テーマとコンセプトの違いとは?ビジネスで重要視される理由を解説 - アイデアコンパス

テーマとコンセプトの違いとは?ビジネスで重要視される理由を解説テーマとコンセプトの違いとは?ビジネスで重要視される理由を解説

テーマとコンセプトの違いとは?ビジネスで重要視される理由を解説

本記事の著者
木村 里紀 ( ディレクター )
木村里紀 (ディレクター)
テーマとコンセプトで
お困りの際は是非ご相談を!
テーマとコンセプトの違いとは?ビジネスで重要視される理由を解説
ビジネスを展開する上で欠かせない「テーマ」と「コンセプト」。どちらも企画立案などの初期段階で決定される大切な部分です。
ところで、この二つの違いは何でしょうか?また、それぞれの意味について詳しく説明できる方は、そう多くないでしょう。「テーマ」と「コンセプト」について知見を深めたうえで、正しく設計できれば、あなたのビジネスが良い方向に進んでいく可能性がぐっと高まります。
この記事では、「テーマ」と「コンセプト」の違いや、設計する際の手順・戦略などを、詳しく解説します。

「テーマ」と「コンセプト」の違いとは

まずは、「テーマ」と「コンセプト」の違いについて、大まかに説明します。
「テーマ」は企画の『土台』にあたり、「コンセプト」はその土台の上に立つ『軸』にあたります。そのため、「テーマ」を決めてから「コンセプト」を決めるのが通常の流れです。
また、「テーマ(土台)」が一つしかないのに対して、「コンセプト(軸)」は必要に応じて、好きな数だけ立てられます。
以下でもう少し詳しく解説していきましょう。

テーマとは

テーマとは「主題」のことを指します。企画や物事の根本的な目的、伝えたいことともいえます。
以下の例文からもわかる通り、テーマ(主題)は名詞に置き換えられる場合が多いです。
「テーマ」の使い方
例1 : あの遊園地は、映画をテーマにして作られています。
例2:次回の飲み会のテーマは、クリスマスパーティーにします。
例3 : A株式会社の強みは、SDGsをテーマにした事業です。
どの例文も、テーマ(主題)は企画や物事を進めるための「前提」として存在しています。

コンセプトとは

コンセプトとは、「概念」や「構想」「発想」という意味の単語ですが、ビジネスではテーマを表すための「切り口・考え方」のことを指します。
企画や物事のテーマを表現するためには、多くの効果的なコンセプト(切り口・考え方)を取り入れ、統一感を出す必要があります。
つまり、コンセプトは「テーマの方向性を具体化するもの」と考えればわかりやすいでしょう。
コンセプトの思考プロセス
選ばれる商品(サービス)を作るためには、最初のコンセプト設計が重要になります。「コンセプトを作る」ということは、単純にやりたいことを列挙するのではなく、企画の方向性を考えていくプロセスです。
以下の要領で、想像力を働かせて、しっかりと作り込んでいく必要があります。
1.自分(自社)の得意なことや強みを考える(棚卸し)
1.自分(自社)の得意なことや強みを考える(棚卸し)

他人やお客様からよく言われる言葉を参考にすることで、自分では気づかない強みを発見できることがあります。

2.見込み客の悩みを考える
2.見込み客の悩みを考える

Yahoo!知恵袋やGoogle検索の上位に出てくる記事などを参考にして、見込み客がどのような悩みを持っているかを想像します。

3.競合(ライバル)について調べる
3.競合(ライバル)について調べる

Google検索の上位に出てくる記事を確認して、競合が大手ばかりではないか、勝算はどのくらいあるのかなどを確認します。

4.市場を決める
4.市場を決める

Google検索を使って、競合が少ないなど、勝算の高そうな市場を見つけ出します。

5.立ち位置を決める(ポジショニング)
5.立ち位置を決める(ポジショニング)

競合を分析して、競合にはない差別化できるポイントを探ります。

6.見込み客の属性を考える(ペルソナ設定)
6.見込み客の属性を考える(ペルソナ設定)

見込み客の性別・年齢・職業・年収など、細かく決めていくことで、競合よりも選ばれる訴求ポイントを見つけます。

コンセプトが重要視される理由

ビジネスにおいてコンセプトが重要視される理由として、主に下記の5つが挙げられます。
●ビジネスの成功率を高められるから
●従業員がすべきことがはっきりするから
●競合と差別化できるから
●ビジネスや商品開発に「ブレ」が起きにくいから
●ニーズの有無を考えられるから
順番に解説していきます。

ビジネスの成功率を高められるから

しっかりしたコンセプトがあれば、ターゲットに刺さる可能性が高まり、事業がうまくいく可能性が高まります。
ビジネスを成功させるために、必要なことの一つが「自己(自社)分析」です。
コンセプト設計の際には、市場調査・競合調査など総合的な観点から自己分析を行い、自身の強みや差別化できるポイントを探ります。
この工程を綿密に行うことが、ターゲットに刺さる可能性を高め、成功への近道となり得るといえます。

従業員がすべきことがはっきりするから

綿密なコンセプト設計ができていれば、その企画に関わる従業員やパートナーのすべきことが明確になります。課題や方向性がはっきりと示されることで、各人がタスクに対して能動的に取り組めるようになり、結果的に企画全体のスムーズな進行につながるでしょう。

競合と差別化できるから

コンセプト設計は、ライバルと差別化できるポイントを見つけ出すのにも有効です。見込み客(ターゲット)の感動や共感をあおることができれば、購入先・依頼先として選んでもらえるようになります。競合にはない購入・依頼する理由を明確にすることで、競合との差別化をはかることが可能になるのです。
顧客の感情を動かし「ファン化」ができるようになると、SNSで拡散されるなど、将来的にブランディングに役立つことも期待できます。

ビジネスや商品開発に「ブレ」が起きにくいから

コンセプトを作っておくことで、試行錯誤や議論を繰り返すうちに起きがちな「ブレ」を防ぐことができます。企画の途中で選択を迫られた時などに、原点に立ち返り、企画内容がテーマ(主題)から脱線しないようにすることもコンセプトの役割なのです。
例をあげると、映画をテーマにした遊園地にジェットコースターを作る計画のなかで「昭和レトロなデザインを取り入れたい」との案が出たとします。その際、あらかじめ「アバター」というコンセプトが決まっていれば、コンセプトに沿った別の発案を促すことができます。
コンセプトは、進むべき道を明確にするために必要な指標といえるでしょう。

ニーズの有無を考えられるから

コンセプト設計の際に行う、市場調査や見込み客の属性の想定は、その商品やサービスが見込み客のニーズに合致するかを確認することにもつながります。
例えば、ファミリー層の多いベッドタウンとして有名な地域で、映画をテーマにした遊園地を建設する計画を立てたとします。当初、大人向けの映画作品をコンセプトにしたアトラクションを多く取り入れたいという希望がありましたが、その地域の住人たちは「大人だけでなく、子どもも楽しめる遊園地の方が良い」と思うはずです。そこで、子ども向けのアニメ映画をコンセプトにしたアトラクションを、いくつか導入することにしました。
このように、事前にコンセプト設計をすることで、見込み客のニーズに合った選択肢を生むことが可能になります。

独自メソッドの詰まったフォーマットはこちらからダウンロード

資料請求

コンセプト設計の成功事例

コンセプト設計の成功事例
実際にコンセプト設計を行い、成功した事例を紹介します。
エンターテイメントコンテンツに関連するプロダクト・サービスの事業を展開している、株式会社まさめや様の商材販売サイトのコンセプト設計を担当させていただきました。商材は「アニメキャラクターとのコラボ香水」で、多彩な商品ラインナップが自慢のコラボ香水ブランドを確立しているところが、まさめや様の強みの1つです。
まさめや様は販売経路拡大のため、ECモールへ自社ブランドのショップを出店したいとお考えでした。自社ブランドの商品しか掲載していない自社のECサイトとは違い、ECモールの出店サイトは競合に勝つためのコンセプト設計をする必要があります。
競合との差別化につながるブランドイメージの確立とブランドへの理解は、顧客となるターゲットの共感から生み出されるものです。そこで、ターゲットは「誰」なのか、「何」を伝えれば相手の感情が動き、商品を購入してもらうという目的を達成できるのかを徹底的に思案しました。
また、しっかりとペルソナが作られた上で制作された商材だったので、それがきちんと伝わるような、顧客の目線を重視したサイトにすることを心がけました。
こうして綿密にコンセプト設計を行ったうえで作成した商品販売サイトは、ターゲットの共感を得ることに成功し、結果的に売上を伸ばすことができました。

コンセプト作りで大切なポイント

コンセプトを作るにあたって、「ターゲットを明確にする」「コンセプトシートを作成する」の2点は、特に大切なポイントです。
以下で深掘りしていきます。

ターゲットを明確にする

コンセプトを決める際には、必ずターゲットを明確にするようにしましょう。
ターゲットが選定されていないと、商品やサービスに特徴が出にくく、商材の価値が分かりにくくなってしまいます。どういった人に価値を提供したいのかを明確にすることで、コンセプトも決めやすくなります。
また、ターゲットの人物像について、性別・年齢・職業・年収などの背景を細かく設定できれば、勝負しやすい市場を見つけることや、競合との差別化をはかることにもつながるでしょう。

コンセプトシートを作成する

コンセプトを設計する際には、企画の方針などをまとめたコンセプトシートを作成します。コンセプトシートは、思考の整理・企画の「ブレ」の防止・意見交換など、さまざまな面で必要になるため、必ず作成するようにしましょう。
コンセプトシートには以下の内容を盛り込んで作成します。
●企画意図…企画に至るまでの経緯や意図
●ターゲット…想定される見込み客の人物像など
●訴求内容・手法…商材を訴求する内容や手法
●予算…必要経費などの概算
●スケジュール…企画立案から販売までの期間や予定
●その他、適宜必要な項目を追加する

コンセプト作りの手順

コンセプトを作る手順は以下の通りです。
1.「テーマ」を抽象化し、さまざまな切り口から考える
2.ターゲットを分析する
3.ニーズを探す
4.コンセプトを決める
5.コンセプトを文章にする
順番に解説します。

1 「テーマ」を抽象化し、さまざまな切り口から考える

「テーマ」を抽象化し、さまざまな切り口から考える

テーマを表現する具体的な方法について、多くの案を出します。

2 ターゲットを分析する

ターゲットを分析する

商材を購入してくれそうな人の人物像を整理します

3 ニーズを探す

ニーズを探す

ターゲットが欲しがっているものを分析します。

4 コンセプトを決める

コンセプトを決める

1〜3をもとにコンセプトを決めます。

5 コンセプトを文章にする

コンセプトを文章にする

さらにイメージを固めながら、魅力的な文章を作成していきます。

コンセプト作りで大切にすべき6つの原則

コンセプトを作る際に取り入れるべき考え方として、全米で150万部を売り上げた「アイデアのちから」という本の中で提唱されている、「アイデアの6原則」を紹介します。
【アイデアの6原則】
●単純明快であること
無駄なことをそぎ落して簡潔な1本の言葉にしてみることで、相手の心をつかむ
●意外性があること
常識破りな言い回しで、相手の記憶に焼きつける
●具体的であること
アイデアを具体的に示すことで、相手が理解できるようになる
●信頼性があること
「権威性を示す」「統計データを持ち出す」「鮮明な細部描写を伝える」の3つの手法で、相手の信頼を得る
●感情に訴えること
「感情にアイデアを関連付ける」「メリットを伝える」「個性や自己イメージに訴えかける」の3つの手法で、相手の感情を動かす
●物語性があること
「挑戦」「絆」「創造性」の3つの筋書きで、相手の心に響かせる

よくある質問

「テーマ」と「コンセプト」に関連した、よくある質問3点についてまとめました。
●テーマとコンセプトの例は?
●テーマとコンセプトはどっちを先に考えるべき?
●コンセプトにはどんな種類がある?
順番に見ていきましょう。

テーマとコンセプトの例は?

テーマは「主題」、コンセプトは「テーマを表現するための切り口」を表しています。
例文 : 「ダイエット」をテーマにしたブログサイトを立ち上げたので、糖質制限についての記事を書き、食欲を抑えるサプリメントの広告リンクを貼った。
この例文の場合、テーマは「ダイエット」で、テーマを実現させるためのコンセプトは「糖質制限」と「食欲を抑えるサプリメント」です。

テーマとコンセプトはどっちを先に考えるべき?

「テーマ」は企画・計画の『土台』にあたり、「コンセプト」はその土台の上に立つ『軸』にあたります。そのため、通常は「テーマ」を決めてから「コンセプト」を決める、という順番になります。

コンセプトにはどんな種類がある?

コンセプトにはさまざまな種類のものがあり、ビジネスで使用されるものとしては、次の3つが挙げられます。
●企業コンセプト
企業が目指すべき方向性を表すためのコンセプト
●商品コンセプト
どのようなターゲットの、どのようなニーズに、どのような方法で応える商品なのかを明確にするためのコンセプト
●ブランドコンセプト
ブランドが日々果たしていく使命や約束を明確化するためのコンセプト

まとめ

企画の主題であるテーマと、それを補完するコンセプト。どちらもビジネスを成功させるために、欠かせない重要な部分です。設定を誤ると、後になって大幅な訂正をしなければならなくなるかもしれません。
そうはいっても、テーマやコンセプトについての作り方を身に付けるまでには、それなりに経験と勉強が必要です。まだ作り方がよくわからないという方は、一度プロに相談してみるという選択肢もあります。
お困りの方は、株式会社アイデアプラスにお気軽にご相談ください。

Writer

執筆者

ポスターやチラシ、Webなどの販促物のディレクションであればお任せください!

木村里紀 ディレクター

木村 里紀 ディレクター

神奈川県出身。美術大学卒業後、映画/ドラマ/アニメのオフライン編集を行う映像編集会社に編集助手として従事。次回予告編集を始めとする映像作品作り携わる。その後、ディレクターとしてアイデアプラスに入社。ポスター、チラシ、LP、バナーなど複数展開のキャンペーン販促物を中心にディレクションを担当。

木村 里紀 に
お問い合わせをする
   
©2023 idea+CO.,LTD