【初心者向け】ダイレクトマーケティングとは?
6つの方法と失敗しない3つのコツを紹介
「ダイレクトマーケティングって何だろう?」「具体的にどんな方法や効果があるの?」
このような疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
ダイレクトマーケティングは、企業が直接顧客とコミュニケーションを取って購買を促していくマーケティング方法の1つです。
さまざまなメリットがありますが、実際にどのように取り組めば良いのか、きちんと理解できていない方もいるでしょう。
今回は、ダイレクトマーケティングについて、初心者向けにわかりやすく解説します。
6つの方法と、失敗しないためのコツも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
ダイレクトマーケティングとは、電話やメール、DMなどを使い、顧客のニーズに合わせて販促するマーケティング方法です。
インターネットショッピングや通信販売など、メーカーが顧客に直接販売することを指す場合もあります。
ダイレクトマーケティングを成功させるためには、「顧客の反応を見ながら、一人ひとりに適したアプローチを実施すること」「新規顧客の獲得だけでなく初回購入後の関係構築を目的として、一貫性のあるコミュニケーション設計をすること」が必要です。
・顧客の反応を見ながら、一人ひとりに適したアプローチを実施すること
・新規顧客の獲得だけでなく初回購入後の関係構築を目的として、一貫性のあるコミュニケーション設計をすること
つまり具体例を挙げると、購入のお礼やリピーターへのキャンペーンの案内、使用感のヒアリングなどもダイレクトマーケティングに含まれます。
ダイレクトレスポンスマーケティングとの違い
ダイレクトレスポンスマーケティングはダイレクトマーケティングの一部で、問い合わせなど何らかの行動をした見込み顧客に対して直接商品を販売する方法です。
例えば、ある企業の化粧品を試しに注文した際、商品と一緒にチラシなどが同封されており、それ以降も定期的に商品の情報やキャンペーンなどの案内が届くことがあります。
これには、顧客にさらに興味や関心を持ってもらう狙いがあります。
また、Webサイトに「今すぐお電話を」などと掲載して行動を促すのも、ダイレクトレスポンスマーケティングの1つです。
ダイレクトレスポンスマーケティングは、自発的に反応を示した消費者がターゲットであることから顧客になる可能性が高く、成約率の高さが特徴です。
マスマーケティングとの違い
マスマーケティングとは、テレビCMや新聞広告などを通じて一方的にアプローチする方法です。
顧客個人ではなく市場全体にアプローチするため、顧客情報は必要としません。
一方でダイレクトマーケティングは、顧客一人ひとりのニーズに合わせてコミュニケーションを図るマーケティングです。
そのため、マスマーケティングとダイレクトマーケティングは反対の方法であるといえます。
ダイレクトマーケティングには、主に6つの方法があります。
・ダイレクトメール
・SNSマーケティング
・Eメールマーケティング
・テレマーケティング
・チャット機能
・レコメンデーション
インターネットの普及により、近年ではダイレクトマーケティングもデジタルの活用が顕著になっています。
ここでは、ダイレクトマーケティングの方法について詳しく解説します。
ダイレクトメール
ダイレクトメールはDMとも呼ばれ、一般的に最も活用されているダイレクトマーケティングの方法です。
顧客リストに基づいて直接はがきやチラシなどを送付するため、印刷や郵送の費用が必要であり、ややコストがかかります。
しかし、一度接触したことのある顧客に合ったダイレクトメールを送付するため、レスポンス率が高いといわれています。
そのため、有効な手段として現在も多くの企業で活用されている方法です。
SNSマーケティング
SNSマーケティングはSNS上で顧客と双方向のコミュニケーションを図る方法です。
主に使われているSNSは、X(旧Twitter)・Instagram・Facebook・TikTok・LINEが挙げられます。
投稿機能を活用して情報を発信したりプロモーションしたりするのはもちろん、フォロワーと直接交流できるのが大きなメリットです。
一方で、投稿内容によっては炎上のリスクがあります。
フォロワーとの信頼関係を築くこと、またターゲットに合わせた媒体を選ぶことが大切です。
Eメールマーケティング
Eメールマーケティングは、顧客や見込み顧客に対し、Eメールを配信する方法です。
役立つ情報を配信するメールマガジン、シナリオを作って行動に応じた最適な内容のメールを配信するステップメールなどがあります。
Eメールマーケティングは特定電子メール法を遵守する必要があり、この点には気をつけなければなりません。
しかし、比較的コストを抑えて導入・運用でき、コンタクトを取りやすいのはメリットだといえます。
テレマーケティング
テレマーケティングは電話やFAXを使い、商品やサービスの購入受付、顧客からの問い合わせへの対応などをする方法です。
オペレーターが顧客とコミュニケーションを取るため、生の声を聞けるのが特徴です。
対応によってはクレームに発展する可能性がありますが、顧客満足度が向上すれば企業イメージの向上にもつながります。
チャット機能
ダイレクトマーケティングのひとつに、自動応答が可能なチャット機能を活用した方法があります。
ECサイトでよく導入されており、顧客からの問い合わせへの回答などに使われています。
チャット機能を使えば、顧客とのコミュニケーションが24時間365日可能です。またGPT等AIの登場で自動返信ができるchatobotの開発工数はかなり下がっているので、コストを抑えて実装することも可能です。
顧客にとっても、チャットのほうが電話より気軽に相談できるといったメリットがあるでしょう。
レコメンデーション
レコメンデーションはユーザーが興味を示した情報に基づき、関連した情報を表示する方法です。
特にECサイトで多く使われており、レコメンデーションシステムという技術を用いて過去の行動を分析し、次に興味を持つ可能性のあるものを予測します。
行動履歴のない新規ユーザーへの効果は弱いですが、ターゲットに合わせて最適なメッセージを提供することで課題の解決につながり、同時購買数(クロスセル)の向上が見込めるのは大きなメリットです。
ダイレクトマーケティングのメリットは、以下の5つです。
・費用対効果が高い
・レスポンスを数値で管理できる
・コストカットできる
・事業拡大を目指せる
・顧客と双方向のコミュニケーションが取れる
費用対効果が高い
ダイレクトマーケティングのメリットとして、まず費用対効果の高さが挙げられます。
理由は以下の2つです。
費用対効果が高い理由
・接点のあるユーザーにアプローチできる
・ユーザーに合わせた媒体に広告を出せる
すでに何かしらの接点があり、興味や関心を持ってくれているユーザーにアプローチできること、そのユーザーに馴染みのある媒体を利用できることから、費用対効果が高いといえます。
レスポンスを数値で管理できる
レスポンスを数値で管理でき、PDCAサイクルを回しやすいのもメリットの1つです。
ダイレクトマーケティングではレスポンス率やリピート率を数字で明確に管理できるため、目標を立てやすく、達成率もわかりやすい特徴があります。
より効果的に宣伝や販売ができるでしょう。
コストカットできる
店舗がなくても商品やサービスの販売が可能であるため、店舗の維持費や人件費などの諸経費をカットできます。
どの方法でもある程度の費用は必要ですが、店舗を持つよりはコストを抑えられるでしょう。
事業拡大を目指せる
ダイレクトマーケティングの活用によって、事業の拡大が目指せます。
広告が営業してくれるため、事業が拡大しても人員を増やさなければならないということはなく、一度波に乗ってしまえば広告への投資に比例して売り上げの増加が見込めます。
そのため、ダイレクトマーケティングは「人員は増やせないけど事業を大きくしたい……」と考えている企業にとって欠かせないマーケティングの方法だといえるでしょう。
顧客と双方向のコミュニケーションが取れる
ダイレクトマーケティングは、顧客との直接的なコミュニケーションを可能にする方法です。
マスマーケティングのように一方通行ではないため、企業と顧客との間で双方向のコミュニケーションが可能となります。
商品やサービスに対する顧客の意見や感想を即座に反映できるのは、ダイレクトマーケティングの大きなメリットです。
ダイレクトマーケティングを成功させるには、いくつかの注意点があります。
・投資回収までに時間がかかる
・ターゲットに応じた方法が必要である
・同じ方法を長く用いると効果が出にくい
これらを把握し、ダイレクトマーケティングを効果的に実践できるようにしていきましょう。
投資回収までに時間がかかる
ダイレクトマーケティングは、投資回収までに一定の時間がかかります。
ユーザーのリスト作成、DMの作成や印刷、メールを配信するシステムの準備など、作業工程が多いためです。
また、PDCAサイクルを回して費用対効果を上げていく必要があることからも、最初から高い効果は望めないと考えておいたほうがよいでしょう。
ターゲットに応じた方法が必要である
ダイレクトマーケティングは、ターゲットに応じて方法を変える必要があります。
ターゲットの年齢や性別などによってどの方法が効果的かは異なるため、媒体の特徴を捉えなければなりません。
ターゲットの好みだけでなく、その媒体のユーザーの特徴も考慮し、きめ細かな対応を心がけましょう。
同じ方法を長く用いると効果が出にくい
ダイレクトマーケティングでは、同じ方法を長く使っていると効果が出にくくなる可能性があります。
広告は劣化していくため、一度反響があってもずっと効果が出続けるとは限りません。
また、以前は日常的にメールが多く使われていましたが、現在ではLINEやSNSが普及しています。
このように広告の内容だけでなく、掲載する媒体もブラッシュアップすることが大切です。
ダイレクトマーケティングには、以下の5つのステップがあります。
・STEP1:ダイレクトマーケティング実施の目的を決める
・STEP2:データを集めてターゲットを設定する
・STEP3:ターゲットとのコミュニケーション方法を検討する
・STEP4:コミュニケーション媒体を用意する
・STEP5:PDCAサイクルを回す
STEP1
ダイレクトマーケティング実施の目的を決める
ダイレクトマーケティングを実施する際には、まず目的を決めましょう。
目的を決めると、そこに向けてどのように取り組めばよいかが明確になります。
このとき、以下のようにSMART目標を設定するのが重要です。
SMART目標
・S(Specific):具体的
・M(Measurable):測定可能
・A(Attainable):達成可能
・R(Realistic):現実的
・T(Time-bound):期限付きの目標
目的がしっかりと決まると、KPIまで落とし込むことが可能になります。
STEP2
データを集めてターゲットを設定する
ダイレクトマーケティングは、ターゲットに直接アプローチする方法です。
より効果的にアプローチするためには、データを集めてターゲットを設定しましょう。
具体的には、自社のデータベースから目的に合う見込み顧客を抽出し、リストを作成します。
また、連携した外部企業から、法人リストを精査のうえで提供してもらう方法もあります。
いずれにしてもターゲットを明確にし、購買プロセスを想定することが大切です。
STEP3
ターゲットとのコミュニケーション方法を検討する
ダイレクトマーケティングの効果を上げるには、CTA(コール・トゥ・アクション)が必須です。
ターゲットの行動を引き出すことによって、初めて成果につながります。
サンプルの提供や割引きなど、ニーズに合った訴求によって、ターゲットの具体的な行動を引き出しましょう。
STEP4
コミュニケーション媒体を用意する
次に、コミュニケーションを取るための媒体を用意しましょう。
例えば、SNSで発信する場合、まずアカウントを準備しなければなりません。
ダイレクトメールを送る場合には、デザイン面や返信用はがきの作成の他、紙代や印刷代の考慮なども必要です。
費用対効果が悪くならないように注意しましょう。
STEP5
PDCAサイクルを回す
STEP1で設定した目的に従い、実際に行った施策を評価しましょう。
ポイントは、SNSに投稿した初日やダイレクトメールの投函から数日など、早期に検証することです。
早期の効果検証により、修正も早期に行えます。
PDCAサイクルを回しながら、施策を改善していきましょう。
ダイレクトマーケティングの実際の成功事例をアイデアプラスでの事例を交えて4つ紹介します。
・アイデアプラス
・Amazon
・ヤマト運輸
・ネスレ日本株式会社
これらの成功事例を参考にして、自社に活かせるところを見つけましょう。
アイデアプラス
まずは、弊社が携わったT社の「冷凍宅配弁当のサブスクサービス」に関する事例をご紹介いたします。
このサービスのセールスポイントは「時間を掛けず、低コストで栄養バランスの取れた食事ができること」でした。
明確な訴求ポイントがありターゲットの解像度も高かったので、ダイレクトマーケティングが効果的だと考え、SNSコンテンツマーケティングとSNS広告運用を併用しました。
具体的には、「冷凍弁当」「栄養バランス」「健康食品」「時短」「高コスパ」「一人暮らしごはん」「サブスク」などターゲット層に合わせたキーワードでコンテンツを作成し、アカウント投稿と広告の両軸でPDCAを回していくようなイメージです。
ユーザーの反応をダイレクトに計測することが可能なため、スピード感を持って新施策を反映させることができ、中長期的に取り組みながら効率的に費用対効果を上げていくことができました。
マーケティングについてお困りの際は、株式会社アイデアプラスにご相談ください。
Amazon
Amazonでは、大きく以下の3つの方法を取り入れています。
・購入履歴や関連商品に基づいたおすすめ商品の表示
・会員限定のイベント開催
・メールを用いた案内の不定期配信
Amazonは、パーソナライズされた情報が配信されるのが特徴です。
興味や関心に基づいているため、ユーザーに不快感を与えずに購買意欲を刺激し、クロスセルを促しています。
ヤマト運輸
ヤマト運輸は、LINEを活用したダイレクトマーケティングを行っています。
LINEの公式アカウントにクロネコメンバーズのIDを連携させることで、LINEのトーク上で荷物の再配達手続きが可能です。
従来の再配達は、不在票を確認し、電話やインターネットなどで依頼する必要がありましたが、現在は一連の手続きがすべてLINE上で完結できるようになっています。
ネスレ日本株式会社
ネスレ日本株式会社は、本格的な淹れたてコーヒーをオフィスでいつでも楽しめるマシンを無料でレンタルする「ネスカフェアンバサダー制度」を取り入れています。
1杯20円からコーヒーが飲めて、レンタル料はかからないことから、気軽に利用できる状況を作っているといえるでしょう。
また、ネスカフェアンバサダーに登録後、知り合いに紹介すると景品がもらえます。
これにより、新規顧客も開拓しやすい状況を作り出しています。
ここでは、ダイレクトマーケティングに関するよくある質問に回答します。
・ダイレクトマーケティングが向いている業種は何か?
・ダイレクトマーケティングの仕事内容は何か?
・ダイレクトマーケティングの対極にあるマーケティングの方法は何か?
ダイレクトマーケティングが向いている業種は何か?
基本的にはすべての職種で活用できますが、特に向いているのはECです。
ECは、顧客の登録情報や購入履歴などのデータによって、ターゲットの興味や関心を把握できます。
これに基づいて、よりターゲットに合わせた広告の配信や商品のレコメンドが可能です。
ダイレクトマーケティングの仕事内容は何か?
ダイレクトマーケティングは、電話やDM、メール、SNSなどの媒体を使い、顧客のニーズに合わせて販促するマーケティング方法の1つです。
新規顧客の獲得はもちろん、初回購入後の関係構築も含めて一貫性のあるコミュニケーション設定が必要となります。
ダイレクトマーケティングの対極にあるマーケティングの方法は何か?
ダイレクトマーケティングの対極にあるのは、マスマーケティングです。
マスマーケティングでは、マスメディア(テレビCMや新聞広告など)を通じて一方的にアプローチする方法で、顧客情報も使いません。
今回はダイレクトマーケティングについて解説しました。
ダイレクトマーケティングは投資回収までに時間がかかりますが、費用対効果が高く、レスポンスを数値で管理できるといったメリットがあります。
人員を増やさずに事業拡大を目指せるため、ぜひ覚えておきたいマーケティング方法だといえるでしょう。
弊社、株式会社アイデアプラスはお客様が抱える課題を一緒に考え、クリエイティブの力で課題解決・目標達成に向けて伴走いたします。
ダイレクトマーケティングについてお困りの際は、ぜひ株式会社アイデアプラスにお気軽にご相談ください。
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森 敬祐
ディレクター
大学院時代に学生起業として組織を設立。中小企業から大手の中で新事業開発や商品開発の企画を実施。
アイデアプラスでは販促戦略やデジタルマーケティング、ブランディングや新商品開発を行う。
好きなものは、お酒・ゴルフ・麻雀・フットサル・ドラゴンズなど。