KPIとKGIの違いは?それぞれの定義と設定方法をわかりやすく解説 - アイデアコンパス

KPIとKGIの違いは?それぞれの定義と設定方法をわかりやすく解説KPIとKGIの違いは?それぞれの定義と設定方法をわかりやすく解説

KPIとKGIの違いは?それぞれの定義と設定方法をわかりやすく解説

本記事の著者
関口 秀仁 ( プロジェクトメイカー・ファシリテーター・キッズデザイン )
関口秀仁 (プロジェクトメイカー・ファシリテーター・キッズデザイン)
KPIとKGIの設定で
お困りの際は是非ご相談を!
KPIとKGIの違いは?それぞれの定義と設定方法をわかりやすく解説
企業が継続的に発展していくためには、KGIとKPIを適切に設定する必要があります。
しかし、「KGIとKPIの違いって?」「そもそも意味がわからない」と悩んでいる方も多いようです。

そこで今回はKGIとKPIの基礎知識について解説します。
この記事を最後まで読めば、KGIとKPIの意味や違い・設定の必要性がわかります。
実践的な設定方法やKPIツリー作成方法についても触れていますので、これからすぐに設定に取り掛かかりたい方は必見の内容です

KGIとKPIとは

KGI(Key Goal Indicator)は「重要目標達成指標」を指します。一方、KPI(Key Performance Indicator)は「重要業績評価指標」のことです。
セットで語られることの多いKGIとKPIですが、その違いについてわかりやすく解説します。

 KGIとは:ビジネスの最終目標
 KPIとは:ビジネスの中間目標
 KGI・KPIと一緒に知っておきたい用語

KGIとは:ビジネスの最終目標

KGIとは、「Key Goal Indicator」(キーゴールインジケーター)の略称です。
日本語では「重要目標達成指標」または「経営目標達成指標」と呼ばれています。
企業のビジネスの最終目標を定量的に定めたもので、一般的に売上高や成約数、利益率などが該当します

KGIが必要な理由は、最終目標が明確化されていないとゴールまであとどのくらいの位置にいるのか測ることができないからです。
最終目標を数値化することによってデータをもとに現状を評価でき、対策や措置をとることが可能となります。
KGIの設定期間は最終目標の内容によって異なりますが、1年や3年など長期にわたる場合が多いです。

KPIとは:ビジネスの中間目標

KPIは「Key Performance Indicator」(キーパフォーマンスインジケーター)の略称です。
日本語では「重要業績評価指標」または「経営業績評価指標」と呼ばれています。

目標達成に向けたプロセスの達成度を把握・評価するための「中間目標」として有効なのがKPIです
KPIを設定して継続的に遂行度を測定していれば、KGI達成に向けた計画的な行動が可能となります。

プロセスが順調に進行していれば問題ありませんが、遅延が発生している場合は課題を洗い出し、業務の見直しを行って改善を図りましょう。
KPIの設定期間はKGIよりも短く、一般的に1カ月や3カ月など月単位で設定されます。

KGI・KPIと一緒に知っておきたい用語

KGIやKPIを設定する際に、関連用語として頻繁に登場するのが「KSF」と「OKR」です。
企業活動において重要な指標となるので、KSFとOKRについても理解しておきましょう。
ここから、KSFとOKRについて解説します。
KSF(Key Success Factor)
KSFとは「Key Success Factor」の略語です。日本語では「重要成功要因」と訳されます。
簡単にいえば、ビジネスのゴールがKGIで、KSFは事業の成功要因です
目標を達成するためには、KGIを叶えるためのKSFを導き出し、それに必要なプロセスを整理して、適切なKPIを設定することが重要です。

KFSを洗い出すためには、市場環境や競合他社のビジネスモデルなどを分析します。
分析した成功要因の中から、KGI達成に不可欠な要因をKFSとして設定しましょう。
KSFはKPIと混同されがちですが、定量で示されるKPIとは異なり、KSFは数値化できないことが特徴です
OKR(Objectives and Key Results)
OKRは「Objectives and Key Results」の略語です。
日本語では「達成目標と主要な成果」または「目標と成果指標」と訳されます。
GoogleやFacebookなど、有名企業が採用して成果を上げたことで注目された用語です。

OKRは、KGIやKPIとは異なり、組織や個人の目標設定・管理手法のひとつとして使用されることが一般的です

OKRのメリットは、会社・チーム・個人の目標を連動させやすいという点にあります。
目標と成果の2点を設定することで、個人と組織のパフォーマンスを連動させることが可能です。


数値としては、最終的な達成割合が60%から70%程度になるような目標設定が理想とされています。
KPIとKGIによる短いスパンの評価とは異なり、OKRは四半期ごとに見直すのが一般的です。


それぞれの特徴をまとめた表は以下の通りです。
種類
KPI KGI達成に必要な「経過目標」
KGI 企業の「最終目標」
KSF KGI達成の「成功因子」
OKR 目標達成に必要な個々の「目標」

KGIとKPIの違い

KGIとKPIは密接した関係にありますが、その意味は全く異なります。
KPIは目標を達成するための「過程」であり、KGIは「ゴール」にあたります

・KGIはビジネスの最終目標を表したものであり、企業が目指すゴールとなる指標
・KPIはKGIを達成するために、こなしていかなければならない中間目標となる指標

KPIの達成を重ねていくことで、最終目標であるKGIを目指すというのが、KGIとKPIの関係性です。
KPIで設定した目標を達成できなければ、自ずとKGIも達成できなくなってしまいます。

なぜKGIとKPIの設定が必要なのか

なぜKGIとKPIの設定が必要なのか、理由は多くありますが、中でも以下の主要なものを詳しく深掘りしていきます。

 評価基準が明確になる
 モチベーションアップにつながる
 PDCAを回しやすくなる

評価基準が明確になる

KPIの設定が重要な理由は、評価基準を統一できることです。KPIは定量的な数値を用いるため、成果に対する評価は誰が見ても同じ評価になります。そのため、評価基準を統一することが可能です。
明確な数値で目標達成率を測れるため、評価の曖昧さが減り、客観性が高くなり公平性が担保されます

モチベーションアップにつながる

KGIとKPIを一緒に設定することで、短期的に追える小さな目標ができます。KPIを設定することによって、1週間や1日単位の短期目標を数字で追うことが可能です。
KGI達成が最終的な目的ではありますが、KPIを1つずつ達成することによって、従業員は達成感や成長を感じやすくなり、モチベーションアップにつながります

PDCAを回しやすくなる

KPIの設定が重要な理由として、PDCAが回しやすくなることが挙げられます。KPIを設定して成果を数値化することによって、目標が達成できているか一目で確認できることがメリットです。
数値化することで問題点がわかれば、原因追求のために戦略を立てたり、業務改善をしたりするためのPDCAサイクルが回しやすくなります
その結果、組織全体としてもより大きな成果を出すことができるのです。

KGIとKPI設定の手順 

ここから、KPIを正しく設定するための方法を3つのステップに分けて解説します。

 【STEP1】KGIの指標を設定する
 【STEP2】KSFを設定する
 【STEP3】KPIを設定する

STEP1 KGIの指標を設定する

KPIは目標達成に向けたプロセスを評価する指標であることから、前提としてKGIの設定が必要です。
KGIは現実的で具体的な数値目標を設定しましょう。
KGIを設定する際のポイントを2つ紹介します。
KGI設定のポイント①【ビジネスの目標を整理する】
KGIを立てる際には、ビジネスの目標を整理する必要があります。事業の目標が明確でなければ、どのようなKGIを設定することが適切かわからないからです。
会社の目標は売上だけでなく従業員のスキルアップや顧客満足度向上など複数の要素が含まれます。
部門ごとに目標を整理することによって、適切なKGIを設定することが可能です
KGI設定のポイント②【目標から逆算する】
目標を整理してプロジェクトとの関連性を把握したら、目標から逆算してKGIを設定しましょう
KGIは事業の最終目標ですが、会社全体としては企業目標の達成が重要です
そのため、KGIと目標の関係性が明確になるように考慮しましょう。

また、KGIの進捗状況を確認するためには定量的な数値で明確にする必要があります。
具体的な数値目標を設定することによって進捗状況を把握しやすくなり、進捗を分析することで適切な判断を下すことができます。

STEP2 KSFを設定する

KGIの次は、KSFの設定です。
内部環境と外部環境から、多角的にKGIを達成するための成功要因を洗い出しましょう

KSFを設定する際には、フレームワークを使うことがおすすめです。
考えるべき要素を整理できるため、フレームワークを使って話し合うと効果的なKSF設定が可能です。
KSF設定に使える分析フレームワークは、具体的に以下の手法があります。

KSF設定に使える分析フレームワーク
 ・3C分析
 ・5F分析
 ・SWOT分析
 ・PEST分析
 ・VRIO分析

これらの手法をうまく活用すれば、効率的にKSF設定が進められます。
それぞれ具体的にチェックしていきましょう。
3C分析
3C分析とは、以下3つの要素から分析や抽出を行うフレームワークです。

 ・Customer(顧客):顧客ターゲット層や市場のニーズなど
 ・Competitor(競合他社):競合他社の状況や市場におけるシェアなど
 ・Company(自社):自社の特徴や強みや弱み、評価など

顧客層やニーズ、市場の動向などの現状を把握・分析したうえで、他社との比較を実施します。
自社の強みや弱みを見つけることが可能で、顧客視点で客観的に事業の成功へのカギを見つけられる分析方法です。
5F分析
5F分析とは、自社の競争要因となる5つの要因を分析するフレームワークです。
5F分析の対象となる項目は以下の5種類です。

 ・競合他社:競合他社や競争が激化する要因
 ・売り手:売り手が利益を低下させる要素
 ・買い手:顧客との力関係
 ・代替品:顧客が流れてしまう代替品
 ・新規参入:業界に新たに参入する存在

5F分析することで、業界全体の構造を把握し、自社が優位になるためのKSFを抽出できます
SWOT分析
SWOT分析とは、自社の持つ要素を以下4つの項目から分析するフレームワークです。

 ・Strength:強み
 ・Weakness:弱み
 ・Opportunity:機会やチャンス
 ・Threat:脅威

SWOT分析では、自社の置かれている状況や必要な行動が明確になり、成功するための要因が把握できます
自社の強みや弱みといった内部要因も重要です。自社の現状を分析し、KSFとなる要素を抽出しましょう。
機会や脅威などの外部要因も自社の競争に大きく影響を与えるため、抽出する必要があります。
PEST分析
PEST分析とは、以下4つの視点から外部要因におけるKSFを抽出するフレームワークです。

 ・政治(Politics):法改正や政治動向など政治的要因
 ・経済(Economy):景気の動向、株価や物価など経済的要因
 ・社会(Society):人口、流行など社会的要因
 ・技術(Technology):新しい技術や特許など技術的要因

これらを分析することによって、自社が狙うべきポイントや競合他社と差別化できる要素などを導き出します
VRIO分析
VRIO分析とは、企業の持つ経営資源を分析して抽出するためのフレームワークです。
以下の4種類に分類されます。

 ・Value:経済的な価値
 ・Rareness:希少性
 ・Mitability:模倣される可能性
 ・Organization:組織の仕組み

上記4つの視点から、自社の現状を把握し、自社の価値や優位性を高めるポイントを見出す方法です。
VRIO分析によって、他社と差別化をはかることができます。

STEP3 KPIを設定する

KSFを洗い出した後に、KPIを設定します。成功に必要な要因を明確化し、数値目標を設定してKPIとしましょう
各KPIは具体的に数値化して設定します。

ここで重要なのが、KGIを達成する計算式に基づいて、KPIが設定されていることです
例えば、KGIが「売上」であれば、KPIはそれを達成できる「新規客数」「リピート客数」「客単価」の数値設定が必要となります。
売上 = 客数 (新規客数 + リピート客数) × 客単価
KPIツリーの作成方法
KPIを細分化して、達成するための行動をわかりやすくするために「KPIツリー」の作成が効果的です。
KPIツリーとは、KGIという組織目標を頂点として、目標実現のために構成されるKPIの関係をツリー形状で可視化したものです

KPIツリー作成により、目標の達成のためには何が必要なのか、全体像を把握できるようになります
また、優先して取り組むべき課題を組織で共有しやすくなることも、KPIツリー作成のメリットです。
KPIツリーを作成するためには、下記のステップで進めます。

KPIツリー作成のステップ
【STEP①】KGIを設定してツリーの頂点に据える
KGIは組織で最終的に目指しているものを設定します。
一般的に、売上や成約数などが用いられることが多いです。KGIを決めたらツリーの頂点に配置しましょう。

【STEP②】KGI達成のアクションをツリーに書き出す
KPIを上から一段ずつ分解していきます。
最小の構成要素になるまでKPIを分解していきましょう
KPIツリー作成前に、あらかじめKPIツリーの構成要素を洗い出しておくとスムーズです。


KPIツリーを作成する際には、以下の5つのポイントに注意する必要があります。

KPIツリー作成に注意点すべきポイント
 ・四則演算(+-×÷)の関係性で組む
 ・単位の整合性をとる
 ・要素を重複しない
 ・遅行指標と先行指標を把握する
 ・行動の指標となるレベルまで細分化する

【ポイント①】四則演算(+-×÷)の関係性で組む
KPIを作成する際の重要なポイントは、四則演算できる要素で組み立てることです
「足す」「引く」「掛ける」「割る」で扱えて、数値達成できる要素で構成しましょう。
数値として扱える要素でなければ、組織内メンバーで認識のずれが生じかねません

【ポイント②】単位の整合性をとる
KPIツリーで結びついているKPI同士が同じ単位にならないと、ツリーの辻褄が合わなくなることがありますので、単位の設定には注意が必要です。
KPIを設定する際は必ず単位も確認し、整合性をとるようにしましょう
よく用いられるのは人数の「人」、割合の「%」、金額の「円」などです。
例えば、営業分野での場合には、受注数の単位は「件」となり、直下にくる商談数や、その下のテレアポ数についても、同様に単位は「件」となります。

【ポイント③】要素を重複しない
KPIツリーを作成する上で、重複した要素をKPIとして設定してはいけません
業務が重複してしまい、効率性や生産性の低下を招いてしまうからです。KPIツリーの効果を発揮するためには、同じ要素を重複して用いらないようにしましょう。

しかし、これはあくまでも原則であり、場合によってはKGIを達成するための手段が複雑な場合は、重複する要素を取り入れるケースもあります。
自社の業務内容やKGIを考慮しながら、柔軟に対応しましょう。

【ポイント④】遅行指標と先行指標を把握する
分解する要素を、遅行指標から先行指標にすることも大切なポイントです

 ・遅行指標:物事の後についてくる指標
 ・先行指標:先行して物事を引っ張る指標

ツリーの頂点であるKGIに近ければ遅行指標、頂点から遠いKPIほど先行指標となります。
つまり、KGIから遠いものから先に達成される仕組みです。
遅行指標と先行指標の整合が取れているKPIツリーが、精度の高いKPIツリーといえます

【ポイント⑤】行動の指標となるレベルまで細分化する
行動の指標となるレベルまで細分化することは、組織全体で具体的なアクションにつなげるために欠かせないポイントです。
これ以上分解できないレベルにまで分解しておけば、ゴールまでの道筋において、どこに問題があるのか明確になります。

細分化が甘い場合、目標達成に向けてどのような行動をとるべきかの判断が個人に委ねられてしまうため、注意が必要です。
KPI設定のポイント
KPI設定のポイントは以下の4つです。

 1.KGI達成に必要な要素を整理
 2.現実的に達成できる数値に落とし込む
 3.KPI達成のための体制・仕組みを作る
 4.定期的に確認する

順に紹介しますので、KPIを立てる際の参考にしてください。

【KPI設定のポイント①】KGI達成に必要な要素を整理
KGIを達成するために必要な要素を整理しましょう。KPIはあくまでも最終目標であるKGI達成のための中間目標です。KGIの方向性から外れてしまうことは避けなければなりません。
整理をする際は、KGIを達成するためのプロセスを明確にしてKGIにつながる要素を特定する必要があります。
KGIとリンクしている要素を細かく分解して、KGIを達成するために必要なことを洗い出しましょう

【KPI設定のポイント②】現実的に達成できる数値に落とし込む
KGIを達成するための要素を整理した後は、実現可能な数値に落とし込んでいきます。
落とし込む作業では、以下のような「SMARTの法則」の活用がおすすめです。

SMARTの法則
 ・Specific:明確である
 ・Measurable:測定可能である
 ・Achievable:達成可能である
 ・Relevant:関連性がある
 ・Time-bound:期間を定める

KPIは定量的である必要があるため、上記の観点が抜け落ちてしまうと、何をどこまでするべきか不明瞭になることもあります。
SMARTの法則を用いながら、KPIを現実的に達成できる数値に落とし込みましょう

【KPI設定のポイント③】KPI達成のための体制・仕組みを作る
KPIを設定するだけでは、目標達成が困難になることがあるため、KPI達成のための体制や仕組みもしっかり整えましょう。
体制が整っていない場合、KPIを設定しても計画を進める人材がおらず、実行できない可能性もあります。

体制や仕組みの整え方としては、各部門ごとに責任を持つ管理者が、スタッフの進捗状況を確認し、必要なサポートを行うことが一般的です。
スタッフ全員がKPIに意識を向けるためには、責任者を設ける体制や、KPIの追跡システムを確立しましょう

【KPI設定のポイント④】定期的に確認する
KPIの進捗を確認するためには、責任者が主導して定期的なミーティングを開催することが効果的です。
期限が近づいて進捗の遅れが発覚すると、フォローのために多くの労力や時間がかかりますが、定期的なミーティングを実施していれば、早期に必要な対策を行うことが可能になります。
ミーティングでは定量的なチェックを行い、進捗が遅れている場合は対応策を考えてKPIを達成できるように調整しましょう。

KGIとKPI設定時のコツ

ここから、KGIとKPI設定時の3つのコツについて解説します。 

 定量で計測できる指標を設定する

 施策によって改善できるKPIを設定する
 KGIと結びついたKPIを設定する

定量で計測できる指標を設定する

KGIもKPIも、個人による認識のズレが起きない指標を設定することが大切です。定量的に計測できる指標にすることで、モニタリングが行いやすくなります。
職種や業種によっては数値化をするのが難しいケースもありますが、可能な限り数値に置き換えるようにしてください。

例えば、「ユーザーがより満足するアプリにしたい」といった目標の場合、「ユーザーの満足度 =アプリのレビュー評価平均点数」など、定量的に評価できる指標にすることで、効果検証が行いやすくなります。

施策によって改善できるKPIを設定する

定量的なKPIを設定しても、施策によって改善が可能でなければ意味がありません。KPIと施策が結びついていれば、施策による成果を定期的に検証できるため効果的です。
実行する施策とKPIはセットで考えるようにしましょう

KGIと結びついたKPIを設定する

KPIを達成していたとしても、KPIがKGIと結びついていなければ、ビジネスとして成功したとはいえません。
KPIの目標数値をクリアしていく先に、KGIの達成が叶うようにKPIを設計しましょう

例えば「売上」をKGIとするアプリの場合、いくらアプリの滞在時間が長くなっても、売上に反映されないのであれば、「滞在時間」というKPIは適切な指標でありません。

このような事態を避けるために有効なツールが「KPIツリー」です。
KGIを構成する要素をKPIツリーで段階的に分解することによって、効果的なKPIの洗い出しをすることができます。

KGIとKPIを達成するために大切なポイント

ここから、KPIとKGIを達成するために大切なポイントについてご紹介します。

現状と目標を可視化する

KPIとKGIを設定したら進捗や達成率を常に意識しておく必要があります
そのためにはKPIを共有するグループ内で、全体の現状を把握できるようにしておきましょう。
具体的には、以下のものが挙げられます。

 ・ホワイトボードや掲示板を用いて、達成率をリアルタイムで表示する
 ・ファイルの共有や自動レポートを使用して、どの指標をどれだけ数値改善できたのか把握する

達成のために必要な ToDo を明確にする

KPIとKGIを設定する際は、目標のために何をすべきなのかを明確にしておきましょう
例えば「月間の受注数を20%増やす」というKPIを設定したとして、手当たり次第に行動しているだけであれば、成果アップは期待できません。
「受注数を増やすために、1日の架電数を30件から40件に増やす」とToDoを明確にすることで、目標達成のための道が拓けます

KGIとKPIを活用している企業例

KGIとKPIは多くの企業で導入されています。ここでは、実際にKGIとKPIを活用している企業をご紹介します。

 株式会社アイデアプラス
 Amazon
 アスクル株式会社
 トヨタ自動車

株式会社アイデアプラス

弊社、株式会社アイデプラスが携わった長野ダイハツ様の事例を紹介します。
長野ダイハツ飯田店でのイベント成功を評価いただき、今回は新塩尻店のグランドオープンイベント実施をご相談いただきました
弊社は前回イベントでの改善点を踏まえた目標設計を始めとする実施準備から、イベント当日までを担当しました。
イベントを実施するにあたって、KGI達成のために以下のKPIを設定しました。

KGI
 ・長野ダイハツ販売新塩尻店のファンを作る

KPI
 ・イベント来場者数
 ・イベント来場者の方との接点創出
 ・来場者アンケートにおけるポジティブな回答の割合

このKPIを達成するためにイベント開催地の特徴も踏まえて、地元交流・地域交流にフォーカスした「祖父母・孫も含めた3世代で来てもらえる協力体験イベント」を基本方針に掲げて、主に以下の施策を実施しました。

 ・既存顧客に対してDMで告知、新規顧客獲得のため他のイベントや近隣のコンビニでチラシ配布やSNSで親世代へ向けた告知
 ・祖父母世代や孫も老若男女問わず一緒に楽しめる「バラエティ豊かなコンテンツ」
結果としては「来場者数」は惜しくも目標数に届きませんでしたが、前回イベント比で294%増加しました。
その他、「来場者アンケートにおけるポジティブな回答」は90%以上を達成するなど、「来場者数」以外のKPIは全て達成することができました。

「長時間滞在できる良いイベントになった」「飛び込み参加の新規のお客様もいてダイハツの認知拡大につながった」という声もいただき、打ち出した基本方針を通して目標達成のために弊社・長野ダイハツ様が一丸となってイベント成功のために取り組むことができました。

Amazon

Amazonは、KGIとKPIを効果的に活用することで、さまざまなビジネス目標の達成に成功しています。
その成功事例の一つが、顧客満足度の向上です。

Amazonは、顧客満足度をKGIとして設定して、その達成のために、以下のようなKPIを設定しています。

KGI
 ・顧客満足度


KPI
 ・商品の返品率
 ・カスタマーサービスの問い合わせ件数
 ・顧客のレビュー数
  
これらのKPIを定期的にモニタリングすることで、顧客満足度の状況を把握し、改善に必要な施策を講じています
その結果、Amazonの顧客満足度は、業界トップクラスを維持しています。

アスクル株式会社

アスクル株式会社は、1990年に設立された、オフィス用品や日用品などのインターネット通販事業を展開する企業です。
アスクル株式会社では、中期経営計画(2022年5月期~2025年5月期)で以下のようなKGIとKPIを設定しています。


KGI(重要目標指標)

 ・2025年5月期には連結で売上高5,500億円
 ・営業利益率5%
 ・株主資本利益率(ROE)20%を目指す


KPI(業績評価指標)

以下の4つの最重要戦略の実行状況と効果測定を行いました。

戦略業種と品揃え拡大
医療機関・介護施設や製造業などの新規顧客の獲得や、ロングテール商品の品揃え拡大により、売上増加や買い回り拡大を実現しています。

BtoB最強ECサイト構築
中小事業所向けと中堅大企業向けの両サイトの強みを結集した「新アスクルWebサイト」を構築し、企業規模や勤務場所・形態を問わず、便利に商品・サービスを提供しています。

Zホールディングスとのシナジー
LOHACO本店をヤフー株式会社のシステム基盤に移管したことにより、固定費の削減や黒字化を実現し、さらにZホールディングスとの連携で継続的な販促を実施して売上を拡大しています。

プラットフォームの改革
物流センターの出荷能力を最大化するために外部倉庫を活用したり、BtoBとBtoCの物流センターの共通化や在庫の共用化を進めたり、自社開発の配送管理システム「とらっくる」のオープン化を始めたりして、配送効率の向上やサービスレベルの向上を目指しています。

出典:アスクル株式会社「中期経営計画(2022年5月期~2025年5月期)」

トヨタ自動車

トヨタ自動車は、KPIを活用した経営を徹底することで、世界を代表する自動車メーカーに成長しました
その対象は、生産性や顧客満足度など多岐に渡りますが、特に今注目されているのが環境への配慮などの社会貢献に関するKPIです。

トヨタ自動車は2015年に「環境チャレンジ2050」を発表しました。
これは2050年までに、気候変動、水不足、資源枯渇、生物多様性の劣化といった地球環境の問題に対し、クルマの持つマイナス要因を限りなくゼロに近づけることを目指すものです。
この目標を達成するために、トヨタは以下のKPIとKGIを設定しています。


チャレンジ1 新車CO2ゼロチャレンジ
KGI: 2050年グローバル新車平均走行時CO2排出量を90%削減(2010年比)
KPI: ・2020年グローバル新車平均走行時CO2排出量を22%以上削減(2010年比)
  ・【燃料電池自動車(FCV)の販売】2020年頃以降、グローバルで年間3万台以上
  ・【燃料電池自動車(FCV)の販売】2020年頃以降、日本で少なくとも月に1,000台レベル、年間では1万数千台程度
  ・【ハイブリッド車(HV)の販売】2020年までに年間で150万台、累計で1500万台


チャレンジ2 ライフサイクルCO2ゼロチャレンジ
KGI: ライフサイクル視点で、材料・部品・モノづくりを含めたトータルでのCO2排出ゼロ
KPI: ・【材料・部品・モノづくりにおけるCO2排出量】2020年までに、2013年比で約3%削減
  ・【廃棄物のリサイクル率】2020年までに、2013年比で約2%向上


チャレンジ3 工場CO2ゼロチャレンジ
KGI: 2050年グローバル工場CO2排出ゼロ
KPI: 【新工場と新生産ラインでの生産1台あたりのCO2排出量】(2001年比)
  ・2020年に約半減、2030年に約1/3へ削減、再生可能エネルギーと水素の利用により2050年にCO2排出ゼロ


チャレンジ4 水環境インパクト最小化チャレンジ
KGI: 各国地域事情に応じた水使用量の最小化と排水の管理
KPI: ・【水使用量】2020年までに、2013年比で約3%削減
  ・【排水の水質】2020年までに、2013年比で約3%向上


チャレンジ5 循環型社会・システム構築チャレンジ
KGI: 日本で培った「適正処理」やリサイクルの技術・システムのグローバル展開
KPI: ・【日本でのリサイクル率】2020年までに、2013年比で約2%向上
  ・【海外でのリサイクル率】2020年までに、2013年比で約5%向上


チャレンジ6 人と自然が共生する未来づくりへのチャレンジ
KGI: 自然保全活動の充実
KPI: ・【トヨタグループの自然保全活動の参加者数】2020年までに、2013年比で約2倍に増やす
  ・【トヨタグループの自然保全活動の対象地域数】2020年までに、2013年比で約2倍に増やす


このトヨタ自動車の取り組みはまだ道半ばですが、2020年の中途報告では「新車平均走行時CO2排出量が2010年度比で約24%削減」「グローバル工場CO2排出量が2001年度比で約70%削減」など大きく前進しています。
これは、環境への取り組みにもKGIとKPIを活用できる好例となりました。

出典:トヨタ自動車「トヨタ環境チャレンジ2050」を発表
         「方針 サステナビリティ」

よくある質問

ここから、KPIとKGIのよくある質問について回答していきます。

 KPIとKGIの違いは何か?

 KPIとKGIはどちらが先か?
 KGIとKPIは何の略か?

KPIとKGIの違いは何か?

KGIはビジネスの最終目標を定量的に表したものです
例えば売上高の増加、顧客満足度の向上、新規顧客の獲得などが挙げられます。
KGIは企業が目指すゴールであり、達成するためにはKPIを設定する必要があります。

KPIはKGIを達成するために達成すべき具体的な目標です
例えば売上高の増加であれば、新規顧客の獲得数や既存顧客の単価アップなどが挙げられます。
KPIはKGIを達成するために具体的な指標として設定する必要があります。

KPIとKGIはどちらが先か?

KPIは目標達成に向けたプロセスを評価する指標であることから、前提としてKGIの設定が必要です。
そのため順番としては先にKGIを決めてからKPIを設定します

KGIとKPIは何の略か?

KGI(Key Goal Indicator)とは「重要目標達成指標」のことです。
KPI(Key Performance Indicator)は「重要業績評価指標」のことです。

まとめ

今回はKGIとKPIの違いや設定方法について解説しました。

KGIとKPIは、ビジネスの目標達成に欠かせない指標です。
KGIとKPIを適切に設定することで、評価基準が明確になりチームのモチベーションアップにつながります。
よって、PDCAを回しやすくなる効果もあります。

これらの効果は、ビジネスの成果や成長に直結します。
経営戦略を進めるためには、最終目標であるKGIと、目標達成のために定めるKPIを適切に設定することが重要です。
KGI、KPIともにSMARTを意識し、現実的で測定可能な目標を定めていきましょう。

弊社、株式会社アイデアプラスはお客様が抱える課題を考えクリエイティブの力で課題解決、一緒に目標達成まで伴走いたします。
お困りの際は、ぜひ株式会社アイデアプラスにお気軽にご相談ください。

Writer

執筆者

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関口秀仁 プロジェクトメイカー・ファシリテーター・キッズデザイン

関口 秀仁 プロジェクトメイカー・ファシリテーター・キッズデザイン

芸大卒業後、Honda mobilityland にてプロデューサーとして鈴鹿サーキット、ツインリンクもてぎなどテーマパーク開発を15年経て、アイデアプラスにて取締役CDO、グループ会社アイデアプラスSDの代表取締役CDOに就任。中小企業向けの新規事業開発、新規商品開発、組織開発などをデザイン思考とチームビルディングを活用、自分も楽しみながら熱量を持ち取り組んでいる。

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