレミアム性を維持するためです。
代わりに、セレブリティとのコラボレーションや、限定品などの発売によって、話題性を高めています。
このような戦略から高級ブランドのイメージを維持し続け、ブランド力を高めているのです。
【関連記事】 ■フレームワーク「4P」についての詳細はこちらの記事をご覧ください。 「【初心者向け】マーケティング分析の基本!9つのフレームワークと注意点を解説」内 「4P分析」 |
今治タオル
「今治タオル」は、今治タオル工業組合の組合員企業が製造したものを指します。
「今治タオルブランド」は、今治タオル工業組合員企業が製造した今治タオルの中でも、今治タオル工業組合が独自に定めた品質基準に合格したタオルのみに付けられる商標のことです。
今治タオルブランドは、優れた吸水性と高い安全性が特徴となっており、高い品質を消費者に約束しています。
過去、今治タオルは安価な輸入タオルに市場を奪われ、危機的な状況に追い込まれました。
それまで柄物のタオルを製造していた今治タオルでしたが、自らの強みである「安心・安全・高品質」をもっとも訴求できるタオルとは何かを模索し、以下のバリュープロポジション(※1)を打ち出しました。
【バリュープロポジション】
・顧客のニーズ
上質なタオルを日常的に使用したい
・製品の強み
・優れた吸水性で、水分を素早く吸収し、しっかり拭き取れる
・なめらかな肌触りで、触れた瞬間から心地よさを感じられる
・耐久性に優れており、長く愛用できる
・価値の提供
優れた吸水性と肌触り、耐久性を兼ね備えたタオルを提供
そこで行き着いたのが、デザイン性を省き、機能性を強調した無地の白いタオルでした。
「今治タオル」=「無地の白いタオル」で、高品質なイメージの定着に成功しました。
多少価格が高くても、高品質なタオルを求める消費者をターゲットとして、今治タオルブランドの魅力を海外にも展開して広めています。
ここで、ブランドイメージについてよくある質問をご紹介します。
・ブランドの要素は何か?
・ブランドイメージにはどのような影響があるか?
・ブランドイメージの具体例を教えてほしい
ブランドの要素は何か?
ブランド要素の代表例は以下の9つです。
①ブランド名
これはそのままブランドの名前です。ブランドの世界観が端的に表されているかを意識して設定しましょう。
②ロゴ・マーク
ロゴとマークは企業や商品、サービスのブランドを象徴するものです。
ロゴは企業名や商品名、ロゴタイプなどを組み合わせたものです。マークは企業や商品、サービスの象徴となる図案やシンボルです。
共に広告や宣伝などを通じて繰り返し消費者に訴求されるため、印象的であれば、ブランドの認知度を高めることができます。
③色
色はブランドカラーです。ロゴマークやパッケージ、Webサイトなどで使用されています。
色は、視覚から得られる情報の約80%を占めると言われており、人間の感情や行動に大きな影響を与えます。
そのためブランディングにおいては、色を効果的に活用することで、ブランドの認知度やイメージを高めることができます。
④キャラクター
ブランドの象徴となるような実在または架空の人物や動物などがキャラクターです。
キャラクターを起用すると、親近感を出すことができます。
また、幅広い年代層にアプローチしやすくすることがメリットです。商品やパンフレット、イベントなどで活用することができます。
⑤パッケージ・空間デザイン
パッケージは商品やサービスの外観を構成する要素であり、商品やサービスの第一印象を決定づける重要な要素です。
空間デザインは店舗やオフィスなどの空間のデザインであり、消費者の購買意欲や満足度に大きな影響を与える要素です。
ブランドのアイデンティティを明確にするために、効果的に活用することができます。
⑥タグライン
タグラインとは、ブランドのキャッチコピーのことです。
消費者の印象に残りやすくなるよう、ブランドアイデンティティよりもわかりやすく、具体的に設定する必要があります。
タグラインが具体的であれば、企業やブランドのアイデンティティを明確に伝えることができます。
⑦ジングル・音楽
音楽もブランド要素の一つです。ブランドを象徴する楽曲はジングル(サウンドロゴ)と呼ばれます。
音楽は、視覚的な情報以上に記憶に残りやすいと言われています。
⑧ドメイン(URL)
ドメインはブランド名や企業名、商品名、サービス名などの覚えやすい言葉やブランドのアイデンティティを表現した言葉を採用することで、ブランディングに効果を発揮することができます。
⑨匂い
匂いは、視覚や聴覚などの他の感覚よりも、強い印象を与えることができると言われています。
また、匂いには、人々の心に刻まれるイメージや感情を呼び起こす力があり、ブランドのイメージ形成に効果的に活用することができます。
ブランドイメージにはどのような影響があるか?
ブランドイメージが向上することによって得られるメリットは以下の4つです。
安定した集客・収益が見込める
消費者の信頼と忠誠度の獲得、広告コストの削減、利益率の向上など、企業にとって長期的かつ安定的な利益に繋げることができます。
競合他社と差別化できる
他社との差別化が可能になります。消費者はブランドイメージが強い製品・サービスを選びやすくなります。
ブランドイメージが高ければ、独自の地位を築くことができます。
商品やサービスが高単価でも売れる
消費者は、良いブランドイメージを持つ企業の製品やサービスを、高品質で価値があると判断する傾向があります。
そのため、たとえ他社製品よりも高額であっても、「このブランドなら間違いない」と顧客が納得して購入してくれるようになります。
人材採用のコストを減らせる
ブランドイメージが向上すると、その企業で働きたいと考える優秀な人材が増えていきます。
また、ブランドの理念や価値観に共感した人材が集まることによってエンゲージメントが高まり、採用後のミスマッチが減るため離職率の低下も期待できます。
ブランドイメージの具体例を教えてほしい。
スターバックスを例にして紹介します。
スターバックスコーヒーのブランドイメージは、「おしゃれ」「高級感」であるといえます。
「上質な環境でゆったりとコーヒーを楽しむ」というコンセプトのもと、高価格なコーヒーを提供し、忠実心の高い顧客を獲得しています。
スターバックスの高級感を演出しているのは、特徴的なロゴマークや、ラグジュアリーホテルのような店舗デザインです。
これらの要素が、スターバックスでのコーヒー体験を贅沢で付加価値のあるものにしています。
同業他社との価格競争に巻き込まれることなく、スターバックス独自の価値を提供している成功例といえるでしょう。
企業にとって、ブランドイメージは重要な資産です。ブランドイメージとは、消費者が企業や商品に対して持つ印象や感情のことです。ブランドイメージが高いと、消費者はその企業や商品に対して信頼や好感を抱き、忠誠度や満足度が向上します。また、ブランドイメージが高いと、競合他社との差別化ができ、市場での優位性を確保できます。このように、ブランドイメージの向上は、企業の成功に不可欠な要素です。
この記事では、ブランドイメージを向上させるための7つのステップを紹介しました。それぞれのステップには、具体的な方法や事例が示されています。これらのステップを実践することで、貴社のブランドについて客観的に分析し、改善点や強みを見つけることができます。また、貴社のブランドに合った戦略やアクションを立案し、実行することができます。
ブランドイメージの向上は、一朝一夕にできるものではありません。しかし、積極的に変革し、コミュニケーションを強化することで、ブランドイメージは確実に向上していきます。
弊社、株式会社アイデアプラスはお客様が抱える課題を考えクリエイティブの力で課題解決、一緒に目標達成まで伴走いたします。
お困りの際は、ぜひ株式会社アイデアプラスにお気軽にご相談ください。
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木村 里紀
ディレクター
神奈川県出身。美術大学卒業後、映画/ドラマ/アニメのオフライン編集を行う映像編集会社に編集助手として従事。次回予告編集を始めとする映像作品作り携わる。その後、ディレクターとしてアイデアプラスに入社。ポスター、チラシ、LP、バナーなど複数展開のキャンペーン販促物を中心にディレクションを担当。