【初心者向け】ワークショップとは?知っておきたい基礎知識と成功のコツ - アイデアコンパス

【初心者向け】ワークショップとは?知っておきたい基礎知識と成功のコツ【初心者向け】ワークショップとは?知っておきたい基礎知識と成功のコツ
ジャンル
建築
2024年3月29日

【初心者向け】ワークショップとは?知っておきたい基礎知識と成功のコツ

本記事の著者
花澤 桃子 ( ディレクター )
花澤桃子 (ディレクター)
ワークショップで
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【初心者向け】ワークショップとは?
知っておきたい基礎知識と成功のコツ
ワークショップは近年、会社や学校に限らず、色々な場所で様々なテーマで開かれており、身近な存在になっています。

しかし、参加者として何をすればよいのか、運営者としてどう動けばうまくいくのかなど、詳しく知りたいという人も多いのではないでしょうか。
そこで今回はワークショップの基礎知識と成功のコツを掘り下げ、誰でもすぐ実践に活かせるよう解説していきます。

ワークショップとは

ワークショップとは、参加者主体の体験型講座のことです。

英語の workshop は本来、「工房」「作業場」を意味する単語ですが、現在は参加者が自主的に体験する講座・研究集会・グループ学習などを指す広義な言葉として扱われています。

ビジネスの場においても、体験や参加する形式の講座をワークショップと呼び、参加者同士の能動的なコミュニケーションが多く、教育的な側面が強いという特徴があります。

セミナーとの違い

セミナーとの違いは、情報伝達の方向性です。

セミナーとは、主催者が設定したテーマに関心のある参加者へ向けた講習会を指します。
一般的には、「参加者が主催者の話を聞く」というスタイルで、参加者同士での会話や主催者と参加者の交流は少ないのが特徴です。

ワークショップは双方向のコミュニケーションが多いのに対し、セミナーは一方的な情報伝達が多いという点で異なります。

グループワークとの違い

ワークショップと似た言葉に、「グループワーク」があります。

グループワークも意見交換の場ですが、その集団に与えられた課題に対し「最終的な結論を出すこと」を目的としています。
一方でワークショップは、意見交換をしながら「実際の体験を通して学習すること」が目的です。

結論を出すか、学びを得るか、という目的において両者には違いがあります。

ワークショップの種類

ワークショップと一口に言っても、非常に多種多様です。
中でも代表的なワークショップを5つ紹介します。

・ビジネス分野におけるワークショップ
・ものづくりワークショップ
・まちづくりワークショップ
・芸術分野におけるワークショップ
・教育分野におけるワークショップ

ビジネス分野におけるワークショップ

ビジネス分野においては、研修や会議など社内向けのワークショップと、顧客など社外向けのワークショップに分けられます。

社内研修では、主に新人研修に使われています。
マニュアルや資料を読むだけの座学よりも、実際の体験を通じて学ぶほうが身をもって理解できるでしょう。
他にも経験の浅い部署への異動時や、新規事業プロジェクトが発足した際に多用されます。

また、ワークショップは社内の会議に使われることもあります。
会議に取り入れれば、全員が当事者意識を持って積極的に参加しやすくなり、立場に関係なく意見を出し合える効果が狙えるのです。

顧客が参加する社外向けのワークショップには、新商品・サービスを利用してもらったり、新しいコンセプトを理解してもらったりしたうえで、率直な意見や感想を引き出す目的があります。
そこから改善点を見出し、次のビジネスにつなげていきます。

ものづくりワークショップ

ものづくりワークショップは、特に一般的に知られているワークショップです。

手芸・レザークラフト・フラワーアレンジメント・料理・陶芸など、多くのハンドメイドが含まれます。
主催者と参加者同士で交流しながら一緒に何かを作ることで、完成品だけでなく達成感を得られ、イベントとして楽しめるため人気のワークショップといえるでしょう。

まちづくりワークショップ

身近な地域の課題に対して、話し合いながら知見を広げ、解決方法を探るのがまちづくりワークショップです。

本職である行政関係者だけでなく地域住民を巻き込むことで、現場のリアルな情報が得られ、住民は認識の共有、各自治体は実態に即した対応ができます。
公園の遊具から行政計画まで、幅広い分野で住民と行政がコミュニケーションをとり主体的に活動すれば、よりよいまちづくりにつながるでしょう。

芸術分野におけるワークショップ

芸術系のワークショップも注目を集めています。

STEM教育と呼ばれる、科学(Science)・技術(Technology)・工学(Engineering)・数学(Mathematics)を重視する教育手法がありますが、近年ではそれに芸術(Art)を加えSTEAM教育と呼ばれており、芸術分野がいかに脚光を浴びているかがわかります。
一方で、小学校では英語の授業が必修化され、その影響で相対的に音楽・図画工作の時間数が減少しました。

義務教育では物足りない芸術分野を補うような、初心者でも手軽に体験できる創造的なワークショップの需要が高まっています。

教育分野におけるワークショップ

かつての授業は、教員が学生に一方的に話をする講義形式ばかりでしたが、最近は「アクティブ・ラーニング」と呼ばれる、「学生が能動的に学びに向かう」ような教育が採り入れられています。

アクティブ・ラーニングを深めるため、主体性が身に付くワークショップを実施し、班でコミュニケーションを取りながら実験・グループワーク・発表などが行われているのです。

ワークショップを実施するメリット

ワークショップには様々な種類がありましたが、どのようなメリットがあって実施するのでしょうか。
以下にメリットの例を記載していますので、参考にしてみてください。

ワークショップのメリット
・グループで協力が必要なため、当事者意識が生まれやすい

・実体験を通して、身をもって理解できる
・多角的な視点・多様な価値観に触れられる
・他の参加者と一緒に作り上げる達成感がある
・課題解決策やヒントが見つかり、改善につながる
・主催者として、商品・サービスをプロモーションできる
・主催者として、顧客の意見や要望に対応しやすい
・コミュニケーション能力が向上する

ワークショップ開催前の準備手順

ここからは主催者目線で、ワークショップを開催する場合の手順を解説します。
開催前には次のような流れで準備するとよいでしょう。

STEP1:ワークショップのテーマや目的を決める
STEP2:当日のスケジュール表を作成する
STEP3:参加人数に応じた広さの部屋を用意する
STEP4:必要な備品を用意する

STEP1 ワークショップのテーマや目的を決める

まずはワークショップのテーマや目的を決めます。
ワークショップの目的を踏まえたうえで、参加者が主体性を持って楽しく学べるようなテーマを選びましょう。

テーマや目的が明確であれば、企画の軸がブレにくくなり、自ずとターゲット層・定員・開催場所も定まるため、最初のステップとして非常に重要です。

STEP2 当日のスケジュール表を作成する

次に、ワークショップ当日のスケジュール表を作成します。
目的は、開催が昼なのか夜なのか、どのくらいの長さになるのかなどを運営者として理解しつつ、参加者に周知するためです。

想定している参加者の属性に応じて、負担のなさそうな時間帯を選び、ワークショップに必要な時間を考慮して決定しましょう。

STEP3 参加人数に応じた広さの部屋を用意する

ワークショップにおいては、部屋の広さにこだわることも重要です。
例えば、参加人数が少ないのに部屋が広すぎては落ち着きません。
一方で部屋が狭すぎると圧迫感があり、心理的に萎縮してしまうでしょう。

参加人数に応じて、参加者がリラックスして取り組みやすい適切な部屋選びが大切です。

STEP4 必要な備品を用意する

開催の前に、ワークショップに必要な備品を用意しておきましょう。
例えば次のようなアイテムです。


必要な備品の例
・付箋
・メモ用のコピー用紙
・サインペン
・カラーペン
・蛍光ペン
・模造紙
・ホワイトボード
・テープ
・プロジェクター
・スクリーン
・音響設備
・マイク


これらの備品があればワークショップが成立するだけでなく、スムーズな進行にも役立つでしょう。

ワークショップの効率的な実施方法

より効率的にワークショップを実施する方法には、いくつか例が挙げられます。
主催する場合は、次のような方法を押さえておきましょう。

・目的・ゴールを明確にする
・個人ワークも取り入れる
・ファシリテーターを配置する
・振り返りの時間を設ける

目的・ゴールを明確にする

ワークショップの目的やゴールをあらかじめ設定し、それを周知しておくことが大切です。

ゴールは「ピンポイント」に「わかりやすく」設定します。
目的がぼやけていると主催者の進行はブレやすく、参加者は何を軸に話し合えばよいかわかりづらくなります。

参加者側に「何がしたいんだっけ」という思いが広がれば、納得感や共感・主体性が失われ、円滑な進行もできなくなるでしょう。
スムーズなワークショップを実現するためにも、目的・ゴールは明確にしておく必要があります。

個人ワークも取り入れる

ワークショップはグループ活動のイメージがあるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。
最初の時間は個人ワークを取り入れるとよいでしょう。
個人ワークであれば集中して自分の意見をまとめられ、慣れていない人も緊張をほぐす時間にできます。

一定の短い時間を設定し、付箋やノートにアイデアをひたすら書き出す方法がおすすめです。
いきなり人と会話するよりもアイデアが出やすく、効率的といえます。

ファシリテーターを配置する

効率的なワークショップの運営には、中立な進行役であるファシリテーターの配置も重要です。

ワークショップでは本題から話が脱線したり、個人ワークとグループワークの切り替えタイミングで流れが鈍ったりする場合があります。
限られた時間の中で最大効率を発揮するためにも、タイムキーパーとして、かつ軌道修正や意見のフォローをする役割として、ファシリテーターが必要です。

振り返りの時間を設ける

ワークショップ終了後に、必ずアンケートをとって参加者からのフィードバックをもらいましょう。
ワークショップに満足したか・ゴールは達成できたか・よかった点・悪かった点などに回答してもらい、足りない部分を次回以降の改善に取り入れます。

振り返りの時間を設けることで、より効率的な運営方法が見えてくるのです。

ワークショップでよい雰囲気を作る4つのコツ

ワークショップを成功させるためには、よい雰囲気作りが大切です。
以下の4つのコツについてそれぞれ解説します。

・アイスブレイクの時間を設ける
・グループの人数は5〜6名にする
・机はアイランド形式に配置する
・BGMを流す

アイスブレイクの時間を設ける

意見が出やすい雰囲気を作るため、アイスブレイクの時間を設けましょう。

参加者同士がお互いをよく知らない状態では緊張し、気軽に話し合えません。
心理的安全性を高めるためにも、まずは簡単な「他己紹介」「Good & New(※)」などの実施がおすすめです。

ワークショップのテーマに関連するアイスブレイクを独自に考えてみるのもよいでしょう。
(※)「Good & New」とは
24時間以内に身の回りで起きた「よかったこと(GOOD)」や「新しい発見(NEW)」を、1人1分程度で話し、終わったら拍手を送るという取り組みです。
アメリカの教育学者であるピーター・クライン氏が考案しました。

グループの人数は5〜6名にする

グループの人数は、5〜6名が最適です。
これより少ないと、発言力のある特定の参加者の話を他の人が聞くというスタイルになりがちで、これより多いと発言の機会が減り「自分がいなくても成り立つ」という感覚から当事者意識が薄れる可能性があります。

参加者それぞれが対等で、均等に発言し、聞き役にも回るためには5〜6名が最適な人数といえます。

机はアイランド形式に配置する

活発なコミュニケーションを促すためには、参加者が対面同士になるアイランド形式(島型形式)が効果的です。
座席とテーブルのセットを会議室内に複数配置し、各テーブルに3〜6名ほどが着席します。

全員が近い距離で目を見て対話できる自然なスタイルであり、親睦を深めやすく雰囲気もよくなります。

BGMを流す

ワークショップは堅苦しい講義ではないため、BGMを流すのもおすすめです。
参加者の中には緊張している人も多く、リラックスしてもらうためにも邪魔にならない程度のBGMを流しておきましょう。

ワークショップを実施する際の注意点

運営者としてワークショップを実施する際には、気をつけるべき注意点があります。
2点に分けて解説しますので、実施前には必ず確認しておきましょう。

・盛り上がりにかける場合がある
ワークショップが盛り上がるかは、その場の雰囲気次第です。
まずは、前述した通りよい雰囲気作りを心がけましょう。

それでも参加者によっては「緊張している人が多い」「意見が全然飛び交わない」という場面はどうしても出てきます。
その際はファシリテーター役が工夫して、場を和ませたり、話を振ったりするサポートが必要です。
このような状況を極力減らすためにも、最初のアイスブレイクは重要な存在なのです。

・必要な設備・環境を用意しなければならない
必要な設備や環境が整っているかどうかにも注意しておきましょう。
使う予定の備品や部屋を準備したものの、意外と当日になって不備が発覚する場合があります。

用意したペンにインクは入っているか、部屋の外からの騒音はないかなど、事前に把握しておくために可能な範囲で予行演習しておくことが大切です。

ワークショップの成功事例

弊社アイデアプラスでワークショップを開催した事例について紹介いたします。

注文住宅の工務店を営む株式会社スズケン様より「デジタルカタログを作成したい」とご依頼をいただき、カタログ作成にあたってヒヤリングを行うなかで、自社の強みが漠然としていて、社員によって捉え方が異なっていたり、言語化しきれていないという事がわかりました。

そこで、自社の強みを定めてからデジタルカタログの制作に進む事を提案し、強みを言語化するためのワークショップを開催しました。
ワークショップでは複数名の社員の方に参加していただき、ファシリテーションを行いました。

まず最初に自社が思う強みが何か、という所を整理してから、顧客にとって何が刺さるのかを炙り出すために相対的な立ち位置を3C分析で考えていきました。

なぜならスズケン様が認識している「自社が考える強み、発信していきたい強み」と「お客様が求めていること」は必ずしも一致はしておらず、3C分析を用いて相対的に考えていくことにより、お客様に打ち出すべき強みを炙り出して、そこを重点的に打ち出していく必要があると考えたからです。

その後、3C分析の結果をポジショニングステートメントに落とし込んで整理していきます。
これによって「顧客に対して他社より誇れる強み」を見える化することができるので、強みをどんな手段で、どう表現していくのか、ということが明確になり、デジタルカタログの制作に進むことができました。

3C分析に使えるテンプレートはこちらからダウンロード

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ポジショニングステートメントに使えるテンプレートはこちらからダウンロード

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よくある質問

ワークショップについて、よくある質問3つに回答していきます。

・ビジネスにおけるワークショップとは何か?
・会議とワークショップの違いは?
・ワークショップが必要なのはなぜ?

ビジネスにおけるワークショップとは何か?

ビジネスの場において、体験や参加する形式の講座をワークショップと呼びます。
参加者同士の能動的なコミュニケーションが多く、教育的な側面が強いというのが特徴です。
詳細は本記事内の「ワークショップとはをご覧ください。

会議とワークショップの違いは?

会議は場合によっては人数が多く、話を聞くだけで終わる場合もありますが、ワークショップは体験や参加型という点で大きく異なります。
ワークショップは会議に比べ、参加者が主体的に意見を出し合うという特徴があり、結論よりもコミュニケーションや知見を得ることを重視しています。

ワークショップが必要なのはなぜ?

ワークショップが必要な理由は、ビジネスで重要な協調性や当事者意識が生まれやすく、実体験を通して物事を理解できるためです。
また、参加者の多様な価値観に触れられたり、課題解決につながるヒントを探せるという点でも、ワークショップは重要です。
詳細は本記事内の「ワークショップを実施するメリット」をご覧ください。

まとめ

今回は、ワークショップについて解説しました。
参加者主体のワークショップには、体験を通して身をもって理解できるなど、様々なメリットがあります。

運営する際には事前準備をしっかりと済ませ、ゴールを明確にしながら効率的に、参加者の雰囲気がよくなるよう心がけながら実践しましょう。

弊社、株式会社アイデアプラスはお客様が抱える課題を一緒に考え、クリエイティブの力で課題解決・目標達成に向けて伴走いたします。
ワークショップについてお困りの際は、ぜひ株式会社アイデアプラスにお気軽にご相談ください。

Writer

執筆者

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花澤桃子 ディレクター

花澤 桃子 ディレクター

千葉県出身。専門学校卒業後に都内ホテルにてウエディングプランナーとして従事した後、 スクールにてWEBデザインを上流工程から学ぶ。その後、ディレクターとしてアイデアプラスに入社。 現在はWEBサイトやチラシ、パンフレットなどの販促物を中心にディレクションを担当。

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