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南インドのカレーの食し方を考えていたら、ディレクターの仕事とつながった話

初めまして!今月からライターとして広報に加わりましたコーポレートチームの鈴木です!これから毎月業務スピードアップに役立つ記事を書いていきますので、よろしくお願いします!

じゃあ早速、と行きたいところですが、初回くらい違うことを好きに書いても許されるのでは?と考え出したらこの記事が出来上がっていたので、どうぞ。

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突然ですが、皆さんは『カレーを思い浮かべて下さい』と言われたらどんなカレーを思い浮かべますか?家庭のカレー?(ほぼ無限に)ナンが出てくるインドカレー?洋食屋で出てくるようなお肉がゴロゴロ入った欧風カレー?それともスープカレー?

私はこんなカレーを思い浮かべます。

これ何?と思われた方が大半なのではないでしょうか。この写真はミールスという、カレーの定食のようなものだと思って下さい。色んな種類のカレーとライス、副菜等が入ったワンプレートです。このミールスは南インド定番スタイルのカレーで、日本でよく見かける、ナンが出てくるカレー屋さんは北インドのスタイルを踏襲しています。

それぞれの違いを簡単に説明すると、南インドのカレーはサラサラしていて、北インドのカレーは濃厚。今流行っているスパイスカレーの定義は曖昧なのですが、南インドやスリランカのカレーの特徴を持ちながら日本で新たに生み出されたカレーで、ルウ(小麦粉をバターで炒めたもの)を使いません。

完全に私事で恐縮ですが、一昨年くらいからスパイスカレーにハマり、その源流の一つであるミールスにも絶賛心奪われています。2日に1回は食べたい。

急に自分がハマっているカレーの話をするんじゃないよ!と思われた方。もっともなご意見ですので、その批判は甘んじて受け入れたいと思います。仕事との関連性が無さすぎるだろうと。

しかし、急にこんな記事をそれなりに時間を使って書くからには理由があります。私たちアイデアプラスは全員がディレクターの会社なのですが、「ミールスにはディレクターの業務との共通点が多いことに気付いた」という話を社内でしたところ、全員にとても不思議そうな顔をされました。

このままで終わるのは悔しいのでちゃんと説明する機会を作ろうと考えていた結果、ちょうど依頼されていた記事で説明するのが良いじゃないかと。名(迷)案ですね。分かります。ということで、釈明の場でございます。

〜カレーの食し方を考えていたら、ディレクションとの繋がりに気付いた〜

■共通点その1:到達したい地点を考え、必要な要素を用意する。

ディレクターの仕事は何から始まるか。私は、最終的にどこに到達したいのかを決め、そのために必要な要素(仕事をお願いする仲間・環境等)を用意することから始まると考えています。目標を決めておかないと、行き着くまでの道のりを描けない。だから最初に決める。

これは、ミールスを食べる時にも同じことが言えると思います。ミールスには、必ずこちらで選ばないといけない『選べるカレー』という枠が設けられていることが多いです。チキンカレー、ビーフカレー、菜食カレー等……。店によりますが、10種類程度の中から一つを選ぶことが多いです。豊富な種類を前に、選びきれないよ……となるのは必然。

そこで先ず、今日の自分の行き着きたい地点を設定しましょう。お肉を食べて充足感を得たい、という方はチキン・ビーフ・マトン等の肉食カレーを。あんまり食べ過ぎるのもなぁ、という方は菜食系のカレーをそれぞれ選択することで、今日の自分がどこに到達したいかという意思を反映させることが出来ます。それ以外の部分でもカスタム出来る部分(ライスの種類変更、副菜の変更等)が幅広く、こちらの意思を反映させ易いです。ここが他の食事とは一線を画す部分だと言えます。

■共通点その2:多種多様な要素の組み合わせ、道のりを設計する。

目標を定めて仲間を集めたのち、次の段階に何をするか。用意した要素を組み合わせ、最初に決めた到達地点への道のりを設計することです。ここがディレクターの腕の見せ所でしょう。一見噛み合わないように見える要素を組み合わせることが出来れば、これほど自分の器量を誉めたくなることは無いはず。

ミールスの場合、自分で料理を作っているわけでは無いため、多様な要素の組み合わせは店側によって設計されていることが多いです。一方の道のりは?というと、実際に食するこちらに委ねられていると言って良いと思います。

テーブルにミールスが着弾した後、何から食べ始めるか。どんな順番で食べるか。ワンプレートであるのに、その中身の種類の豊富さ故に慣れないうちは非常に悩むのです。これが楽しい、と私は思います。

また、実はこのミールス、単体で食べるのはもちろんのこと、それぞれを混ぜ合わせて食べてしまうことも良しとされているのです。日本の定食屋に行って複数のおかずを混ぜ合わせて食べることなど禁忌だと捉えられてもおかしくないですが、ミールスではそれが普通のこと。

選択肢を自分で作ってしまう。このミールスの特徴が、一度ハマったら夢中になる理由かもしれません。最初は抵抗があった物を好きになった時というのは、癖になりませんか?

これまで述べたようにミールスは、完食までの道のりも人それぞれ自由ですが、集合知と言うべき『食べ方の例』は数多く存在しています。全く何も知らず、全ての選択は自分に委ねられているという状況は、面白くもあるけど恐ろしさも感じるのではないでしょうか。

仕事でそんな状況の時に助けてくれたのは誰か。そう、先輩方です。『食べ方の例』というものは詰まるところ先輩方からの教えと捉えるのが良いでしょう。それだけに縛られることは避けたいですが、自分の道しるべとなるもの。存分に活用するべきだと思います。

特に、日本で南インドカレーを普及させたエリックサウスというカレー店の総料理長によるミールス解説は一読の価値ありです。

■共通点その3:無事に到達した喜びを分かち合う。

ディレクターとして最後にやるべきことは、設定した地点に到達出来た喜びを分かち合うことでしょう。これをやらなくても仕事は一応完結していますが、折角一緒に頑張ったのだから、ちょっと打ち上げでも……といきたい所です。次回に向けての布石にもなりますからね。

いやいや、それは分かるけど、ミールスを一人で食べてる時に喜びを分かち合うも何も無いのでは?もっともらしくは聞こえますが、一人だと無理と決めつけるのは早いです。確かに、一人で食べる時に一緒に食べる人はいないかもしれない。けれど、思い出してみて下さい。到達までの道のりを共に歩んだ仲間が既に自分の血肉となるべく体内にいることを。

ここは、喜びの祝杯を挙げるべく、ラッシー(ヨーグルトドリンク)やチャイ(インド式ミルクティー)を注文し、完璧なラストへの道筋を整えましょう。それらを飲み干した時に見えたものが最初に描いた到達地点と重なったならば、それはもう既に一つのディレクションが成功した。つまり、ディレクターとして一つの成功体験を得たことに他ならないでしょう。

……いかがでしたでしょう?なんとなく、ディレクターの仕事にもミールスにも詳しくなれた気がしませんか?え、そうでもないですか?そんな方がいたらいけないので、より深堀りして今後お伝えしていかねばという使命感に駆られていますが、あんまりやりすぎると社内で怒られそう……。

なので、次回は真面目に業務スピードアップを目的とした記事を書いて行きたいと思います。そちらも是非!