ブランディングの成功・失敗事例13社を紹介!事例から学ぶ成功のコツとは - アイデアコンパス

ブランディングの成功・失敗事例13社を紹介!事例から学ぶ成功のコツとはブランディングの成功・失敗事例13社を紹介!事例から学ぶ成功のコツとは
2024年5月17日

ブランディングの成功・失敗事例13社を紹介!事例から学ぶ成功のコツとは

本記事の著者
中村 春奈 ( ディレクター )
中村春奈 (ディレクター)
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ブランディングの成功・失敗事例13社を紹介!
事例から学ぶ成功のコツとは
ブランディングとは、自社のブランド価値を高めるための施策のことで、競合他社との差別化を図る際に不可欠です。
ユーザーに自社の商品やサービスを魅力的で独自のものであると認識してもらうために、企業として伝えたいメッセージを訴求する必要があります。

今回は、ブランディングの成功・失敗事例とともに、ブランディング成功の5つのコツを紹介します。

ブランディングに成功した10社の事例

ブランディングに成功した10社の事例について、それぞれ詳しく紹介します。

1.鈴屋
2.NIKE
3.Apple
4.ダイソン
5.Google
6.ユニクロ
7.スターバックス
8.湖池屋
9.とらや
10.USJ

鈴屋

弊社アイデアプラスがブランディングに携わった例を紹介します。

鈴屋様(以下敬称略)は愛知県名古屋市で創業70年以上の老舗家具店です。
今後の会社の成長のために、家具職人さんやWeb担当者さんを巻き込んで、事業の1つである家具修理事業のリブランディングに着手されました。

まず、弊社が用意したフレームワークを用いて鈴屋の社員の皆さまとともにペルソナを明確にすることからスタート。
カスタマージャーニーマップを作成し、ペルソナ=顧客との接点を改めて見える化することで、顧客から見た鈴屋の強みを炙り出しました。

結果、できあがったのが「豊田てる子」というペルソナです。
「てる子」ならどう考えるのかを熟考し、鈴屋は困っている「てる子」を助ける「ガイド」として位置付けました。
これが鈴屋の存在意義であり、今まで長くお付き合いのあったお客様、そしてこれから出会うお客様との関わり方のヒントになりました。

また、バリュープロポジションキャンバスを用いたワークを通して、修理技術や永久保証はもちろん、「永く楽しんで使ってもらう」「思い出やつながりを大切にしてもらう」ことが鈴屋の唯一無二の価値であることに気づき、その価値を1つのブランドというカタチで表現することに。

以上のような文脈で、人と家具の想い出を紡ぐ家具職人のお店として「MUNIものがたり」が立ち上がりました。
そして、そのコンセプトや理念を尊重しながらLPやロゴ制作に着手しました。

ロゴは「木」と「ものがたりを紡ぐ唯一無二の修理屋」の要素を取り入れ、年輪のようにも見える指紋をモチーフに作成。
鈴屋の皆さまにも大変満足いただける仕上がりとなりました。

また、色々な方に「MUNIものがたり」の世界観に触れていただけるよう、SNSの運用にも共に取り組んでおり、家具修理の技術ではなく、お預かりした家具の背景や文脈を紹介する「ものがたりメーカー」としての発信を心がけています。
鈴屋社内でも「MUNIものがたり」というひとつの在り方を自らつくりあげたことで、社内での理念の共有が進み、社員の皆さまも個々の強みを活かしながら「MUNIものがたり」を育むためにできることを考え、どんどんチャレンジされています。

また、「MUNIものがたり」発足と同時に立ち上げたホームページや各種SNSからの相談も増え、鈴屋の想いや取り組みが広がってきています。

NIKE

NIKEは、革新的で勇敢なシンボルとして、ほかのスポーツブランドとは一味違う世界観の確立に成功したブランドです。

1970年代から積極的に広告を用いたキャンペーンを行い、「エアマックス」シリーズを世界的に広めるとともに、プロスポーツやアスリートのスポンサーとなってNIKEを目にする機会を増やしていきました。

高品質でデザイン性の高い製品をアスリートに提供することで、一流のスポーツブランドという印象を与えています。

また、NIKEは積極的に社会問題に取り組んでいるのも特徴で、プロモーションに社会問題を反映させるなど、革新的なイメージがあります。
NIKEのスローガンである「Just Do It」には「やるしかない」「行動あるのみ」という意味があり、ここからもNIKEのメッセージが垣間見えるでしょう。

Apple

Appleは、革新的かつシンプルで洗練された印象を与え、根強いファンの獲得に成功しました。

Appleは競合他社に先駆けて、常に最新技術を導入した高品質な製品を作り続けています。
プロモーションでは、Apple製品を使っている様子をストーリーにして見せることで、製品がもたらすメリットや可能性を表現しています。



このストーリーを作るもとになったのが「ゴールデンサークル理論」です。
WHY(なぜ)→HOW(どのように)→WHAT(何が)の順でものごとを伝えることにより、他社の共感を得られるという理論で、行動を促しやすい効果があります。

大きな影響力を及ぼす会社・組織やリーダーは、この考えに則っていると言われており、その代表的な例がAppleです。

「Appleはなぜスマートフォンを開発するのか」という想いを発信し続け、これまでに「Apple製品を使えば、革新的で洗練された暮らしができる」というブランドイメージを作り上げてきました。ステータスの象徴として確立された事例です。

ダイソン

ダイソンは、優れた性能とデザインを併せ持った革新的な製品を販売する企業としてブランディングに成功しました。

「吸引力の変わらない、ただひとつの掃除機」という自社製品の強みを謳ったこのキャッチコピーにより、ユーザーに「吸引力といえばダイソン」と強く印象付けています。

またダイソンは、ブランドイメージ確立のために徹底したユーザー目線を持ち合わせているのも特徴です。
創業者のジェームス・ダイソンは、納得のいく掃除機を開発するために、5,127台の試作品を作ったと言われています。

ユーザー目線で品質を追求し、ユーザーのニーズに最大限応えるという価値の提供に成功した事例です。

Google

Googleは、ソフトウェア業界において、高い評価を得ることに成功しました。

ソフトウェアサービスは、具体的な製品によってブランドイメージを築き上げるわけではありません。
しかしGoogleは、直感的な操作とシンプルなデザインによって、使いやすいサービスを提供しています。

また、常に最新のアイデアや技術を導入し、イノベーションの先駆けであるというブランドイメージを獲得することで、ユーザーから信頼を集めているのが特徴です。

ユニクロ

ユニクロは、「シンプルで機能性があり、お手頃価格で購入できる」というブランドイメージの構築に成功しました。
流行に左右されるファッション業界において、老若男女問わず受け入れられるベーシックな商品に力を入れているのが大きな特徴です。

毎年改良を重ねることで高品質を実現しているだけでなく、ベーシックなデザインで大量生産が可能、かつ生産工程が効率化されているため、低コストの維持を実現しています。

以上のように、ベーシックなデザインを突き詰めたことで、高品質かつ低コストな製品を提供するブランドを確立しました。

スターバックス

スターバックスは、コーヒーショップの魅力だけを打ち出すのではなく「人が主役である」というアプローチによって、コーヒーカルチャーを世界中に広めることに成功しました。

「コーヒーは人の心を豊かにするための脇役」という考えのもと、オリジナルのドリンクやスタイリッシュな空間を提供し、サードプレイスとしての価値を高めています。
これにより、「スターバックスは居心地のよい場所」というイメージが定着していきました。

スターバックスはテレビCMなどの大々的なプロモーションや割引といったキャンペーンをせずに、ブランディングに成功した珍しい事例です。
現在は紙ストローの導入や、「女性活躍における行動計画」の策定など、SDGsへの取り組みも注目されています。

湖池屋

湖池屋は、「楽しさ」「創造性」をキーワードに、ブランドイメージの構築に成功しました。

新たな味や食感を追求することで、ユーザーに楽しさだけでなく驚きも提供しています。
この一貫した商品開発の姿勢は、湖池屋の個性として認識されるようになりました。

また、ユーザーの目を引くパッケージのデザインも、湖池屋のブランドイメージを印象付けている要素です。
以上のように、味・食感・パッケージなどから、湖池屋は楽しさと創造性を象徴するブランドとして大きな支持を集めています。

とらや

江戸時代から続く老舗のとらやは、一貫した品質としっかりと軸を持った改革によって、リブランディングに成功した事例です。

若い世代には受け入れられにくい和菓子も、そのよさを活かしつつ洋菓子風にアレンジしたり、ヨーロッパへ展開したりするなどして、若年層や外国人といった新たな層のユーザーを獲得しました。

とらやの和菓子のよいところは捨てないという強い軸を持ったうえで常に挑戦し続ける姿勢は、とらやの伝統と品質、信頼性の象徴だといえます。

USJ

関西最大のテーマパークであるUSJは、コンセプトの転換によってリブランディングに成功した事例の1つです。

2001年に華々しくオープンしたものの、2004年には事実上の経営破綻に追い込まれています。
そこで、当初の「映画のテーマパーク」というコンセプトを「世界最高のエンターテインメントを届けるテーマパーク」へと転換しました。

映画以外にもアニメやキャラクターなどのさまざまなコンテンツを提供した結果、それまで取りこぼしていたファミリー層の来場者が増加。
結果として、低迷していた来場者数は数年で倍増し、日本で唯一無二のテーマパークとして認識されるようになりました。

ブランディングに失敗した大手企業の事例

ここでは、ブランディングに失敗した大手企業の事例を紹介します。

・小売メーカー
・飲料メーカー
・ファッションメーカー

小売メーカー

ある大手小売メーカーは、総合食品メーカーになろうと計画して失敗しています。
定番商品とは異なるさまざまな製品の販売を始めたものの、従来のイメージが強く、新製品の売上は思うように伸びませんでした。

多くの在庫を抱えて値引きせざるを得なくなり、結果的にブランドイメージも悪くなってしまったのです。

飲料メーカー

某大手飲料メーカーは、定番商品のパッケージのリニューアルによって売上が大幅に減ってしまいました。
また、定番商品の味をリニューアルしたことでユーザーからの不満が続出し、従来の味に戻した大手飲料メーカーの事例もあります。

これらはいずれも、もともとのデザインや味がそのブランドの象徴であると企業が認識できていなかったことが原因だと考えられます。

ファッションメーカー

ある大手ファッションメーカーは、ブランドのロゴマークを変更したところ反対意見が殺到し、わずか数日でもとに戻すことになりました。
早急にユーザーの意見を取り入れて行動したことで大きな損失はありませんでしたが、ユーザーのロゴマークへの愛着を理解していなかったことが大きな原因でしょう。

ブランディングに失敗しても、早い段階で解決に向けて動くことの重要性がわかる事例だといえます。

ブランディング事例から学ぶ成功の5つのコツ

ブランディングの成功事例と失敗事例から、成功するために必要なことがわかります。
ここでは、ブランディング成功の5つのコツを見ていきましょう。

・ブランドコンセプトを明確にする
・ブランドの問題点を見える化する
・ファンとのコミュニケーションを大切にする
・PDCAサイクルを回す
・トレンドに合わせてブランディングを見直す

ブランドコンセプトを明確にする

ブランドコンセプトが明確になっていれば、ユーザーに商品やサービスの魅力がしっかりと伝わります。
これは、新規ユーザーと既存ユーザーのどちらにもいえることです。

社内外でブランドに対する理解や認識が統一されていないと、一貫したブランディングは行えません。
企業理念をもとに方向性を明らかにしたうえで、ブランドコンセプトを設定しましょう。

ブランドの問題点を見える化する

ブランドの問題点を可視化できていないと、自己満足なブランディングになり、ユーザー目線からずれてしまう可能性があります。
問題点を具体的に把握できないと、軌道修正できずに失敗につながるおそれがあるため、可視化して常に状況を確認しましょう。

ファンとのコミュニケーションを大切にする

ユーザーとのコミュニケーションを大切にすると、エンゲージメントが高まります。
反対にコミュニケーションを怠ると、エンゲージメントは低下し、ユーザーが競合他社の商品やサービスに乗り換えてしまうことがあります。

ユーザーとのコミュニケーションを大切にすることで、よい関係の構築を目指しましょう。
例えば、SNSを通じてユーザーと交流するのもブランディングにおける効果的な施策です。

ただし、SNS導入の際にはルールを守り、ユーザーとしっかり対話することを意識しましょう。

PDCAサイクルを回す

ブランディングでは、PDCAサイクルを回して定期的に効果検証することが重要です。
効果検証ができていないとPDCAをうまく回せず、どのように改善すべきかがわかりづらくなります。

ブランディングは、技術のアップデートや社会情勢など、変化に応じた調整が欠かせません。
まずはブランディングによる成果を確認し、アンケートなども活用して客観的に現状を分析しましょう。
【関連記事】
■PDCAの詳細はこちらの記事をご覧ください。
「PDCAとは?成功例と失敗例から学ぶサイクルの効率的な回し方」

トレンドに合わせてブランディングを見直す

ブランディングによって自社のブランドイメージや価値を確立できても、時間の経過によって、その価値観が古くなってしまう可能性があります。

そのため、常にトレンドを把握し、その時代に合ったブランディングができるように備えておきましょう。
特に、市場に革新的な商品やサービスが登場したときなどは、自社のブランドの価値を見直すことが大切です。

ブランディングはプロに任せるのがおすすめ

ブランディングの成功には知識とスキルが必要であり、ユーザーが何に魅力を感じ、何を求めているのか、しっかりと分析する能力が欠かせません。
また、ブランドを構築するためのデザインセンスや、ブランドイメージを共有できるようなコミュニケーション能力も求められます。

「ブランディングが難しい」「ブランディングがなかなかうまくいかない」という場合には、プロに任せるのがおすすめです。
ブランディングに関してお悩みの際は、お気軽にお問い合わせください。

ブランディングについてお困りの際は、株式会社アイデアプラスにご相談ください。


よくある質問

ここでは、ブランディングに関するよくある質問に回答していきます。

・ブランディングとは具体的に何をするのか?
・ブランディングにはどのような種類があるのか?
・ブランディングのコンセプトとは何か?

ブランディングとは具体的に何をするのか?

ブランディングとは、ブランドの価値を高めるために行う施策のことです。

ユーザーが自社の商品・サービスを魅力的かつ独自のものであると認識できるよう、企業として伝えたいメッセージを訴求していきます。
これにより、競合他社との差別化にもつながります。

ブランディングにはどのような種類があるのか?

ブランディングの種類は、大きく以下の5つです。

ブランディングの種類
ブランディング方法 内容
企業ブランディング 企業のイメージや価値をユーザーに伝える活動
例:企業CM、オウンドメディアなど
商品・サービスブランディング 企業が提供する商品・サービスがユーザーに選ばれ続けるための活動
例:名称やパッケージの決定、消費・サービスCMなど
 インナーブランディング 自社の企業理念を社員に浸透させる活動
例:社内報、社内イベントなど  
リブランディング すでにある商品・サービスを変更する活動
例:名称・パッケージ・価格などの変更
採用ブランディング 自社の魅力を伝えて人材採用しやすくする活動
例:福利厚生の充実、採用イベントへの出展など

ブランディングのコンセプトとは何か?

ブランディングのコンセプトとは、ユーザーに提供する価値を端的に表現し、ブランドをよりわかりやすい形で示すことです。

ブランディングのコンセプトをもとにした一貫性のあるコミュニケーションによって、ユーザーにブランドイメージが浸透していきます。
ユーザーに選ばれるためには、欠かせないものだといえるでしょう。

まとめ

今回は、ブランディングについて、成功事例と失敗事例を交えて解説しました。

ブランディングを成功させるためには、ブランドコンセプトを明確にし、問題点を可視化することが重要です。
また、ファンとのコミュニケーションやPDCAサイクルによる効果検証、トレンドに合わせた見直しも欠かせません。

今回紹介した事例を参考にして、自社のブランディングに活かしましょう。

弊社、株式会社アイデアプラスはお客様が抱える課題を一緒に考え、クリエイティブの力で課題解決・目標達成に向けて伴走いたします。 ブランディングについてお困りの際は、ぜひ株式会社アイデアプラスにお気軽にご相談ください。

Writer

執筆者

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中村春奈 ディレクター

中村 春奈 ディレクター

愛知県出身。新卒で損害保険会社に入社しリテール営業部で2年間勤務。 アイデアプラスに入社後は中小企業向けのリブランディングや周年イベントのプロデュースに関わる。 出張撮影のカメラマンとしても活動。名古屋の商店街活性化プロジェクト、地域活性を目指す社会実験に参加し、「まち」というコミュニティのデザインも勉強中。2023年10月まちづくりコーディネーター育成講座修了。

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