【初心者向け】UGCの定義・必要性と上手に活用するためのコツを紹介します - アイデアコンパス

【初心者向け】UGCの定義・必要性と上手に活用するためのコツを紹介します【初心者向け】UGCの定義・必要性と上手に活用するためのコツを紹介します
2023年11月29日

【初心者向け】UGCの定義・必要性と上手に活用するためのコツを紹介します

本記事の著者
森 敬祐 ( ディレクター )
森敬祐 (ディレクター)
UGCの活用で
お困りの際は是非ご相談を!
【初心者向け】UGCの定義・必要性と上手に活用するためのコツを紹介します
インターネットの発展に伴って、消費者は単に情報を受け取るだけでなく、自ら情報を発信することが増えてきました。その中で生まれたのが消費者によって発信されるコンテンツ、ユーザー生成コンテンツ(UGC:User Generated Content)です。
この記事ではUGCについて初心者でもわかりやすいように説明します。

UGCとは

UGC(User Generated Content)は、「ユーザー生成コンテンツ」の略語で、オンラインプラットフォームやソーシャルメディアなどでユーザー自身が生成し、共有するコンテンツを指します。これらのコンテンツは、テキスト、画像、動画、レビュー、コメント、電子掲示板、イラスト投稿、ブログ記事、フォーラムの投稿など、さまざまな形式で現れることがあります。

CGM・IGCとの違い

UGC、CGM(Consumer Generated Media)、IGC(Influencer Generated Content)は、いずれもネットコンテンツの種類を表す言葉ですが、それぞれに異なる特徴があります。

UGC(User Generated Content)は、ユーザーが自発的に作成したコンテンツのことです。
レビューや口コミ、ブログ記事、SNSの投稿などが代表的な例です。UGCは、ユーザーの生の声や体験が反映されているため、広告やPRよりも信頼性が高いとされています。

CGM(Consumer Generated Media)は、UGCを生成するためのメディアのことです。
クックパッドや食べログ、Yahoo!知恵袋、Twitter、Instagramなど、ユーザーが自由にコンテンツを投稿できるメディアがCGMに該当します。

IGC(Influencer Generated Content)は、インフルエンサーが作成したコンテンツのことです。
インフルエンサーは、ブログやSNSなどで多くのフォロワーを抱えている人物を指します。IGCは、インフルエンサーの信頼や影響力を活用したマーケティング手法として注目されています。
生成者 目的 代表的な例
UGC 一般ユーザー ユーザー体験や意見の共有 レビュー、口コミ、ブログ記事、SNSの投稿
CGM 一般ユーザー ユーザーの自由なコンテンツ投稿 クックパッド、食べログ、Yahoo!知恵袋、Twitter、Instagramなどのメディア
IGC インフルエンサー 商品やサービスのPRやマーケティング インフルエンサーのSNS投稿、ブログ記事、動画など

UGCが生まれやすい商材・生まれにくい商材

UGCは商材によって生まれやすいもの、生まれにくいものがあります。UGCはブランドの価値を高める重要な要素ですが、商材によってはUGCを発生させることが難しい場合もあります。その場合は商材の特性を理解してユーザーのニーズやモチベーションを分析し、適切なUGCの促進策を考えることが必要です。
それでは自社の製品やサービスがどちらに当てはまるのかチェックしていきましょう。

UGCが生まれやすい商材
UGCが生まれやすいのは以下のように他者とのコミュニケーションのきっかけになる商材です。

 ・ユーザーが自分の個性や感性を表現できる商材
 ・ユーザーが自分の体験や感動を共有したいと思う商材
 ・ユーザーが自分の知識やスキルをアピールできる商材

以下のような特徴を持つ商材であると、UGCが生まれやすいと言えます。

  ・写真や動画を撮りやすいもの
  ・使用感や効果がわかりやすく伝えやすいもの
  ・体験や感動を共有しやすいもの
  ・個性やこだわりを発揮しやすいもの

具体的には、以下のようなものが挙げられます。

  ・ファッションや美容、グルメなどの商品やサービス
  ・旅行やレジャーなどの体験
  ・芸術やスポーツなどの文化・エンターテインメント
  ・ゲームやアプリなどのデジタルコンテンツ

UGCが生まれにくい商材
UGCが生まれにくい商材とは、以下のように他者とつながりを生み出しにくい要素を持っていると言えます。

 ・ユーザーが自分の個性や感性を表現できない商材
 ・ユーザーが自分の体験や感動を共有したくないと思う商材
 ・ユーザーが自分の知識やスキルをアピールできない商材

以下のような特徴を持つ商材が挙げられます。

  ・コモディティ化されているもの
  ・高価で購入個数が少ないもの
  ・リスク性が高いもの
  ・ニッチ性が高いもの
  ・ネガティブ性が高いもの

具体的には、以下のようなものが挙げられます。

  ・乾電池・ゴミ袋・住宅設備などの日用品
  ・ダイエット食品・育毛剤・整形などのコンプレックス商材
  ・高級車・高級時計・高級ブランド品など
  ・医療や保険、金融や法律など

マーケティングでUGCが重視される3つの理由

近年、マーケティングにおいてUGCが重視される傾向にあります。UGCがマーケティングで重視される理由は、大きく分けて3つあります。
 1. 広告への嫌悪感が高まっているから
 2. UGCの信頼度が高まっているから
 3. クリエイティブ制作にも活用できるから

それぞれ解説いたします。

1. 広告への嫌悪感が高まっているから

近年、インターネットやSNSの爆発的な普及により、消費者はさまざまな情報に触れる機会が増えています。その結果、自分の興味やニーズに関係ない広告にさらされることに飽きています。邪魔になったり、不快を感じたり、広告が信頼できないと思われることが多くなりました。広告ブロッカーの使用が広まり、テレビ広告やバナー広告への注意が低下しています。
そのような背景の中、UGCは消費者が自発的に作成して共有していくコンテンツなので、広告とは違って誠実で信頼できると感じられています。UGCは消費者の関心や感情に訴えることができるので、従来の広告よりも効果的なマーケティング手法と言えるでしょう。

2. UGCの信頼度が高まっているから

アライドアーキテクツが実施した「2022 UGCに関する意識調査」によると、「商品やサービスを購入する際に、生活者のクチコミやレビューを信頼しますか?」との問いに対し、全体で64.6%の方が「信頼する」と回答しました。
UGCは商品やサービスの品質や価値について、第三者の視点から客観的な情報を提供します。
消費者は他の消費者の意見や経験に基づいたUGCに強く影響を受けるので、口コミやレビューなどの形で、購買意欲や決断を促進することができます。また、ブランドや企業の信頼性や認知度も高められます。

3. クリエイティブ制作にも活用できるから

マーケティングチャネルの多様化に伴って企業は多様なターゲット層に効果的に訴求するために、さまざまなクリエイティブを用意する必要に迫られています。しかし、クリエイティブの制作には時間とコストがかかるため、企業の負担は増大しています。
このような課題を解決する有効な手段として、UGCの活用が挙げられます。UGCは企業ではなく生活者自身が制作したコンテンツであり、商品の魅力をよりリアルに伝えられるという特徴があります。また、UGCの活用でクリエイティブの制作コストを削減し、運用の迅速化や投稿頻度の向上を図ることが可能です。
さらに、UGCには企業のマーケティング担当者では気づきにくい、商品の新たな魅力や訴求ポイントが詰まっている可能性があります。生活者の視点から見た商品の魅力をUGCにすることで、新たなユーザーの獲得につながる可能性が高まります

UGCをマーケティングに取り入れる4つのメリット

UGCをマーケティングに取り入れるメリットは、大きく分けて以下の4つが挙げられます。
 顧客の購買意欲が高まる
 親近感・信頼感を演出できる
 クリエイティブの量と質を保てる
 商品開発や施策改善のヒントを得られる

それぞれ解説していきましょう。

1. 顧客の購買意欲が高まる

商品の購入意思決定において、UGCはインフルエンサーコンテンツよりも9.8倍も影響力があるとの調査結果(※1)が出ています。これはUGCがよりリアルで信頼できる情報として捉えられていることを示しています。
SNSなどで実際に商品を使用した消費者のレビューやクチコミを見ることで、商品のメリットやデメリットを具体的に知ることができます。また、他の消費者の使用感や感想を知ることで、自分にも使いこなせるかどうかイメージしやすくなります。そのため、商品の購入を検討している消費者にとって、UGCは重要な情報源となっているのです。

(※1)「Stackla Survey Reveals Disconnect Between the Content Consumers Want & What Marketers Deliver」 Nosto社の記事より

2. 親近感・信頼感を演出できる

UGCは同じ消費者の立場から発信されたコンテンツであるため、企業の広告に対して抱く心理的な距離感を縮められます。消費者にとって身近な存在なので、自分に関係があるものとして捉えやすくなります。例えば、ファッションやコスメなどの商品は、プロのモデルやタレントが使用している写真よりも一般ユーザーが使用している写真の方が押しつけ感がなく使用イメージをよりリアルに感じやすくなります。UGCをマーケティングに取り入れることで、消費者に対して親近感や信頼感を演出することができます。

3. クリエイティブの量と質を保てる

UGCをマーケティングに取り入れることで、自社の制作リソースやコストを抑えつつ、大量のクリエイティブを手に入れることができます。また、消費者の目線で作られたコンテンツであるため、SNSなどのメディアになじみやすく、効果的なクリエイティブとなります。すでに作成されたUGCも、消費者のニーズやトレンドに合わせて更新されるため、クリエイティブの質を保つことができます。

4. 商品開発や施策改善のヒントを得られる

UGCには、生活者の声や感想が反映されており、生活者が何に価値を感じているのか、実生活において商品をどう使っているのかなどの、生活者心理や行動を知ることができます。これらの情報は、商品やサービスの改善点や新しいアイデアを見つけるための貴重な資料となります。例えば、UGCによって生活者が商品に対して抱く期待や不満、商品の使い方や組み合わせ方などを知ることができます。これらの情報をもとに、商品の機能やデザイン、価格やプロモーションなどを改善したり、新しい商品やサービスを開発できるようになります。

UGCの主な活用方法

ここではUGCをどのように活用したらよいのかをご紹介します。
 LPやECサイトに掲載する
 広告クリエイティブに取り入れる
 CRMの素材として活用する
 SNSの投稿素材に取り入れる

LPやECサイトに掲載する

UGCをLPやECサイトに掲載することで、商品やサービスの魅力をユーザーの声で伝えることができます。これにより、サイト訪問者の信頼感や購買意欲を高め、コンバージョン数増加やEC売上アップといった効果が期待できます。
実際にどのような場所に掲載すればよいのかご紹介します。

TOPページ
TOPページは、サイトの訪問者が最初に目にするページです。そのため、商品やサービスの魅力をアピールし、ユーザーの興味を引きつけるのに適しています。UGCを掲載することで、商品やサービスのリアルな使用感や効果をユーザーに伝えることができ、信頼感や安心感を醸成することができます

カテゴリーページ
カテゴリーページは商品やサービスをカテゴリーごとに分類して表示するページです。そのため、ユーザーが興味のある商品やサービスを探す際によく訪れます。UGCで商品やサービスの魅力をより具体的に伝えることができ、ユーザーの購買意欲を高めることができます

商品詳細ページ
商品詳細ページは商品の詳細情報を表示するページです。そのため、ユーザーが商品の購入を検討する際によく訪れます。UGCを掲載することで、商品の魅力をより説得力を持って伝えることができ、購入を促進できます

新規顧客獲得LP
新規顧客獲得LPは新規顧客に商品やサービスを知ってもらうためのランディングページです。そのため、UGCによって商品やサービスの魅力を効果的に伝えることで、新規顧客の獲得を促進できます

定期購入への引き上げLP
定期購入への引き上げLPは、既存顧客に定期購入を促すためのランディングページです。そのため、UGCで定期購入のメリットや効果を効果的に伝え、既存顧客のLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)向上を促進できます。

広告クリエイティブに取り入れる

UGCを広告クリエイティブに取り入れることで、SNSのフィードに馴染む自然な広告を作ることができます。これにより、「この広告は自分に関係していそう」といった共感を得ることができ、広告への抵抗感を減らし、クリック率やコンバージョン率を向上させる効果が期待できます。
また、実際のユーザーの声を強調することで、商品やサービスの魅力が伝わりやすくなります。

CRMの素材として活用する

UGCを活用することで、長く商品を愛用しているお客様の声を他のお客様にも届けることができ、リピート購入や追加購入を促進しやすくなります。UGCをCRMの素材として活用することで、顧客とのコミュニケーションをより効果的に行えます

SNSの投稿素材に取り入れる

企業が自社でコンテンツを作成する場合、ネタ切れや制作コストの問題に直面することがあります。ですが、UGCを活用することでこうした問題を解決できます。

UGC活用を成功させるコツ

UGC活用のメリットや活用方法がわかったところで、実際にどのように進めれば良いのか具体的な流れについてご紹介します。

目的に合ったUGCを収集する

キャンペーンを通じてUGCを収集する際は、まず「何のためにUGCを集めるのか」を明確にすることが大切です
例えば、商品の認知拡大を目指す場合はインパクトのあるUGCを収集すると良いでしょう。また、購入促進を目的とする場合は、商品の価値や使用感を伝えられるUGCが効果的です。
目的が明確になっていないと、UGCから何を分析すべきかが分からず作業効率が低下します。
UGCを活用して成果を出すためには、目的や訴求点を明確にしておくことが重要です。

UGCを活用・効果検証する

収集したUGCは様々な方法で活用できます。

Webサイト・Webページへの掲載
UGCをWebサイトやWebページに掲載することで、商品やサービスの魅力をユーザー目線で伝えられます。またサイトの信頼性やユーザーの満足度を向上できます。

公式SNSでのリポスト
公式SNSでUGCをリポストすることで、ユーザーの声を積極的に伝えられます。また、ユーザーとのコミュニケーションを活性化できます。

広告クリエイティブ
UGCを広告クリエイティブに活用することで、ユーザーの共感が呼びやすくなるので、広告効果を高められます。また広告の信頼性や説得力を高めることができます。

チラシへの掲載
チラシにUGCを掲載することで、商品やサービスの魅力をリアルに伝えられます。また、商品の認知度や購買意欲を高めることができます。

商品開発・サービスの改善
UGCでユーザーのニーズや課題を把握し、商品開発やサービスの改善に活用することで、ユーザー満足度の高い商品やサービスの提供が可能になります

また、UGCを単に収集して自社サイトや広告に掲載するだけでは、本来の価値を十分に発揮できません。運用型広告やLPと同様に、UGCも流入ユーザーの属性毎、活用するチャネル毎などに細分化し、より緻密にPDCAを回し続けながら運用することで、大きな成果に繋がります。

ユーザーにUGCの生成を促す3つの方法

UGCがマーケティングで重要だと感じていても、なかなかユーザ-が生成してくれないとお悩みの企業も多いと思います。ユーザーにUGCの生成を促すためには、どのような方法があるのでしょうか。
ここでは、3つの方法をご紹介します。
 1. 日頃からユーザーとコミュニケーションをとる
 2. SNSでキャンペーンを実施する
 3. インフルエンサーにPRを依頼する

1. 日頃からユーザーとコミュニケーションをとる

顧客との接触を通じて、UGCを生み出すチャンスを増やしましょう。
店舗での対面サービス、通信販売での配送時の包装や同封品、メルマガ、公式SNSアカウントでのやりとりなど、どの場面でもファンやリピーターに良い印象を与えることが大切です。さらに、UGCがソーシャルメディアに投稿されることを促すために、以下のような工夫をすると良いでしょう。

 ・店頭にオリジナルハッシュタグを掲示する
 ・店内に写真スポットを作る
 ・同封品やメルマガで投稿を呼びかける
 ・特定のハッシュタグでのユーザー投稿を公式SNSアカウントでシェアする

2. SNSでキャンペーンを実施する

ソーシャルメディア上でハッシュタグキャンペーンを実施する方法も有効です。キャンペーンの内容はユーザーの興味を引くように工夫する必要があり、インセンティブやツールの準備に費用がかかりますが、短期間で多くのUGCを生成することができます
具体的には、次の点に注意してキャンペーンを実施するとよいでしょう。

 ・ターゲットユーザーの興味や関心に合ったキャンペーンテーマを設定する
 ・魅力的な賞品や報酬を設定する
 ・キャンペーンの参加方法をわかりやすく説明する
 ・キャンペーンの告知を効果的に行う

3. インフルエンサーにPRを依頼する

UGCを生成するために、インフルエンサーを活用する方法があります。インフルエンサーに商品を試してもらい、その感想や写真をSNSに投稿してもらうことで、ユーザーのリアルな声を届けることができます。
ただし、インフルエンサーに商品を無料で提供したり、報酬を支払う場合は、ステルスマーケティングに該当する可能性があります。そのため、投稿内に「#提供」「#PR」などのハッシュタグを付けるなどして、企業とのタイアップであることを明示する必要があります
また、インフルエンサーの投稿が大量に発生すると、消費者の反感を買う可能性があります。ブランドを理解した信頼できるインフルエンサーに依頼することが大切です。インフルエンサーの選定は慎重に行いましょう。

UGCを活用する際の注意点

UGCは自社コンテンツと違いユーザーが自発的に作成するコンテンツなので、活用する際には以下の事を注意する必要があります。

 ネガティブな投稿が発生することがある
 著作権侵害対策が必要である
 ステルスマーケティング対策が必要である
 薬機法に抵触しないか確認する

それぞれについて解説します。

ネガティブな投稿が発生することがある

UGCは、ユーザーの率直な意見や感想が反映されたものなので、中にはネガティブな投稿が発生することがありますが、企業の都合に合わせて内容を変更すると、ユーザーの信頼を失う恐れがあります。UGCをマーケティングに活用する際には、内容をそのまま尊重することが大切です。また、企業側から真摯なコメントを返すなど、誠実な対応をすることでユーザーからさらなる信頼を得られる可能性もあります
ただし、コンテンツの内容で自社にかかわる部分に誤りがある場合には、速やかに否定した上で、生成ユーザーに正しい情報を伝えて修正を依頼しましょう。

著作権侵害対策が必要である

UGCの著作権は原則として作成したユーザーに帰属します。そのため、企業が許可を得ずにUGCを商用利用すると、著作権侵害に問われる可能性があります。
UGCをマーケティングに活用する際には、投稿者の著作権を尊重し、必ず利用許諾を得るようにしましょう。
また、利用許諾を得た旨を明示することも大切です。UGCを掲載する際には投稿者のアカウント名や許諾を得たことを明記しましょう。

ステルスマーケティング対策が必要である

UGCの活用には、ステルスマーケティングについても注意が必要です。
ステルスマーケティングとは、企業が消費者に商品やサービスの存在を認識させようとするために、あたかも消費者が発信したかのように偽装して情報を発信するマーケティング手法です。ステルスマーケティングは、消費者の信頼を損なうだけでなく、景品表示法や不当表示法に抵触する恐れもあります。
企業がモニターやインフルエンサーにUGC投稿を依頼する際には、投稿に以下のような企業とのつながりを明示する必要があります。

 ・投稿文や画像に「#モニター」「#PR」「#提供」などのハッシュタグをつける
 ・投稿文に「この商品は○○企業から提供されました」などの文言を入れる
 ・投稿文に「企業とのタイアップです」などの文言を入れる

薬機法に抵触しないか確認する

薬機法とは医薬品、医療機器、化粧品などの品質、有効性、安全性を確保するための法律です。薬機法では、これらの製品に関する広告や表示についても規制があります。例えば、化粧品や健康食品の企業がユーザーの投稿した写真や感想を自社のサイトや広告に掲載すると企業の表現物とみなされ、薬機法の規制の対象になります。コンテンツに含まれる表現が、薬機法で禁止されているもの(効能効果の表示、医療行為の誘引、医師や薬剤師の推薦など)でないか確認しましょう。

UGCの活用事例

ここでは、実際にUGCを活用した事例をご紹介します

株式会社アイデアプラスでのケース

弊社アイデアプラスが携わったインフラ系事業会社(A社)の例を紹介します。

A社はキャンペーンやイベントを通じて顧客の契約件数アップを目指す中で、HPへの流入が少ないという課題を抱えていらっしゃいました。

そこで、まずHPを充実させるためにUGCを活用したコンテンツを掲載していく事になりました。
同時にSNSの個人の投稿をきっかけに、コンテンツサイトやコンテンツの取り組みを知って欲しい、という所からイベント会場で写真とコメントを投稿するキャンペーンも実施しました。
チラシ配布やメールマガジンでキャンペーンの周知を行いながら、HP上にInstagramやX(旧Twitter)などのSNSで投稿されたイベントの様子を掲載していき、今までのキャンペーンで獲得していた層とは異なる層へのアプローチを狙いました。

UGCの収集にはA社のリソースや環境、目的から考えて、株式会社visumo (
https://visumo.asia/) のVismo socialというツールを使用して、投稿者とコミュニケーションを図りながら効率よく運用を進めています。

ECサイトでの売上アップに繋がったケース

サンスター株式会社は、通販事業における主力商品である青汁「緑でサラナ」のマーケティング施策にUGCを活用し、高い成果をあげています。具体的には、以下のような取り組みを行いました。
新規顧客獲得のためのモニター募集ページや、定期購入への引き上げページに、InstagramやX(旧Twitter)などのSNSに投稿された「緑でサラナ」の写真やコメントを掲載しています。第三者の評価を見せることで、商品の信頼性や魅力を伝えました。この施策により、CVR(コンバージョン率)がおよそ1.1倍〜1.3倍に改善し、単月あたり1,000万円強の売り上げ貢献を実現しています。
また、SNS広告のクリエイティブにもUGCを活用しています。SNSのフィードになじむように、ユーザーの生の声や写真を使った広告を配信した結果、広告への反応率やクリック率も高めることができました。

SNS広告を利用して顧客獲得単価を削減したケース

BULK HOMME(バルクオム)は、2013年に創業した日本の男性向け化粧品ブランドです。「本質的なビューティをすべての男性に」をブランドコンセプトに掲げ、シンプルで使いやすく、かつ効果的なスキンケア製品を展開しています。

バルクオムはInstagram広告のクリエイティブに、ユーザーが投稿した商品の写真やコメントを掲載しました。その結果、従来のクリエイティブに比べてCTR(クリック率)が165%、CVR(コンバージョン率)が407%改善し、CPA(顧客獲得単価)が約3分の1に削減されました。

SNS投稿に利用してエンゲージメントが上がったケース

キリンビールは、ファンの投稿した写真や動画をInstagramに活用することで、エンゲージメントを高めることに成功しました。UGCマーケティングプラットフォームを使って、ファンの投稿を自動的に収集し、承認したものを日々の投稿に組み込むことで、投稿素材の量と質を確保しました。また、ファンの投稿をフィードやストーリーで紹介することで、ファンとのコミュニケーションを促進しました。これにより、ファンの参加意欲とブランドへの愛着を高めることができました。その結果、UGCの活用前と比べてエンゲージメント率が約2倍、フォロワー数が約1.5倍に増加しました。

よくある質問

ここではUGCについてよくある質問をご紹介します。

UGCとはどういう意味か?

UGCとは、User Generated Contentsの略で、ユーザー生成コンテンツのことです。一般の消費者が、インターネット上で制作・投稿したコンテンツを指します。企業やメディアではなく、一般のユーザーによって作られたコンテンツを指しています。
企業や組織が制作するコンテンツとは異なり、消費者の視点や感想を反映したリアルなコンテンツであることが特徴です。UGCを適切に活用することで、企業や組織のマーケティングやPRを効果的に行うことができます。

UGCの具体例を知りたい

例えば、InstagramやYouTubeなどのSNSに投稿される写真や動画、ECサイトのレビューや口コミ、ブログやnoteといった文章などがUGCにあたります。

UGCにはどういう効果があるか?

UGCはユーザーの生の声です。拡散力が強いため信頼性や認知度向上に効果的で、企業が作成するコンテンツとは異なる効果をもたらすと言われています。具体的には以下のような効果が期待できます。

「顧客の購買意欲が高まる」
「親近感・信頼感を演出できる」
「クリエイティブの量と質を保てる」
「商品開発や施策改善のヒントを得られる」

特に商品の購入意思決定において、UGCはインフルエンサーコンテンツよりも9.8倍も影響力があるとの調査結果が出ています。

まとめ

近年、消費者は自分の興味やニーズに関係ない広告に飽きて、広告ブロッカーを使用したり、広告が信頼できないと思われることが多くなりました。そのような背景の中、UGCは信頼性の高い情報源としてマーケティングに重要な役割を果たしています。UGCは商品の購買意欲を高めるだけではありません。親近感や信頼感を演出し、クリエイティブの量と質を保ちながら商品開発や施策改善のヒントを得ることができます。

UGCは商材によって生まれやすいもの、生まれにくいものがあるので、自社商材の特性を理解し、ユーザーのニーズやモチベーションを分析して適切なUGCの促進策を考えることが重要です。
またクリエイティブ制作でも、コストや時間を節約しながら商品の魅力を伝えることもできます。
UGCは新時代のマーケティングにおいて、カギを握るコンテンツです。ぜひ、参考にしてみてください。

弊社、株式会社アイデアプラスはお客様が抱える課題を考えクリエイティブの力で課題解決、一緒に目標達成まで伴走致します。

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森敬祐 ディレクター

森 敬祐 ディレクター

大学院時代に学生起業として組織を設立。中小企業から大手の中で新事業開発や商品開発の企画を実施。 アイデアプラスでは販促戦略やデジタルマーケティング、ブランディングや新商品開発を行う。 好きなものは、お酒・ゴルフ・麻雀・フットサル・ドラゴンズなど。

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