ナラティブとは?ストーリーとの違い、ビジネスでの活用法をわかりやすく解説 - アイデアコンパス

ナラティブとは?ストーリーとの違い、ビジネスでの活用法をわかりやすく解説ナラティブとは?ストーリーとの違い、ビジネスでの活用法をわかりやすく解説
2025年5月9日

ナラティブとは?ストーリーとの違い、ビジネスでの活用法をわかりやすく解説

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ideaCompass編集部
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ナラティブとは?ストーリーとの違い、ビジネスでの活用法をわかりやすく解説

「ナラティブ」という言葉を耳にする機会が増えていませんか?
マーケティングやブランディング、さらには経営戦略の場面でも頻繁に使われるようになったこの言葉。
単なる「物語」以上の意味を持つナラティブの本質と活用法について、専門的な視点から解説します。
この記事を読めば、ナラティブの力をビジネスに取り入れるヒントが見つかるでしょう。

ナラティブとは?その本質を理解する

ナラティブとは、単なる物語や語りの手法ではなく、出来事や経験を意味づけ、構造化する思考の枠組みです

私たちの脳は、バラバラの情報や体験を「ナラティブ」という形で整理し、理解しようとする性質を持っています。
このプロセスを通じて、人々は情報を記憶しやすくなり、感情的なつながりも生まれます

ナラティブの本質は「意味づけ」にあります。
例えば、企業が環境問題に取り組む理由を単なる事実の羅列ではなく、創業者の幼少期の体験から始まる一連の物語として伝えることで、聞き手の心に深く響くメッセージとなります。

ナラティブの主な要素
・時間軸に沿った出来事の配置と因果関係の明示
・登場人物(主体)の目的や動機の表現

 

ナラティブとストーリーの違いを明確にする

ナラティブとストーリーは混同されがちですが、明確な違いがあります。

ストーリーが「何が起きたか」という具体的な出来事の連なりであるのに対し、ナラティブはその出来事をどう捉え、どんな意味を見出すかという「解釈の枠組み」を提供します

例えば、企業の成長過程という同じストーリーでも、「挑戦と克服のナラティブ」や「革新と変革のナラティブ」など、異なる視点から意味づけることができます。
このように、ナラティブはストーリーに意味と文脈を与える上位概念なのです。


要素 ストーリー ナラティブ
焦点 具体的な出来事や行動 意味づけと解釈の枠組み
範囲 特定の時間と場所の限定的な話 複数のストーリーを包含する広い概念
目的
娯楽や情報伝達 価値観や世界観の共有

ナラティブの様々な使われ方と具体例

ナラティブは様々な分野で活用されています。

文学や映画では、作品全体を貫く「テーマ」としてのナラティブが重要です。
政治の世界では、国家の進むべき方向性を示す「国家のナラティブ」が人々の団結を促します。

具体的には、アップル社の「革新者のナラティブ」は、単に製品の機能を伝えるだけでなく、「differently(違うやり方で考える)」という価値観を表現しています。
また、SDGsは「持続可能な未来のナラティブ」として、世界中の人々や組織の行動を方向づける力を持っています。

効果的なナラティブの特徴
・明確な価値観や信念を反映している
・聞き手の感情に訴えかける要素を含んでいる

 

ビジネスにおけるナラティブの活用

ビジネスの世界では、ナラティブはブランディングから組織文化の構築まで幅広く活用されています
顧客との感情的なつながりを構築したい企業にとって、製品やサービスの背景にあるナラティブを伝えることは不可欠です。

例えば、パタゴニアの「環境保護のナラティブ」は、単なるマーケティング戦略ではなく、企業活動の指針となっています。
創業者のイヴォン・シュイナードの自然への愛着から始まるこのナラティブは、製品開発から販売方法まで一貫して貫かれており、多くの顧客の共感を得ています。

ビジネスでのナラティブ活用方法
・ブランドストーリーの構築と一貫した発信
・組織のミッションとビジョンの浸透

 

ナラティブを深く理解するための関連知識

ナラティブをより効果的に活用するためには、関連する概念や理論を理解することが役立ちます
ナラティブ心理学では、人間のアイデンティティ形成とナラティブの関係性が研究されています。

また、ナラティブエコノミーという概念は、経済活動における物語の価値に注目しています。
効果的なナラティブを構築するには、ジョセフ・キャンベルの「英雄の旅」のような物語の原型(アーキタイプ)を理解することも有効です。
この普遍的な物語構造は、多くの人の心に響くナラティブ作りに応用できます。

ナラティブ理解に役立つリソース
・ナラティブ心理学の基礎文献
・ストーリーテリングの実践的手法の研究

 

よくある質問

ナラティブに関連した、よくある質問2点についてまとめました。

・ ナラティブとメッセージングの違いは何ですか?

・小さな企業でもナラティブは必要ですか?

順番に解説します。

ナラティブとメッセージングの違いは何ですか?

メッセージングが特定の情報や主張を伝える短期的なコミュニケーション手法であるのに対し、ナラティブはより広範で長期的な意味の枠組みを提供します。
メッセージングは「何を言うか」、ナラティブは「なぜそれを言うのか」の背景にある思想や価値観に関わります

小さな企業でもナラティブは必要ですか?

はい、むしろ小規模企業こそナラティブが重要です。
限られたリソースの中で差別化を図るには、製品の機能や価格だけでなく、企業の存在意義や価値観を伝えるナラティブが効果的です。

創業者の想いや地域との関わりなど、大企業にはない独自のナラティブを構築できることが小規模企業の強みとなります

ナラティブは単なるテクニックではなく、ビジネスの本質に関わる重要な概念です。自社のナラティブを見つめ直すことで、新たなビジネスチャンスや差別化のポイントが見えてくるかもしれません。

まとめ

今回は、ナラティブについて解説しました。

単なる物語ではなく、意味づけや価値観を伝える枠組みとして、ビジネスに深い影響を与える概念であることをご理解いただけたでしょうか。

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