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気になる用語の基礎知識#1 AIって結局何なんだろう?

昔から存在するAIは、現在新たな時代を迎えています。多くの企業がAIを活用した商品やサービスを開発し、「自ら考える」精度の向上に力を注いでいます。そこで今回は「AI」について、その歴史から現在までを簡単にご紹介します。

AIの定義とは?

AIはArtificial Intelligenceの略で、人工知能と訳されます。AIと聞くと、人間のように自立して思考、判断を行うロボットのようなイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。
AIは過去60年の間に、3度ブームが起こりました。
第一次AIブームは1950~1960年代に起こりました。『ダートマス会議』と呼ばれる会議をきっかけとし、コンピュータが答えを探す方法についての研究が数多くなされました。
第二次AIブームは1980年代に起こります。特に注目されたのが「エキスパートシステム」と呼ばれる技術で、専門分野の知識をコンピュータに覚えさせ、「X」に対しては「Y」と答える、のような条件式を設定していくことでコンピュータがエキスパート(専門家)のように振る舞う仕組みです。
そして現在、2000年代から始まったのが第三次AIブームと位置付けられています。コンピュータ自体の性能が上がり、大規模なデータを利用する「機械学習」「ディープラーニング」「ニューラルネットワーク」が生まれました。与えられた中から自分で特長を探し出して精度を高めていくため、フィクションの世界のAIのような、自律した思考に近づきつつあります。
このような変遷をたどってきたAIですが、実は「これがAIだ」という定義は曖昧なままです。そのため、「ここからここまでがAI」と線引きすることはできず、話し手がどのようにAIを捉えているかによって、どうとでも言えてしまうという問題もあります。

これってAI?

ここからは、AI?AIではない?といわれる例をみていきましょう。

アキネーター
特定の人物・キャラクターを思い浮かべながら質問に答えていくと、魔人がそれを当ててくれる、というサービスです。これは第二次AIブームの「エキスパートシステム」にあたるもので、細かい条件分岐を行っているだけなので、実際に魔人が考えているわけではありません。しかし魔人が悩んだり、様々なしぐさをとったりすることで、キャラクターが人格を持って対話しているようにみえます(AI?)。

・チャットボット
様々なところで見かける「文章を投げかけると応対してくれる」サービスを、チャットボットといいます。チャットボットにも種類はありますが、近年、会話を繰り返すことで精度を高めていくタイプのチャットボットも登場しています。このタイプのチャットボットは、質問にどのように回答するか、という応答パターンを学習していくことで、会話の精度が高くなっていきます。大量のデータを処理することが可能になったことで、人間のようにみえるものも出現してきました。
画像の「りんな」はマイクロソフトが開発したチャットボットで、女子高生という設定で多くのユーザーと交流し、学習してきました。LINEやtwitterで交流することができ、ちゃんと会話も繋がっているようにみえます。

ルンバ
ロボット掃除機の代名詞、ルンバ。ホームページを見ても、AIという言葉は使われていませんが、掃除して走っていく中で家具の配置を覚え、汚れやすい箇所を重点的に掃除するなど、自分の行動の中から学習していくことが可能です。また、ルンバに名前をつけ、対話を行うようなアプリのUIを通してルンバに愛着を持つユーザも少なくありません。単なる機械以上のもの(AI?)を感じさせてくれるロボットです。

まとめ

ここまで読んでいただいて、AIという言葉の幅を感じていただけたのではないかと思います。AI研究はまだまだ成長を続けている領域で、これからも様々な「AI」が登場すると考えられます。捉える側の考え方にも大きく左右されてきますので、広い視点を持って捉えるのがよいでしょう。