ポジショニングマップで何ができる?4つのメリットと失敗しない作り方を解説 - アイデアコンパス

ポジショニングマップで何ができる?4つのメリットと失敗しない作り方を解説ポジショニングマップで何ができる?4つのメリットと失敗しない作り方を解説
2023年12月29日

ポジショニングマップで何ができる?4つのメリットと失敗しない作り方を解説

本記事の著者
森 敬祐 ( ディレクター )
森敬祐 (ディレクター)
ポジショニングマップ作成で
お困りの際は是非ご相談を!
ポジショニングマップで何ができる?
4つのメリットと失敗しない作り方を解説
「自社の製品の強みって何なのだろう?」「新製品の訴求ポイントがわからない」
このような悩みを解決するのに役立つ分析として【ポジショニングマップ】という手法があります。

ポジショニングマップとは、自社の優位性はどこにあるのかを明らかにする図表です。
今回は、ポジショニングマップの基本と利点、その作り方をわかりやすく解説します。

ポジショニングマップとは

ポジショニング(positioning)とは、位置を決めるという意味です。
マーケティング業界では、競合他社との位置関係を明らかにしたうえで、差別化するべきポイントを探し出し、自社の立ち位置を確立することを指します。

ポジショニングマップは、マーケティング戦略のフレームワークのひとつです。
意味の異なる2軸で作られたマトリクス上に、自社と競合他社の製品・サービスを配置した図表のことを意味します。

ポジショニングマップ作成によって、市場における自社のポジショニングを可視化でき、市場の現状を視覚的に整理できます。

ポジショニングマップを作る4つのメリット

ここから、ポジショニングマップを作る4つのメリットを解説します。

 ・経営戦略の決定に役立つ
 ・自社製品の魅力を分析できる
 ・自社の優位性がわかる
 ・競合がいない領域が見つかる可能性がある

経営戦略の決定に役立つ

ポジショニングマップは、その製品・サービスが今後どのようなマーケティング戦略をとるべきかを決定するのに役立ちます。
ポジショニングマップを作成すると、自社および競合他社が市場においてどのようなポジションを占めているかを、視覚的に表現できます。

自社が他社と差別化できるポイントはどこにあるのかを見極めることによって、既存の製品・サービスのマーケティング戦略を見直すことが可能です。また、新規事業を立ち上げる際や、新製品開発時にも活用できます。

自社製品の魅力を分析できる

ポジショニングマップ作成によって、自社の製品・サービスにおいて、顧客にアピールするべき魅力を再発見できることもメリットです。
魅力的な要素は自社視点と顧客視点で異なる場合もありますが、適切なポジショニングマップを作成することによって、顧客にとって自社製品はどのような魅力があるのかを見つけやすくなります。

作成したポジショニングマップから、自社が行っているマーケティング戦略と顧客が感じている魅力にズレがあると明らかになった場合は、ズレが生じている部分を改善しましょう。

自社の優位性がわかる

ポジショニングマップを作成すれば、競合よりも優れているポイントがわかります。
価格や性能など、さまざまな軸を用いたマップを数多く作ることによって、自社製品が優位なポイントを多岐に渡って知れることがメリットです。
今まで何でもないように思っていた特徴でも、自社にしかない優位性として押し出せる強みになる可能性があります。

競合がいない領域が見つかる可能性がある

ポジショニングマップを作成すると、「ブルーオーシャン」が見つかる可能性もあります。
ブルーオーシャンとは、競争相手のいない未開拓の市場のことです。

新規事業スタートの際や新製品を開発する場合などは、ポジショニングマップによって、まだ他社が進出していない領域を発見できる可能性があります。
自社が狙っているポジションにすでに他社が存在している場合は、その内容を詳しく分析し、さらに上をいく事業を行うための判断基準になるでしょう。

ポジショニングマップ作成までの手順

ここから、ポジショニングマップ作成までの手順を解説します。

 ・ターゲット顧客のKBF(購買決定要因)を抽出する
 ・購買の決め手になりそうな要素を抽出する
 ・競合製品・サービスのKBFと自社を比較する
 ・ポジショニングマップを作る

ターゲット顧客のKBF(購買決定要因)を抽出する

最初に、製品やサービスに対する顧客の一般的な「KBF」(購買決定要因)を抽出します。
KBFとは「Key Buying Factor」を略で、顧客が製品やサービスの購入を決める際に重視する要素や判断基準のことを指します。
全ての業界に共通して、KBFになりやすい要素は以下のようなものが挙げられます。KBF を決めるときの参考にしてみてください。

【購買決定に影響を与える要因】
  ・価格
  ・性能
  ・機能
  ・実績
  ・サービスの内容
  ・レビュー・口コミ
  ・場所
  ・納期
  ・対応の良さ

自社の製品・サービスについて、お客様がどのような動機で購入を決定するのかアンケートを取ってみるのもおすすめです。

購買の決め手になりそうな要素を抽出する

KBFを洗い出したら、ターゲットにとって購買の決め手になる軸は何なのかを考察しましょう。

今回は、オフィスチェアの場合を例にあげて解説していきます。
ターゲットは「在宅勤務スタートをきっかけに、自宅のパソコン周辺環境を整えたい一人暮らしの20代男性」とします。
この場合、予算は限られていることが予測できるため、価格面はかなり重要です。
また、自宅の広さが限られる可能性が高いことも考えられます。そのため、製品の大きさもポイントとなるでしょう。

一方、組み立ての難易度やデザイン性などは、あまり重要視しなくても良さそうです。
このように、KBFの重要度を選定していくことで、どの要素を軸にしてポジショニングマップを作成するか適切な判断が下せます。

競合製品・サービスのKBFと自社を比較する

KBFの重要性を選定したら、自社と競合他社のKBFを比較しましょう。

今回は、競合他社としてA社(低価格帯のオフィスチェアを中心に展開)とB社(高級オフィスチェアを中心に展開)を例にします。
下記のように、表を作成して比較していきます。

【自社・競合A社・競合B社の比較】
オフィスチェアのKBF 価格 重さ コンパクトさ デザイン性 クッション性 保証期間 
重要度
自社 〇中価格 ◎女性でも動かせる重さ ◎スリム △シンプル ◎とてもやわらかい 〇あり
競合A社 ◎低価格 〇男性なら動かせる重さ 〇ややスリム △シンプル △薄い ×なし
競合B社 ×高価格 〇男性なら動かせる重さ △大きめ ◎おしゃれ 〇やわらかい 〇あり

表の作成によって、A社の製品は競合製品に比べて、「コンパクトなサイズ」「クッション性」の点で高い優位性があるとわかります。

ポジショニングマップを作る

ポジショニングマップの軸を2つ選び、ポジショニングマップを作成します。
ポジショニングマップの軸は、顧客の重要なKBFであり、競合製品よりも優位な軸を選ぶことが大切です。

縦軸と横軸のマップを作成したら、自社と競合他社をマッピングしていきましょう。
マップ上に自社と競合他社を記載すれば、視覚的に自社の立ち位置を把握できます。

ポジショニングマップ上の配置が自社と近くになるほど、競合する度合いが増します。
また、自社と競合が軸をはさんで対極となっている場合は、明確に差別化されていることを意味します。

完成したポジショニングマップを、今後の施策に落とし込んでいきましょう。

今回のオフィスチェアの例では、優位性の把握を目的として「価格」を縦軸にして、「クッション性」を横軸とします。
自社の製品は、競合他社と比べて「やわらかいクッション性」に優位性があることがわかります。このことから、マーケティング戦略としては、快適なクッション性をメリットとしてアピールすることがおすすめです。
また、競合B社は自社と似たような特徴があるため、差別化を図るためには、競合B社よりも安い価格であることをアピールすることも必要となります。

このように、ポジショニングマップを作ることによって、競合他社と比較して自社にはどのような優位性があるのかを確認できます。
そして、差別化を図れるポイントを見出すことにもつながるのです。

また、ポジショニングマップを作成することによって、競合のいない市場の「ブルーオーシャン」=「空白」を見つけられる可能性もあります。
今回のオフィスチェアの例では「おしゃれでコンパクト」な領域には空白があることが判明しました。
機能は少なくても、ルックスが優れていてスリムなオフィスチェアに需要があるならば、そのポジショニングを取ることによって、売上拡大が目指せるという仮説を立てられます。

ブルーオーシャンで良いポジションを見つけることができれば、競合と戦うことすらなく利益を上げることが可能です。

失敗しない!ポジショニングマップの軸選びの3つのポイント

ここから、ポジショニングマップの軸選びの3つのポイントについて解説します。

 1. 重要度の高いKBFを軸として設定する
 2.相関が強い要素は軸に設定しない
 3.自社に強みがある軸を設定する

1. 重要度の高いKBFを軸として設定する

ポジショニングマップの表を作成するときは、重要度の高いKBFを軸に設定するようにしましょう。
もし、重要度が低いKBFを軸にしてしまうと「自社の優位性を把握する」「他社と差別化を図る」というポジショニングマップの意味合いが弱くなってしまいます。
使われる軸の要素を大きく分けると、以下の3つが挙げられます。

 1. 製品自体が持つ性質にまつわる軸
 2. 製品やサービスに付与された価値にまつわる軸
 3. 使用用途に関する軸
1. 製品自体が持つ性質にまつわる軸
製品の性質に基づいた軸をとり、ポジショニングを決定します。
専門的な要素が強くなりやすいため、顧客が専門性をもって商材を判断する際に使用されます。

製品自体が持つ性質は、軸の中でも比較しやすいことが特徴です。
例えば、「処理速度が速い」「容量が大きい」「燃費が良い」などの観点から軸をとります。
2. 製品やサービスに付与された価値にまつわる軸
製品やサービス利用によって顧客に与えられる価値も、ポジショニングマップの軸として設定できます。
消費者の感情に訴えかける際に有効な手法です。
感情的な要素が強くなりやすいため、数値化できない定性的な要素でアピールする際に向いています。
例として、「安心感」や「手軽さ」などが挙げられます。
ただし、製品の価値であれば何でもよいわけではありません。顧客視点での利益を考え、ターゲットにとってKBFとなる要素を軸に設定しましょう。
3. 使用用途に関する軸
ターゲットが製品を選ぶ際に「用途」に重きを置く場合、用途に関する軸を設定することもあります。
性能面などで違いが見られない場合や、差別化できるポイントが消費者に分かりにくい場合に向いています。

製品が与える価値と同様に、ターゲットの用途に合った軸を設定することが大切です。
例えば、ワイヤレスイヤホンの場合、ランニングなどの「スポーツシーン」で使うのか、通勤や通学など「移動シーン」に使うのかなどが挙げられます。

2. 相関が強い要素は軸に設定しない

ポジショニングマップの軸選びでは、2つの要素が共に独立した関係であるかを意識すると良いでしょう。
相関性の高い要素同士でマトリクスを作っても、右肩上がりの直線に沿ってポジショニングが敷かれるだけです。

例えば、「価格の高さ・低さ」と「性能レベルの高さ・低さ」という要素を軸に設定すると、価格が上がれば一般的に性能も高くなるため、右肩上がりに製品がマッピングされるだけです。
そのため、差別化を図る要素を見つけることが難しくなります。

このような事態を防ぐためには、軸を選定するときに「2つの要素が独立した関係のもの」を意識することをおすすめします。
価格や性能に対する軸は「サイズ」や「やわらかさ」など、相関性の低い要素を設定してあげるのがポイントです。

3. 自社に強みがある軸を設定する

KBFを意識するという前提を踏まえつつ、自社の強みを発揮できる軸を選定するようにしましょう。
例えば、「安いオフィスチェア」を提供してきた会社がマッピングを行い、今後は「こだわりの機能」のポジションを狙うことになったとします。
これまでユーザーに与えてきた、「購入しやすい低価格」というブランドイメージと「最低限の機能性」で販売してきた実績を考慮すると、「こだわりの機能」でポジションを確立することは簡単ではありません。

完全にイメージチェンジを狙う方針を持たないのであれば、安価で最低限の機能を備えたオフィスチェアを提供するブランドとしてポジショニングするのが適切といえます。

ポジショニングマップの目的は、自社がとるべきポジションを明らかにすることです。
ポジショニングマップを作るときには、自社の強みを認識して、優位性をとりに行ける軸を設定しましょう。

ポジショニングマップの作成事例

ここでは、ポジショニングマップの実際の成功例をご紹介します。

 ・株式会社アイデアプラス
 ・花王「ヘルシア緑茶」
 ・アサヒビール「スーパードライ」

株式会社アイデアプラス

介護事業会社Y社より新規事業「学童サービス」の立ち上げにあたってご相談いだきました。

弊社では、Y社が既存事業で培った強みを新規事業に生かすことが重要であると考え、「Y社の既存事業」と「新規事業」の共通点をリストアップし、その中から「Y社だからこそ評価されている強み」だと言えるものだけを抽出しました。

この結果を「新規事業におけるKBF(購買決定要因)」だと捉え、KBFごとにY社と競合他社の比較評価をしながら、「競合と差別化でき、かつ競争優位性のある独自なポジション」を見出すためのフレームワークの一環として、ポジショニングマップを作成することにしました。

今回のケースでは、軸の選定基準として縦軸横軸ともに「Y社の強み」と「新規事業での競争優位性」を兼ね備えていることを最優先条件とし、「Y社が圧倒的優位なポジショニングができる」マップを意図して作成しました。

ただし、闇雲に自分たちの独自性や優位性だけを追及したマップを作成しても無意味なので、マップ上に競合他社が存在することを確認しながら進めることが大切です。

これらの要素を全てクリアしたポジショニングマップを作成し、Y社がブルーオーシャンを独占できる仮説を立てたことは、結果として企画の方向性を決定する大きな要因となりました

花王「ヘルシア緑茶」

「ヘルシア緑茶」は、花王が2003年に発売した緑茶飲料です。緑茶市場は「I社 O」「S社 I」「K社 N」などの既存商品が多く、新規参入は難しいと考えられていました。
しかし、花王は「肥満に悩む中年男性」をターゲットにしてポジショニングを行いました。
体脂肪を燃焼させるお茶という尖ったコンセプト、他社商品よりも高い価格設定、コンビニだけで販売するという流通チャネルの徹底などで、市場のニッチを見つけて差別化を図りました。
このポジショニングにより、「ヘルシア緑茶」は、健康志向の中年男性をターゲットとした独自のポジションを確立し、ヒット商品となりました。

アサヒビール「スーパードライ」

アサヒビールが販売する「スーパードライ」は、1987年に発売されたビールです。
当時のビール市場は、苦くて重い味が主流でした。
しかし、アサヒビールは、苦味を抑えた軽快な味わいのビールとして、「スーパードライ」を開発しました。
このポジショニングにより、「スーパードライ」は、若者層を中心に人気となり、ビール市場のシェア争いを一変させました

ポジショニングマップ作成の注意点

ここから、ポジショニングマップ作成における2つの注意点を紹介します。
間違ったポジショニングマップを作ってしまわないために、しっかりチェックしておきましょう。

ターゲットに合わない軸を設定しない

よくある間違いのひとつが、「ターゲットに合っていない軸」を使うことが挙げられます。
例えばモバイルパソコンの場合、「外出が多い営業職」と「WEBデザイナー」では、KBFは異なるはずです。

さらに、同じ「外出が多い営業職」でも、「都心部」と「地方」ではニーズが異なります。
地方では車で回るシーンが多いため、電車で移動する都心と比べて「重さ」や「大きさ」をKBFとして重視しない傾向があります。

このように、ターゲット層に合ったポジショニング軸を設定し、活用度の高いポジショニングマップを作成しましょう。

顧客のKBFでない軸を設定しない

ポジショニングマップを作成する際によくある間違いが、ターゲットのKBFではない軸を使ってマップを描いてしまうことです。

例えば、モバイルパソコンで「CPU速度」を軸として設定するとします。
これまでのパソコンは、「CPU速度」の差は大きな購買決定要因となり得ました。
しかし、近年はCPUの高速化が十分に進んだことから、顧客はパソコン購入時にCPU速度をあまり気にしなくなっています。

また、購買決定要因の優先度はターゲットによっても大きく異なります。
例えば、オフィスチェアを例に挙げると「20代女性」がターゲットだった場合、本体の組み立てやすさやデザイン性などが購買決定要因として高い優先度をもつと考えられます。
しかし「20代男性」の場合は、本体の組み立てやすさがそれほど重視されない可能性もあります。

KBFは購買に結びつく大切な要因です。
顧客のニーズを正しく理解したKBIを元に軸選定し、目的に沿ったポジショニングマップを作成しましょう。

よくある質問

ここから、ポジショニングマップでよくある質問をご紹介します。

 ・ポジショニングマップを作るメリットは何か?
 ・ポジショニングマップ作りの手順を教えてほしい。
 ・KBFとは何か?

ポジショニングマップを作るメリットは何か?

ポジショニングマップを作成するメリットは、以下の4つです。

経営戦略の決定に役立つ
ポジショニングマップは、その製品やサービスが、今後どのようなマーケティング戦略をとるべきかを決定する際に役立ちます。
他社と差別化できるポイントはどこにあるのかを見極めることによって、既存の製品・サービスのマーケティング戦略を見直すことが可能です。
また、新規事業を立ち上げる際や新世品開発時にも活用できます。

自社製品の魅力を分析できる
ポジショニングマップは、自社の製品やサービスの魅力を分析するために役立ちます。
魅力的な要素は自社視点と顧客視点で異なる場合もありますが、適切なポジショニングマップを作成することによって、自社製品は顧客にとってどのような魅力があるのかを見つけやすくなります。

作成したポジショニングマップから、自社が行っているマーケティング戦略と顧客が感じている魅力にズレがあると明らかになった場合は、ズレが生じている部分を改善しましょう。

自社の優位性がわかる
ポジショニングマップを作成することによって、自社の製品やサービスの優位性を発見することができます。
複数の要素で軸を立ててポジショニングマップを作成することによって、自社や製品・サービスの優位な要素を見い出すことが可能です。
製品やサービスの性能や価格など、さまざまな軸を設定したマップを複数作成すれば、自社の得意とするポジションを網羅的に把握できるでしょう。

これまで強みとして認識していなかった要素も、競合他社と差別化できるポイントであれば、売り出し方によっては強みとなることもあります。

競合がいない領域が見つかる可能性がある
ポジショニングマップを作成すると、ブルーオーシャンが見つかる可能性があります。
新規事業スタートの際や新製品を開発する場合などは、ポジショニングマップによってまだ他社が進出していない未開拓市場の発見が期待できます。

自社が狙っているポジションにすでに他社が存在している場合も、その内容を詳しく分析し、さらに上をいく事業を行うための判断基準にもなります。

ポジショニングマップ作りの手順を教えてほしい。

ポジショニングマップ作成までの手順は以下となります。

1. ターゲット顧客のKBF(購買決定要因)を抽出する
最初に、製品やサービスに対する顧客の一般的な「KBF」(購買決定要因)を抽出します。
自社の製品やサービスのKBFを明確にして、市場での自社の立ち位置を把握しましょう。
自社の製品やサービスの特徴の中から、ターゲットにとって購入の決め手となる要素を書き出してみると、KBFが見えてくるでしょう。

2. 購買の決め手になりそうな要素を抽出する
KBFを洗い出したら、ターゲットにとって購買の決め手になる要素は何なのかを考察し、抽出しましょう。

抽出する際に大切なのは、顧客目線で考えることです。
ターゲットは誰なのかによってKBFは変わってくるため、「顧客は誰なのか」「その顧客は何を求めているのか」を意識して抽出を行うことがポイントとなります。

KBFの重要度を選定していくことによって、ポジショニングマップの作成の際にどのような要素を軸にするか、適切な判断を下すことができます。

3. 競合製品・サービスのKBFと自社を比較する
KBFの重要性を選定したら、自社と競合他社のKBFを比較します。◯や△などの記号を使うと、具体的でわかりやすいです。

比較をもとにして、軸となる要素を選定します。
軸は、ポジショニングマップを作るにあたって重要な要素です。
軸を決める際は、他社製品と比べて優位性が高く、顧客の行動に影響すると思われる要素を選びましょう。

4. ポジショニングマップを作る
ポジショニングマップの軸を2つ選び、ポジショニングマップを作成します。
軸は、顧客の重要なKBFであり、競合製品よりも優位である要素を選びましょう。

縦軸と横軸のマップを作成したら、自社と競合他社をマッピングしていきます。
マップ上に自社と競合他社を記載すれば、視覚的に自社の立ち位置を把握できます。

マップ上に自社と競合他社をマッピングすることで、自社の優位性と競合他社との差別化を図る際に意識すべきポイントがわかるので、今後の施策に落とし込んでいきましょう。

KBFとは何か?

KBFとは「Key Buying Factor」の略で、日本語でいうと「購買決定要因」です。
顧客が製品の購買を決める際に重視する要素を意味します。

ポジショニングマップの作成において重要なのは、まずKBFを考えることです。
このKBFを元に、ポジショニングマップの2つの軸を何にするのかを決定します。

KBFはデザインや機能、価格、ブランドといった製品自体の価値だけでなく、最近では口コミやレビューといった第三者の評価も重要な要素になっています。

まとめ

今回は、ポジショニングマップで何ができるのかについて解説しました。

ポジショニングマップを作成することによって、自社の製品やサービスの優位性がどこにあるのかや、競合他社とどのように差別化を図るべきかが見えてきます。
また、競合他社がカバーできていないブルーオーシャンを見つけられるというメリットもあります。

ポジショニングマップの作成にあたっては、重要度の高いKBFを軸に設定して、縦軸と横軸の相関性は低くすることがポイントです。
自社製品の魅力や優位性をPRするために、ポジショニングマップは活用してみてはいかがでしょうか。

社内だけでポジショニングマップを作成しようとすると、どうしても自社製品・サービスの特徴ばかりに着目しがちになります。
顧客ニーズを正確に捉えたポジショニング戦略を行なうためには、専門コンサルタントの力を借りてみることもおすすめです。

弊社、株式会社アイデアプラスはお客様が抱える課題を考えクリエイティブの力で課題解決、一緒に目標達成まで伴走いたします。
お困りの際は、ぜひ株式会社アイデアプラスにお気軽にご相談ください。

Writer

執筆者

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森敬祐 ディレクター

森 敬祐 ディレクター

大学院時代に学生起業として組織を設立。中小企業から大手の中で新事業開発や商品開発の企画を実施。 アイデアプラスでは販促戦略やデジタルマーケティング、ブランディングや新商品開発を行う。 好きなものは、お酒・ゴルフ・麻雀・フットサル・ドラゴンズなど。

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