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自社ECサイトの立ち上げ方:いまさら聞けないECサイトの基礎知識#2

ECサイトの基礎知識について連載形式で紹介していく本企画。第1回では、自社ECサイト、モール型ECという大きな2つの分類をご紹介しました。
第2回の今回は、2つのうち自社ECサイトについて、立ち上げ方や選び方をご紹介します。

自社ECサイトの4つの立ち上げ方

自社ECサイトを立ち上げる方法は、4種類に分類されます。それぞれフルスクラッチ、パッケージ、オープンソース、ASPと呼ばれており、同じ自社ECサイトでも、費用や立ち上げに要する期間、自由度が大きく異なります。

フルスクラッチ

フルスクラッチは、HPのデザインからECシステムまで、すべてを制作するパターンです。求める機能を自由に組み込むことができますが、0からのスタートとなるので、時間や費用が大きくかかります。制作には、外部に依頼する場合と、自社内のデザイナーやエンジニアによって構築する場合があります。
独自性が非常に高いECサイトにでき、企業や商品のブランド戦略の一貫としても大きく活用できますが、セキュリティ、トラブル対応など、システムに詳しい人間が必要となるため、多くの企業にとってはハードルが高い方法です。また、他社に依頼する場合は、制作自体のコストはもちろん、セキュリティやトラブルへの対応に関するランニングコストも大きくなります。

パッケージ

ECに必要な機能が用意されたパッケージを活用する立ち上げ方法です。制作会社に依頼してサイトを作成してもらうケースが多いですが、既に出来上がったシステムを組み込むため、フルスクラッチほどの費用はかかりません。また同じように基本機能を搭載した後述のオープンソースと異なり、ソースコードが非公開である点はセキュリティ的な安心があります。
一方でフルスクラッチほどではないものの、初期費用はほかの方式に比べて大きくかかるため、初期からある程度売り上げが見込めるケースでないと費用的に厳しいことも多いです。また、セキュリティ対策としてのアップデートに対するランニングコストがかかります。

オープンソース

外部に公開されているソースコードでECサイトを組み上げる方式です。ソースコード自体は低コストですが、カスタマイズやセキュリティ対策に際しては、知識が必要です。
例えば、オープンソースの代表例であるEC-CUBEは、無料ライセンス版が用意されています。しかし、前述のようにカスタマイズなどは専門の知識が必要となるため、有料でカスタマイズや保守を行う企業が存在しています。また、改変したソースコードは公開が必要となっているため、ソースコードを公開したくない場合や、それ自体を販売したい場合には、有料ライセンス版を導入する必要があります。

ASP

ASP(application server provider)とは、ECサイト構築サービスを活用する方法です。ShopifyBASESTORESなどの名前を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
初期費用が0円からのサービスなど、コストが安価で済むのが特徴です。デザインはテンプレートを元に組んでいきますが、トレンドを押さえたデザインが用意されているので、あまり知識がなくても雰囲気のあるページを作成することができます。また、サーバーが不要で、保守・管理面もサービスに含まれているので、気軽に利用しやすいのが特徴です。
月額利用料、決済手数料といった費用がかかってくるため、販売数が多い商品ほど費用が大きくなります。また、テンプレートから選ぶため、ほかの3つの方式ほどの自由度はありません。また、自社で独自の在庫管理システムなどを運用している場合は、どのように連携するかが課題になることが多いです。

まとめ:どの方式で立ち上げるか

ECサイトの立ち上げ方法の選定は、自社のリソースによって選択していくとよいでしょう。大事なのは立ち上げることではなく、商品の販売、そして販売の拡大です。そのためには、状況に見合った方式を選択し、ECサイトの運営部分に力を注ぐことができる状況づくりが必要になってきます。

次回は、モール型ECサイトについて解説します。