インナーブランディングはなぜ必要?実施すべき4つの理由と成功の秘訣を解説 - アイデアコンパス

インナーブランディングはなぜ必要?実施すべき4つの理由と成功の秘訣を解説インナーブランディングはなぜ必要?実施すべき4つの理由と成功の秘訣を解説
2024年10月11日

インナーブランディングはなぜ必要?実施すべき4つの理由と成功の秘訣を解説

本記事の著者
関 裕生 ( ディレクター )
関裕生 (ディレクター)
インナーブランディングで
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インナーブランディングはなぜ必要?
実施すべき4つの理由と成功の秘訣を解説
インナーブランディングとは、社内へ向けたブランディング活動のことで、従業員を対象に、企業理念・ビジョン・価値観などを共有します。

現代はインターネットやSNSの普及により、良いことだけでなく悪いことも広がりやすい環境です。
そんな中で従業員の良くない行動が拡散されると、企業イメージに大きな影響を与える可能性があるため、インナーブランディングの重要性は高まっています。

今回は、企業経営に欠かせないインナーブランディングの必須知識と成功の秘訣を解説します。
ぜひ自社での取り組みの参考にしてください。

インナーブランディングとは

インナーブランディングとは、社内の従業員へ向けたブランディング活動です。
企業の理念やビジョンなどを従業員へ浸透させるのを主な目的としています。
以下の言葉は、インナーブランディングと同様の意味で使われます。

インナーブランディングと同じ意味の言葉
・インターナルブランディング
・インナーマーケティング
・インターナルマーケティング

言葉としては、本来インターナルブランディングが正しいとされていますが、日本ではインナーブランディングが多く使われているのが現状です。

インナーブランディング実施の目的

インナーブランディングの目的は、企業の理念や価値観などを共有し、従業員一人ひとりが目標達成のために「自分ごと化」して正しく認識できるようにすることです。

安定した企業活動のためには、社内の意識の統一が欠かせません。
従業員が企業理念やビジョンに基づいて行動することにより、企業の目標達成につながる効果があります。

インナーブランディングが重要視される4つの理由

インナーブランディングが重要視される背景には、主に4つの理由があります。

・従業員のエンゲージメントが上がるから
・仕事の生産性が上がるから
・優秀な人材の確保につながるから
・企業のブランドイメージが上がるから

これらはインナーブランディングのメリットでもあるため、理解しておくと良いでしょう。

従業員のエンゲージメントが上がるから

インナーブランディングによって企業の理念やビジョンが浸透すると、従業員のエンゲージメントが上がります。
エンゲージメントとは、従業員が企業に愛着を持つことです。

エンゲージメントが上がるとモチベーションも向上し、理解不足が原因で起こる誤解や不満が解消されるでしょう。
仕事への不安が減るため、結果的に離職率の低下にもつながります。

仕事の生産性が上がるから

企業理念やビジョンが従業員間で共有されると、連帯感が生まれます。
これは部署だけでなく社内全体で見られ、連帯感や協力体制が強まると、生産性の向上も期待できます。

従業員一人ひとりが「会社のために何をすべきか」を考えて行動すると、優先的に処理すべきタスクを見極められるようになるためです。

優秀な人材の確保につながるから

従業員のエンゲージメントが上がると、離職率が低下します。
企業に対して愛着を持つと、仕事へのやりがいや達成感につながるためです。
優秀な人材が定着していれば、新たに就職してきた人材に対して質の高い教育・指導ができ、教育体制の強化が望めます。

また、企業のビジョンや価値観などが明確になっていると、採用の場面でもこれらを正しく伝えられ、企業に合う人材の確保につながるでしょう。

企業のブランドイメージが上がるから

インナーブランディングによって、企業理念やビジョン、価値観などを正しく伝えられます。
例えば、商談やイベント、SNSでの情報発信などの際に効果的です。

従業員は企業に愛着心を持っているため、ブランドイメージを損ねるような行動を起こす可能性は低くなります。
顧客に自社の魅力を熱心に伝える従業員の姿勢は、企業のブランドイメージの向上に貢献するでしょう。

インナーブランディング実施の注意点

インナーブランディングにはさまざまなメリットがありますが、以下の注意点があります。

・すぐに効果が出ないことを理解しておく
・価値観を押し付けない

すぐに効果が出ないことを理解しておく

インナーブランディングは、すぐに効果が出るわけではありません。
企業理念やビジョン、価値観などを従業員に浸透させるには、ある程度の時間を要します。

中長期的に考える必要があるため、計画的にインナーブランディングを進めていきましょう。

価値観を押し付けない

従業員の中には、価値観に共感できない人もいるでしょう。
しかし、インナーブランディングにこだわって価値観を押し付けてしまうと、共感できない従業員を排除する結果にもつながりかねません。

従業員一人ひとりの意思や多様性などを尊重し、無理に押し付けないようにしましょう。

インナーブランディングの9つの手法

インナーブランディングの手法は、主に以下の9つです。

・社内イベント
・ワークショップ
・クレド
・社内報
・サンクスカード
・SNS
・1on1
・トップキャラバン
・オフィスのレイアウト変更

社内イベント

社内イベントは日常の業務から離れ、経営陣や従業員が集まる非常に良い機会です。
例えば、会社の創立記念パーティーや表彰式・懇親会・サークル活動などが挙げられます。

上司・同僚・部下の普段とは違う一面が見られ、関係性を深めるきっかけになります。
社内イベントでの交流によって、業務上でのコミュニケーションコストを下げる結果にもつながるでしょう。

ワークショップ

ワークショップとは、体験型の講座のことです。
対話や共同作業の中での自由な意見交換を通じて、従業員が自社ブランドを自分ごととして捉えられるようになります。

特に、自社の強みなどを分析したり、今後のビジョンについて考えたりすると効果的でしょう。

クレド

クレドとは、約束や信条といった意味を持つラテン語です。
企業におけるクレドはポリシーやビジョンに該当し、企業理念を小さなカードに記載するなどして、従業員に配布します。

いつでも見返せるため、業務上の判断に迷うときにも活用できます。

社内報

社内報とは、社内向けに発信する冊子です。
最近では、Webやアプリなどを用いて社内報を発行する企業も増えています。

社内報には企業理念やビジョンの他、社内の出来事などが書かれており、コミュニケーションの手段の1つとされています。
部署を越えて社内全体で情報共有できるため、ブランドメッセージなどを従業員に伝える際に効果的です。

サンクスカード

サンクスカードはその名の通り、同僚への感謝の気持ちやポジティブな気持ちをカードに綴って贈るものです。
面と向かって言いづらいことも、カードであれば伝えられるという人も多いでしょう。

このようなツールによって、従業員同士のつながりの強化が期待できます。

SNS

社内専用SNSの導入によって、立場や部署を越えたコミュニケーションが可能になります。
本社と支社など、拠点が違ってもつながれるため、会社全体でのコミュニケーション活性化に効果的です。

特に大きな企業になればなるほど、さまざまなきっかけとなり得るでしょう。

1on1

1on1とは、上司とメンバー間で行われる定期的な面談のことです。
評価面談とは違い、メンバーのための時間とされています。

業務上の出来事や課題、悩みなどを上司と共有することで、良いパフォーマンスを発揮できる環境を作る効果があります。

トップキャラバン

トップキャラバンとは、幹部が職場を訪問し、現場と意見交換することです。
大企業では、従業員がトップと会う機会はなかなかないため、貴重な時間となるでしょう。

トップが自ら現場に足を運んで意見交換や話し合いの機会を設けると、現場にいる従業員も企業理念やビジョンなどを自分ごととして捉えやすくなる効果があります。

オフィスのレイアウト変更

オフィスのデザインで企業のコンセプトを示すことも可能です。
例えば、オフィス内の従業員がよく使う場所に企業理念やブランドメッセージを提示するケースもあります。

また、会議スペースを設置するなど、レイアウトの変更によって従業員同士が連携しやすくなり、生産性の向上が期待できます。

インナーブランディングを成功させるポイント

インナーブランディングを実施する際には、押さえておきたいポイントがあります。

・自社のブランドコンセプトをはっきりさせる
・定期的に効果検証する
・外国人社員に考慮して発信する

自社のブランドコンセプトをはっきりさせる

インナーブランディングを成功させるには、自社のブランドコンセプトをはっきりさせる必要があります。
ブランコンセプトとは、企業理念・ビジョン・商品価値など、共通した認識を持つべき内容を言語化したものです。

これらを明確にすると、外部に自社の商品をアピールする際に目標が設定しやすくなります。

定期的に効果検証する

インナーブランディングは、定期的に効果検証しましょう。
具体的には、振り返り・改善すべき点の洗い出し・社内アンケートの実施などです。

定期的に数値化して測定することで成長が比較しやすく、改善点も見えてくるでしょう。

外国人社員に考慮して発信する

グローバル化に伴い、外国人を雇用する企業は増加傾向にありますが、外国人社員がいる場合の発信には考慮が必要です。

例えば、ブランドコンセプトを提示する際には外国語に翻訳しなければなりません。
もちろん英語だけでなく、在籍している社員に合わせた複数言語の翻訳も検討する必要があります。

インナーブランディングの成功事例

インナーブランディングの実際の成功事例をアイデアプラスでの事例を交えて4つ紹介します。

・アイデアプラス:社内イベント×ワークショップ
・JAL:サンクスカード・社内向け動画の作成
・森永乳業株式会社:イベントの実施
・ライオン株式会社:アンケート調査の実施

アイデアプラス:社内イベント×ワークショップ

まずは、弊社アイデアプラスの事例をご紹介させていただきます。

弊社では、インナーブランディングの一環として「社内イベント」を不定期で開催しています。
社内イベントと言っても多種多様ですが、その中でも「社内イベント」×「ワークショップ」を意識した内容にこだわっています。

では具体的にどのような内容かと言うと、まずはランダム編成された即興グループに分かれ、全グループ同じ課題を与えられた上で制限時間内でグループワークに取り組みます。グループ編成・課題は当日発表されるため、事前準備などはなく、全てその場で議論して決定していく必要があります。

この取り組みを通して、日常の業務で関わりのない社内メンバーと交流する機会を持つということはもちろん、弊社が大切にしている価値観の一つである「考えるプロセスに重きを置く=デザイン思考」に対する理解を深めて欲しいという想いがあります。

また、「個々の得意を伸ばす」という弊社の理念への共感にも繋がると考えています。

ワークショップイベントの最後では、各グループごとに成果をプレゼンテーション形式で発表し、全員の投票によって最優秀グループが選ばれます。最優秀グループは賞品をゲットできるといったようなエンタメ要素もあり、参加した社員がゲーム感覚で楽しめるように工夫しています。

実際に、ワークショップイベントを通じて「個々の得意をバランスよく発揮できたグループが上手くいく」と感じたといった社員の声も多く寄せられていて、意義のある活動になっていると捉えています。

このように、会社の価値観に基づいたワークショップイベントを開催し、そこで社員ひとりひとりが「成功体験」を積み重ねていくことで、より自然な流れで「共通の価値観」を社風として浸透させることができています。

画像:社内ワークショップイベントの様子

インナーブランディングについてお困りの際は、株式会社アイデアプラスにご相談ください。


JAL:サンクスカード・社内向け動画の作成

JAL(日本航空株式会社)では、インナーブランディングの一環でサンクスカードと社内向けの動画を作成しています。

サンクスカードは、勤務地の異なる人や他部門の人に感謝の気持ちを伝えるツールとして活用されています。
細かいルールを作らずに「褒めたいことがあったらカードを渡す」とだけ伝えた結果、社員は自然にカードを贈り合うようになりました。

社内向け動画では、広報誌だけでは伝わりづらかったメッセージを動画配信に切り替え、経営者が言葉を伝えています。
これにより訴求力が高まり、インナーブランディングの成功に役立ちました。

森永乳業株式会社:イベントの実施

森永乳業株式会社では、社内表彰イベントを実施しています。
近年では新型コロナウイルスの影響でオンライン開催となったのが功を奏し、より多くの従業員の参加が可能になりました。

また映像を流すなどの工夫によって、オンラインならではの充実したイベントとなっています。

ライオン株式会社:アンケート調査の実施

ライオン株式会社では、インナーブランディングの取り組みとして、年1回アンケート調査を実施しています。
アンケートの結果は商品開発に使われるだけなく、自社の価値を自覚するきっかけにもなり、従業員一人ひとりの意識や行動が変わっていきました。

よくある質問

ここでは、インナーブランディングに関するよくある質問に回答します。

・インナーブランディングは必要か?
・インナーブランディングの注意点はあるか?
・インナーブランディングの浸透方法を教えてほしい。

インナーブランディングは必要か?

インナーブランディングは、企業理念やビジョンなどを従業員に浸透させるために必要です。

安定した企業活動のためには、社内の意識統一が欠かせません。
企業の目標達成のためにも、インナーブランディングを活用しましょう。

インナーブランディングの注意点はあるか?

インナーブランディングの注意点は以下の2つです。

・すぐに効果が出ないことを理解しておく
・価値観を押し付けない

従業員への企業理念やビジョンなどの浸透には時間がかかるため、中長期的に考える必要があります。
また、価値観に共感できない従業員には無理に押し付けず、個人の意思や多様性などを尊重しましょう。

詳細は本記事内の「インナーブランディング実施の注意点」をご覧ください。

インナーブランディングの浸透方法を教えてほしい。

インナーブランディングを浸透させるためには、以下の方法を用います。

インナーブランディングの浸透方法
・社内報
・社内イベント
・ワークショップ
・クレド
・サンクスカード
・SNS
・1on1
・トップキャラバン
・オフィスのレイアウト変更

それぞれ特徴があるため、自社に合った方法を取り入れましょう。
また、インナーブランディングを成功させるには、ブランドコンセプトの明確化や定期的な効果検証、外国人社員に考慮した発信が求められます。

詳細は本記事内の「インナーブランディングの9つの手法」をご覧ください。

まとめ

今回はインナーブランディングについて解説しました。

インナーブランディングは、社内の従業員に向けたブランディング活動で、企業理念やビジョンなどの浸透を目的としています。

従業員のエンゲージメントや仕事の生産性の向上、優秀な人材の確保、ブランドのイメージアップが期待できるため、ポイントを押さえて実践してみてください。

弊社、株式会社アイデアプラスはお客様が抱える課題を一緒に考え、クリエイティブの力で課題解決・目標達成に向けて伴走いたします。
インナーブランディングについてお困りの際は、ぜひ株式会社アイデアプラスにお気軽にご相談ください。

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関裕生 ディレクター

関 裕生 ディレクター

愛知県出身。人材業界に5年在籍し人材派遣やRPOの業務設計に従事。 アイデアプラスに入社後はパンフレットなどの販促物のディレクションやイベントコンセプト設計、 新規事業開発を担当。

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