メールマーケティングの運用は7ステップ!必要性と5つのメリットを解説
メールマーケティングは、顧客との関係を強化し、売上を向上させる効果的な手法です。しかし、メールマーケティングを成功させるには戦略的な運用が必要です。どのようにメールを作成して配信し、分析し、改善するのでしょうか? この記事では、メールマーケティングの運用を初心者でもわかりやすいように7ステップで簡単に解説します。
メールマーケティングとは、メールを活用して顧客とコミュニケーションを取るデジタルマーケティング手法です。 顧客の興味や関心に沿った情報を発信することで顧客との信頼関係を構築し、売上を拡大 することができます。多くの企業で利用される機会も多いメルマガもメールマーケティングの一つであり、その他にもステップメール、リターゲティングメール、メール広告など様々な手法が存在します。
メールマガジンとの違い
メールマーケティングとメルマガ配信の違いについて、戸惑っている方も多いのではないでしょうか。メールマーケティング は、メールを活用して顧客の行動変容を起こすことを目的としたマーケティング手法の総称です。具体的には、商品やサービスの販売促進、顧客満足度向上、ブランドイメージの向上など、さまざまな目的で実施されます。メールマガジン は、特定のテーマやトピックに焦点を当て、定期的に一斉配信される電子メールの形式を取った情報配信手段です。商品やサービスに関する最新情報や、お得なキャンペーン情報などを配信することが多く、ニュースレター、メールニュース、または簡単に「メルマガ」と呼ばれることもあります。メールマガジンは、メールマーケティングの施策の一つ として位置づけられます。メールマーケティングでは、メールマガジン配信のほかにも、開封率やクリック率を高めるための施策や、顧客の属性や状況に合わせたメール配信など、さまざまな手法が用いられます。
メールマーケティングがおすすめのビジネス
メールマーケティングは、コストを抑えながら、多数の顧客と接触できるため、多くの企業で活用されています。特にメールの受信者がPCでメールを確認する機会が多いBtoBビジネスでの効果が高い と言われています。BtoBビジネスでは、取引先の企業の担当者や決裁者との関係構築が重要です。そのため、メールは、情報提供やアポイントメントの確認、フォローアップなどに効果的なツールとなっています。 また、BtoBビジネスの担当者や決裁者は、仕事中にパソコンでメールをチェックすることが多く、メールマーケティングのクリック率を高めることができます。 SuperOffice社の調査(※1)によると、メールマガジンのクリック率は携帯やタブレットに比べてPCの方が非常に高いことがわかっています。 (※1) SuperOffice社 「THE SCIENCE BEHIND EMAIL CLICK THROUGH RATES (AND HOW TO INCREASE EMAIL CTR)」
近年、メールマーケティングはますます重要視されるようになっています。ここではその主な理由を4つ解説します。 1.ビジネスの現場ではメールが主流だから 2.メールマーケティングの市場は拡大しているから 3.顧客と定期的にコミュニケーションが取れるから 4.見込み顧客を抽出できるから
1.
ビジネスの現場ではメールが主流だから
メールマーケティングが重要視される理由は、ビジネスの現場でメールが主流であり、顧客にとってもっとも身近なメディアであるためです。
一般社団法人日本ビジネスメール協会が行った調査(※2)では以下のような結果が出ています。 ■仕事上のコミュニケーション手段について
・トップ3は「メール 」(98.35% )、「電話」(82.44%)、「テレビ会議・ウェブ会議」(75.52%) ■メールの送受信について
・仕事で利用している主な機器は「パソコン」(99.33%)
・1日平均は送信「15.24通」、受信「49.97通」 ■メールの確認・返信について
・仕事で1日に1回はメールを確認している人が99.14% このような状況で、メールを通じたアプローチは、広範な見込み顧客に対して効果的にコンテンツを届けることが可能となり、それが有益なマーケティング戦略となります。メールの普及度と利便性は、ターゲティングやパーソナライズなどの要素と組み合わさり、効果的な顧客へのアプローチを実現します。同時に、コスト効果が高く、データ分析を通じた改善も容易なため、多くの企業がメールマーケティングを積極的に活用しています。 (※2) 一般社団法人日本ビジネスメール協会「ビジネスメール実態調査2023」 より
2
メールマーケティングの市場は拡大しているから
2023年11月22日現在、世界のメールマーケティングソフトウェア市場規模は2021年に11億5,000万米ドルと評価されています。(※3)市場は2022年の12億6,000万米ドルから2029年までに27億6,000万米ドルに成長 すると予測されています。 この拡大の要因としては、AIの台頭が背景として挙げられます。AIはメールの配信や効果測定を自動化したり、顧客の行動を予測することができます。また、AIは顧客の属性や行動データに基づいてメールを配信する パーソナライズドマーケティングを可能にし、顧客の興味関心に合った情報を提供することで、開封率やクリック率の向上につながり、今後もメールマーケティングの需要は高まっていくと考えられます。 (※3) フォーチュン ビジネス インサイト 調査報告
3.
顧客と定期的にコミュニケーションが取れるから
BtoB企業の購買プロセスは、一般的にはBtoC企業と比べて長く複雑です。その理由は、購入決定に複数の役職や部門が関わるためです。製品の比較検討から始まり、担当者による商談を経て上層部への決定権が回り、契約書が作成され締結という流れを踏むことがほとんどです。この長い期間にメールなどで定期的にフォローをすることで、導入検討を前に進めることができます。 メールマーケティングは、営業担当が一人ひとり個別にコミュニケーションを取らなくても、顧客に自社の存在を忘れないような働きかけをすることができます 。また、有益な情報を顧客に提供し続けることで、見込み顧客の方からアクションを起こしてくれることも少なくありません。 メールマーケティングは、少ないリソースで多くの見込み顧客を定期的にフォローすることが可能です。そのため、BtoBマーケティングで積極的に利用されています。
4.
見込み顧客を抽出できるから
見込み度合いもわからないまま、やたらに営業を行っても有効な見込み顧客に当たるかどうかは運任せとなり、リソースに多くの無駄が出ます。また、見込みと思っていた顧客が、実は全く見込みではなかったという事も出てきます。 メールマーケティングを行う事で、自社サイトへの訪問や問合せ・資料請求の再実行など、メールを通じてアクションを起こしてくれる見込み顧客が増えます。自発的に動いてくれる見込み顧客は、興味や関心が高いと推測できるので近い将来の成約につながる可能性が高まります 。
メールマーケティングには多くのメリットがありますが、その中でも代表的な5つについて解説します。 1.低コストでスタートできる 2.誰でも簡単に始められる 3.外回りの営業をしなくてもよい 4.高い効果が見込める 5.効果測定しやすい
1.
低コストでスタートできる
メールマーケティングは、配信ツールや効果測定ツールの導入費用がかかる程度で、比較的低コストでスタートできるマーケティング手法です。また、配信内容は社内で内製化することも可能で、さらにコストを抑えることができます。工夫をすれば数千円から始めることも可能 です。
2.
誰でも簡単に始められる
メールマーケティングは、特別なスキルや知識がなくても、簡単に始められるマーケティング手法です。配信ツールやテンプレートが充実しているため、初心者でも手順に沿って作成すれば、すぐにメールマーケティングを始めることができます 。
3.
外回りの営業をしなくてもよい
メールマーケティングは、メールを配信するだけで、全国どこにいても、多くの顧客にアプローチすることができます。そのため、外回りの営業をしなくても、効率的に顧客開拓や販促活動を行うことができます 。
4.
高い効果が見込める
メールマーケティングでは、すでに受信者のメールアドレスを持っていることから、既に関心や信頼があることが前提となります。そのため、通常広告よりもメールの開封率やクリック率、購入する確率が高くなります。 また、ターゲットに合わせたコンテンツや配信頻度を設定することで、より高い効果を期待することができます。
5.
効果測定しやすい
開封率やクリック率、コンバージョン率などの指標を測定することで、効果を検証することができます。また、配信ツールや効果測定ツールを活用することで、より詳細な効果測定を行うことも可能です。配信システムでは、メールの開封率やクリック率などの指標を自動的に計測することができます 。 これらの指標は、メールマーケティングの効果やROI(Return On Investment:投資利益率)を評価するのに重要な要素です。
メールマーケティングにはあらかじめ注意するべきポイントがあります。
コンテンツ制作に人的コストがかかる
メールマーケティングにおいて、コンテンツは、メールマーケティングの効果を高めるために欠かせないものです。 しかし、ここにはいくつかの課題があります。まず、時間や人材、費用などのリソースが必要です。配信や効果測定は自動化ツールを活用して自動化できますが、コンテンツ制作はある程度は人の手を入れて作成する必要があります。 コンテンツの種類や量によっては、専門的な知識や技術が必要な場合もあります。また、コンテンツ制作には、計画や戦略が必要です。顧客のペルソナやライフサイクル、購買プロセスなどを分析し、どのようなコンテンツを、いつ、どこで、どのように配信するかを決める必要があります。さらに、コンテンツ制作には、品質や効果の管理が必要です。 送付内容のクオリティが低ければ、顧客の興味や満足度を失うだけでなく、購読解除やブロックなどのネガティブな行動を引き起こす可能性があります。そのため、コンテンツは、常に改善や更新を行う必要があります。コンテンツ制作は、単発的な作業ではなく継続的なプロセスです 。
中長期的に運用しなければならない
メールマーケティングの効果を最大限に引き出すためには、短期的に結果を求めるのではなく、中長期的な視点が不可欠です。中長期的に戦略を立てることで、リードや顧客の満足度やロイヤルティを高め、売上や利益に貢献することができます 。 その中でも特に注目すべきなのが「メールナーチャリング」です。メールナーチャリングとは、見込み客や顧客の興味関心や課題を把握し、タイムリーかつ適切なメールを送ることで、信頼関係を築き、購買意欲を高めるマーケティングの手法です。 一度に大量のメールを送るのではなく、一定の間隔をあけてメールを送ることで、読者の関心を持続させます。また、読者の行動や反応に応じて、メールの内容や頻度を変えることで、パーソナライズされたメールを提供します。その効果は、短期的には見えにくいかもしれませんが、中長期的には絶大な効果が期待できます。
ここでは、メールマーケティングで使われる代表的な手法を5つ紹介します。 1.メルマガ 2.ステップメール 3.ターゲティングメール(セグメントメール) 4.リターゲティングメール 5.休眠顧客発掘メール
1.
メルマガ
メルマガは、メールマーケティングの中でも最も代表的な手法です。 自社の顧客リストに対して、メールで定期的にコミュニケーションを取るメールマーケティング施策です。メルマガの目的は、顧客に自社の情報や価値を提供し、関係性を構築すること です。メルマガの内容は、新製品やサービスの紹介、イベントやキャンペーンの告知、業界のトレンドやニュース、お役立ち情報やノウハウなど、さまざまです
2.
ステップメール
ステップメールは、顧客が商品を購入した日や資料請求した日など、特定の日を起点に、あらかじめ用意しておいたメールを自動で配信する手法です。ステップメールの目的は、顧客の興味や関心を引き上げ、購入や成約に導くこと です。ステップメールの内容は、資料請求や会員登録などのアクションをきっかけに、製品やサービスのメリットや特徴、事例や口コミ、FAQやQ&Aなど、顧客の購買意欲を高める情報を提供します。
3.
ターゲティングメール(セグメントメール)
ターゲティングメール(セグメントメール)とは、顧客の属性や行動履歴などでセグメントを設定し、最適化したメールを配信する手法です。ターゲティングメールの目的は、顧客のニーズに合わせたコンテンツを提供し、製品やサービスを強く訴求すること です。ターゲティングメールの内容は、顧客の年齢や性別、地域や職業、購入履歴や閲覧履歴などに応じてパーソナライズされたメッセージやオファーを送ります。
4.
リターゲティングメール
リターゲティングメールとは、顧客がサイトを訪問したり、カートに商品を入れたりした後に、メールで再アプローチする手法です。リターゲティングメールの目的は、顧客の興味が高いタイミングでメールを送ることで、購入や成約の確率を高めること です。リターゲティングメールの内容は、顧客が見た商品やカテゴリーに関連する情報やオファーを送ります。
5.
休眠顧客発掘メール
休眠顧客発掘メールとは、一定期間アクションがない休眠顧客に対して、メールで再アプローチする手法です。休眠顧客発掘メールの目的は、休眠顧客を活性化させ、再購入や再成約につなげること です。休眠顧客発掘メールの内容は、以前とは異なる切り口の情報や特別なプロモーションを提供します。
メール配信ツールやマーケティングオートメーションツールを利用して、初心者の方でも配信までできる方法を7ステップで解説します。 STEP1:メール配信の目的を明確にする STEP2:ペルソナ設計する STEP3:配信リストを作る STEP4:メールの文面を作る STEP5:メールを配信する STEP6:効果測定する STEP7:改善して再配信する
STEP1
メール配信の目的を明確にする
メールマーケティングで成果を出すためには、目標設定が欠かせません。目標設定には「KGI」と「KPI」という2つの指標を用います。KGI (Key Goal Indicator)とは、「重要目標達成指標」と訳され、メールマーケティングで最終的に達成したい目標を数値化したものです。例えば、メールマーケティングのKGIとしては、「成約数」「商談数」「売上」などが挙げられます。KGIは、成約数や商談数であれば「○○件」、売上であれば「○○○円」といった、具体的で明確な数値で設定する必要があります。KPI (Key Performance Indicator)とは、「重要業績評価指標」と訳され、KGIを達成するために管理すべき中間目標を数値化したものです。例えば、メールマーケティングのKPIとしては、「配信数」「到達数」「開封数」「クリック数」などが挙げられます。KPIはKGIに至るまでのプロセスを測定する指標であり、KPIの改善がKGIの達成につながります。 KGIとKPIの設定方法としては、KGIから逆算してKPIを決めるのが一般的 です。まず、メールマーケティングで達成したいKGIを決めます。次に過去の配信実績や業界の平均値を参考にして、KGIを達成するために必要なKPIの目標値を計算します。また、KGIとKPIの関係を可視化するために、KPIツリーというロジックツリーを作成するのもおすすめです。
STEP2
ペルソナ設計する
メールマーケティングのKGIを達成するには、ただメールを送るだけでは不十分です。顧客のニーズや行動パターンを把握し、適切なタイミングや内容でメールを送ることが重要 です。そのためには、ペルソナ設計が必要になります。 ペルソナ設計とは、マーケティング戦略を立案するために作られる「架空の顧客像」のことです。ペルソナ設計では、自社の商品やサービスを求めている人を具体的に想定し、氏名、性別、役職、趣味などの詳細なプロフィールまで設定した顧客像を作り上げます。ペルソナ設計は、市場調査や顧客インタビュー、データ分析などを通じて信頼性の高い情報に基づいて行います。 ペルソナを設定すると、自社の商品やサービスに興味・関心を持つ顧客の具体的な姿が見えてきます。そのため、KGI達成に必要なターゲット層へのアプローチ方法やプロモーション施策が明確になります。
STEP3
配信リストを作る
ペルソナ設計が完了したら、次のステップは配信リストの作成です。配信リストとは、メールマーケティングの対象となる顧客のメールアドレスを集めたリストのことです。配信リストを作成するには、自社に存在する顧客情報を一元管理する必要があります 。 顧客情報は、営業担当が交換した名刺、展示会・セミナーで入手した名刺、メルマガに登録している会員など、様々な場所に分散していますので、事前にこれらを一か所に集約しましょう。集約した顧客情報からペルソナと照らし合わせて、ターゲットとなる顧客を絞り込みます。このようにして作成した配信リストは、メールマーケティングの効果を高めるために非常に重要です。
STEP4
メールの文面を作る
メールマーケティングで効果を上げるためには、メールの文面の内容が重要です。メールの文面は、読み手の興味やニーズに応える内容であるとともに、読みやすく、分かりやすく、行動を促すような工夫が必要です。 「どのような内容のメールを配信すれば興味をもってもらえるか」ということを考えながら、事前に設定したメールの目的、ペルソナを意識したテーマを決めることが大切 です。
STEP5
メールを配信する
メールが完成したら次は配信です。配信にはメールマーケティングツールを活用するのが便利です。メール配信のさまざまな作業を自動化してくれるため、手作業で行うよりも効率的にメール配信を行うことができます。また、開封率やクリック率などの分析機能も備えているため、効果的なメール配信をするための指針を得ることができます。メールマーケティングツールには、さまざまな種類があります。あらかじめ、機能や価格など自社のニーズに合ったツールを選ぶことが大切 です。
STEP6
効果測定する
メールを配信した後は、あらかじめ設定したKPIがどの程度達成しているかを検証しなければいけません 。 メールマーケティングの効果測定には、主に「開封率」と「クリック率」という2つの指標が重視されます。 開封率とは、メールが配信された数に対して、メールが開かれた数の割合です。開封率が高いということは、メールのタイトルや配信者が読者の興味を引いたということです。一般的には、開封率が15%を超えていれば良いとされています。開封率が低かった場合は、メールのタイトルや配信者の情報を見直します。メールのタイトルは、読者にとって興味深く、価値のあるものにする必要があります。また、配信者の情報は、読者にとって信頼できるものにする必要があります。 クリック率とは、メールが開かれた数に対して、メール内のリンクがクリックされた数の割合です。クリック率が高いということは、メールの内容が読者にとって魅力的で、次のアクションを起こさせたということです。クリック率は業種や目的によって異なりますが、平均は約3%と言われています。クリック率が低かった場合は、読者にとって有益で、次のアクションを起こしやすい内容に見直す必要があります。また、リンクの配置は、読者にとって分かりやすく、クリックしやすいものにする必要があります。 その他、有効配信率、読了率、CV率なども良く使われます。
STEP7
改善して再配信する
メールマーケティングの効果測定と改善を行ったら、再配信を行います。その際にはA/Bテストを行う事をおすすめします 。A/Bテストとは、異なるバージョンのメールをランダムに分けて配信し、どちらがより高い効果を出したかを比較する方法です。A/Bテストを行うことで、メールマーケティングの最適化を進めることができます。メールマーケティングがA/Bテストを自動化してくれる機能を持っている場合がありますので積極的に利用しましょう。
メールマーケティングを成功させるためには、適切なツールの導入が欠かせません。ここでは代表的なツールをご紹介します。
メール配信ツール
メール配信ツールは、メールの作成、一斉配信、効果測定などを一元管理 できるツールです。メールの作成には、テンプレートやデザインエディターが用意されているので、初心者でも簡単に作成することができます。ただし、メールの内容やタイミングを自分で設定する必要があります。
マーケティングオートメーション
マーケティングオートメーションツールは、メール配信ツールに加えて、見込み客のWebサイトの行動履歴や属性情報を収集・分析し、自動的に最適なメールを送信する機能を提供するツール です。マーケティングオートメーションツールは、メールマーケティングだけでなく、広告やセミナーなどのマーケティング活動全体を効率化することができます。
ここではメールマーケティングを成功させるために注意すべきポイントを解説します。 メールマーケティングを実施する目的を意識する 「ユーザーにどうしてほしいのか」を明確にする 親しみやすいコンテンツを意識する
メールマーケティングを実施する目的を意識する
メールマーケティングはただメールを送るだけでは、効果は期待できません。成功するには何のために、誰に、何を送るのかを明確にすることが大切です。 まず、目的を決めましょう。目的は企業の目標に合わせて設定します。例えば新規顧客の獲得、セミナーの集客、ブランディング、売上アップなどがあります。目的によってメールの送るタイミングや頻度、評価指標などが変わります。 次にメールの受け手となる対象を選定しましょう。対象には会員登録者、見込み客、既存顧客などがあります。対象によって、メールの内容やトーン、コールトゥアクションなどが変わります。対象のニーズや関心を把握し、企業の商品やサービスに興味を持たせることが重要です。 最後に、メールの内容を対象に合わせカスタマイズし、最適化しましょう。キャンペーン情報、クーポン情報、商品情報、お役立ち情報など、対象に価値やメリットを伝えてアクションを促すことが重要です。メールマーケティングは、目的・対象・内容を明確にすることで、効果を発揮します 。戦略的に行い企業の成果につなげましょう。
「ユーザーにどうしてほしいのか」を明確にする
先でも述べたように、メールマーケティングは単にメールを送り届けること自体が目的ではありません。仮に1万人にメールを届けることができても、ユーザーが何もアクションを起こさなければ企業は利益を得られません。 マーケティングの本質はユーザーの「意識変容」です。ユーザーの意識変容とは、ユーザーの購買心理を変化させること です。例えば、サービス自体に興味を持っているが、今すぐの導入を考えていないユーザーの場合、メールを読んだことでサービスの魅力に気付き、すぐに導入を検討するようになると、そのユーザーの意識変容を促すことができたことになります。 メールマーケティングは、継続的に行う必要があるため、コンテンツの作成や配信作業は、大変な労力を要します。そのため、ユーザーを意識変容させるという本質を忘れ、メールを送ること自体が目的になってしまうケースも少なくありません。 メールマーケティングを成功させるためには、ユーザーの意識変容を促すために、どのようなコンテンツを配信し、どのようなアクションを起こして欲しいのかを明確にすることが重要です。
親しみやすいコンテンツを意識する
メールマーケティングをある程度自動化することは、時間や労力を節約するだけでなく、一貫性や正確性を高めることにもつながります。しかし、自動化に頼りすぎるとメールが無機的で硬い文章になってしまい、顧客の興味や感情に訴えかけることができなくなってしまう可能性があります。 自動化しているメールでも、時節や入れるなど、人間らしさを感じられる文章を心がけ、顧客との信頼関係を築きましょう 。
メールマーケティングの成功には効果測定と改善は欠かせません。ここではよく利用される5つのKPI指標について表にまとめました。
指標
概要
計算式
改善策
有効配信率
送信したメールのうち、無事配信されたメールの割合
有効送信メール数 / 配信対象者数
配信リストの精度向上、メールサーバーの設定確認
開封率
メールがユーザーに届き、開封された割合
開封したメール数 / 到達したメール数
メールのタイトル、送信タイミングの改善
クリック率
メールの本文中のURLのリンクをクリックした割合
メール本文中のURLリンクのクリック数 / 開封したメール数
リンクの文言、デザインの改善
読了率
メール本文からクリックされたURLのコンテンツが読まれた割合
クリック先のコンテンツの読了数 / メール本文中のURLリンクのクリック数
メールのコンテンツの改善
CV(コンバージョン)率
メールをきっかけに達成した目標の割合
達成した目標数 / 配信メール数
目標の明確化、メールのターゲット設定の改善
メールマーケティングの成果指標を活用することで、メールマーケティングの効果を客観的に評価し、改善点を検討することができます。
ここでは、実際のメールマーケティングの取り組み成功事例をご紹介します。
株式会社アイデアプラスでのケース
弊社アイデアプラスが携わったインフラ系事業会社(B社)の例を紹介します。 B社は顧客に対して、どのような施策を行う事が最適か悩まれて弊社に相談をいただきました。 そこで、弊社はB社の事業の強みや特徴、エンドユーザーの年齢などの属性の整理をしてペルソナの設計を行いました。 そこからB社の強みや特徴、弊社のリソースを活かせるメールマガジンの配信を週に3日実施。 メールマガジンでは商材の強み・訴求ポイントを整理し、ユーザーの反応を見ながら改善まで行いました。B社に常駐しながら1日1回報告の場を設けることで、スピード感の高い進捗共有と方向性修正をしながらPDCAを回しております。
目的と文面の見直しで成果が3倍以上にアップしたケース
行政向けサービスの比較サイトを官庁や地方公共団体に提供しているA社は、メールマーケティングを行うためにマーケティングオートメーションツールを使っていました。ところが、施策の目標やKPIがはっきりしておらず、メーリングリストに対して無差別にメールを送り続けるという状況でした。 そこで、成果が上がらないという状況を踏まえ、メールマーケティング施策の見直しから始めました。 A社のビジネスモデルは、行政サービスの資料をダウンロードしてもらうごとに収入が得られるというものでした。そのため、メールマーケティングの目標を、リストからの資料ダウンロードに絞り込みました。 これまでは、メールの内容を担当者が独断で「役に立つだろう」と思う情報に基づいて作成していましたが、資料ダウンロードを目標達成とし、メールの構成を資料ダウンロードを促す形に変更しました。 このメールマーケティングの目標の設定と内容の変更だけで、同じリストに配信した結果、資料ダウンロード数が以前の3倍以上に増えました。 また、今後も効果の検証を継続するために、MAツールを活用してA/Bテストができるようにしました。 メールマーケティングは「たかがメール」と軽視されがちですが、目標とKPIを明確にして適切なメッセージを伝えることができれば、メールだけでもしっかりと事業に貢献できることが証明されたケースと言えます。
お友達紹介特典をつけて登録者数が急増したケース
enish様はソーシャルアプリ・ゲームの企業であり、ブラストメールを利用してお客様とコミュニケーションをとっています。ブラストメールとは、一斉に大量のメールを送ることができる、効果的なメール配信サービスの一つです。
enish様は、新作ゲームの特典の案内などを登録されたお客様へ送っています。登録者の方がお友達を紹介することで、さらに特典が得られる仕組みにしたところ、登録者数が2ヵ月で10万人を超えるという成果を上げました。enish様はメール配信の効果を高く評価しており、SNSよりもメールの方が反応が良いと述べています。メール配信は遅延なく確実に届くという特徴があるため、お客様の信頼を得やすいと考えられます。
(出典:株式会社ラクスライトクラウド「紹介特典×『ブラストメール(※)』で登録者10万人突破! SNS?いいえ、メール配信の方が断然反応が良いです!」 )
ここではメールマーケティングについてよくある質問をまとめました。 メールマーケティングとメルマガの違いは何か? メールマーケティングの業務内容は? メールマーケティングの流れを知りたい
メールマーケティングとメルマガの違いは何か?
メールマーケティングは、メールを通じて顧客の行動を誘導することを狙った広告手法の総称です。これには、顧客のニーズや興味に沿ったターゲティングやセグメンテーションが含まれ、効果的なメール配信が行われます。メールマーケティングの目標は、商品やサービスの売り込み、顧客満足度の向上、ブランドイメージの向上などがあります。 メールマガジンは、特定のテーマやトピックに注目し、定期的に一斉に送信される電子メールの形式をとる情報提供手段です。通常、新しい商品情報やお得なキャンペーン情報が配信され、ニュースレターやメールニュースとも呼ばれます。メールマガジンの主な目的は、顧客とのコミュニケーションを継続し、関係性を強化することです。メールマガジンは、メールマーケティングの一環 と見なされますが、メールマーケティングにはメールマガジン以外にも、開封率やクリック率向上のための施策や、顧客に合わせたパーソナライズドメールなどが含まれます。それぞれ異なる特徴や目的を持つ手法が使われています。
メールマーケティングの業務内容は?
メールマーケティングは、顧客との関係性を強化するための効果的な手法です。メールを通じて、顧客のニーズや課題に応える有益な情報を提供することで、顧客の満足度やロイヤリティを高めることができます。また、メールは、顧客の行動や属性に応じてカスタマイズやセグメンテーションが可能なため、パーソナライズされたコミュニケーションを実現することができます。メールマーケティングには、以下のような手法があります。メールマガジン : 定期的にメールを配信することで、顧客にブランドや商品の情報を提供し、関心を持続させる手法です。ステップメール : 顧客の登録や購入などの行動に応じて、自動的にメールを配信することで、顧客の次の行動を促す手法です。リターゲティングメール : 顧客がサイトを訪問したり、カートに商品を入れたりした後に、メールでリマインドやおすすめ商品を送ることで、再訪や購入につなげる手法です。メール広告: 他社のメールマガジンに広告を掲載することで、新規顧客の獲得や認知度の向上を図る手法です。
メールマーケティングの流れを知りたい
メールマーケティング初心者の方でも運用できる流れは以下の通りです。 STEP1:メール配信の目的を明確にする メール配信の目的を明確にしないと、何のためにメールを配信しているのか分からず、効果的な配信ができません。目的を明確にするためには、KPI(Key Performance Indicator)とKGI(Key Goal Indicator)を設計します。KPIは、メール配信によって達成したい具体的な目標です。KGIは、KPIを達成することで実現したい最終的な目標です。STEP2:ペルソナ設計する ペルソナとは、自社の商品やサービスを求めている人を具体的に想定した顧客像です。ペルソナを設計することで、ターゲット層を明確にし、より効果的なメールを配信することができます。ペルソナを設計する際には、氏名、性別、年齢、役職、趣味などの詳細なプロフィールまで設定しましょう。STEP3:配信リストを作る メールを配信する相手を決めるために、配信リストを作ります。配信リストには、自社に存在する顧客情報を取りまとめて、メールアドレスを一元管理できる体制を整えましょう。STEP4:メールの文面を作る メールの文面は、ターゲット層に興味を持ってもらえる内容を意識して作成しましょう。具体的には、以下のポイントを押さえると効果的です。 ・ターゲット層の興味を引くキャッチコピーを入れる ・ターゲット層の悩みや課題を解決できる内容にする ・簡潔でわかりやすい文章にする ・行動を促すCTA(Call to Action)を入れるSTEP5:メールを配信する メール配信ツールを利用する場合は、配信するメールの件名や本文、配信日時などを設定しましょう。STEP6:効果測定する メールを配信した後は、効果測定を行いましょう。効果測定を行うことで、どのような内容のメールが効果的だったのかを分析することができます。効果測定には、以下の方法が有効です。 ・開封率やクリック率などの配信解析 ・お問い合わせや注文数などの成果指標の分析STEP7:改善して再配信する 効果測定の結果をもとに、メールの内容や配信方法を改善して、再配信を行いましょう。また、A/Bテストを行って、どちらの配信が効果的だったかを検証するのも有効です。
メールマーケティングは、低コストで始めやすく、顧客の属性や行動に合わせたアプローチができます。特にBtoBビジネスにおいて有効な手法です。また、効果測定がしやすく改善のサイクルを回しやすいことも強みです。リードナーチャリングという戦略を用いて、見込顧客の興味や関心、信頼を高めていくことも可能です。 メールマーケティングを成功させるには、配信リストの分類、配信内容の企画、配信時期の設計というポイントに注意する必要がありますが、SNSなどの新しいコミュニケーションツールにも負けない、今も効果的なマーケティング手法です。メールマーケティングに取り組む際には、この記事で紹介した基礎知識や種類、メリットを参考にしてみてください。 弊社、株式会社アイデアプラスはお客様が抱える課題を考えクリエイティブの力で課題解決、一緒に目標達成まで伴走致します。 お困りの際は、ぜひ株式会社アイデアプラスにお気軽にご相談ください。
森 敬祐
ディレクター
大学院時代に学生起業として組織を設立。中小企業から大手の中で新事業開発や商品開発の企画を実施。
アイデアプラスでは販促戦略やデジタルマーケティング、ブランディングや新商品開発を行う。
好きなものは、お酒・ゴルフ・麻雀・フットサル・ドラゴンズなど。